エッセイ
冬の夕暮れは家路を急がせますが、春のそれはどこかあたたかで、観る人をぼんやりとさせるようです。その色の移ろいは、私の高校時代のことを想起させてくれるようです。
いまは亡き、そんな祖父とのキャッチボールを、思い出していました。それはどこか、あのボールを捕っていれば、というほろ苦い申し訳なさとともに、思い出されるのです。
花は誇らず、ただ咲くのみなのですから。そして、私自身も、そのように在りたいと願うのです。
いつもこの時期に行く、墓参り。なんだかこの日は、いつもと違う道を通って行きたいと思ったのです。
3月10日、金曜日。見上げると、青空が広がっていました。
自分の意志の力を信じること。自分に与えられた川の流れを信じること。それは、どこか同じことのように、最近はつとに感じるのです。
祖母の家の庭では、春になると黄色い蝶々が舞っていました。やわらかな春の日差しのなか、ひらひらと舞うその蝶々の色を、よく覚えています。
花の窟神社は、伊弉冊尊(イザナミノミコト)が火神・軻遇突智尊(カグツチノミコト)を産み、灼かれて亡くなった後に葬られた御陵とされる。季節の花を供え飾ってイザナミノミコトを祀ったことから、花窟という社号が付けられたと考えられているそうだ。
熊野三山のひとつ、熊野速玉神社を訪れる。もとは、先に訪れた神倉神社に熊野権現が祀られていたのが、この場所に遷されたとのこと。
今日は3月3日、桃の節句。もう啓蟄も近くなってきました。そんな日に、熱田神宮を訪れることができました。
熊野権現が、熊野三山として祀られる前に、一番最初に降臨されたのが、この神倉山の地とされる。熊野速玉神社の摂社でありながら、熊野信仰のルーツとされる神社。
熊野本宮大社に参拝したあとは、旧社地である大斎原へ。のどかな田んぼの道の先に見えるは、大斎原の大鳥居。
初めて熊野を訪れたのは、人生の転換期だったように思う。いろんな怖れがあったが、熊野の風はやさしく私を迎えてくれた。以来、熊野を訪れることは、私のライフワークのようなものかもしれない。
静かに降る、あたたかさを含んだ雨を見ていると、傘についての思い出にふけってしまうようです。
先般からお騒がせしておりました、2月にご依頼いただいた文章を、ようやく書き終え、納品しました。温かい応援いただきまして、ありがとうございました。
学校も企業も、週休二日制が一般的になったのは、いつごろだったのか。そんなことを、考えることがあります。私が小学生のころは、まだ土曜日も午前中だけ学校があったことを覚えています。
手塚先生のライフワークともいえる、「火の鳥」。初めて読んだのは、小学生のころだったでしょうか。その中でも「鳳凰編」は、私が強く影響を受けた作品の一つでした。
感情と結びついた記憶は、忘れないと聞きます。とても嬉しいことがあったとき、とても悲しいことがあったとき。そのときの風景や天気、あるいは風の色や聞いていた音などを、よく覚えているのは、そのためといわれます。
息子とキャッチボールをしていると、嫉妬を感じたりもします。「自分は、全然父親とキャッチボールしてもらってない。それなのに、こいつはズルい」自分のなかの5歳児が、あばれるわけです。
暖かな春は、少しずつ近づいているようです。いつもの道の樹木にも、小さな赤い実がなっているのを見つけました。
今月は、どうもそういう月のめぐりのようで、ご依頼をいただいた文章の締切が月末に重なっていました。
銀杏並木が目に留まるのは、やはり秋の紅葉シーズンでしょうか。けれども、この季節の銀杏もまた、いいものです。私が通っていた大学のキャンパスにも、銀杏並木がありました。
そんな空き地の、冬の愉しみの一つが、霜柱でした。ことらさに寒い冬の朝、土の地面にいくつもの櫛のような氷の柱が立っている。それを、踏むと、ざく、ざく、と心地よい音がしました。
私が社会人になって、働き始めたとき。ある社会人の先輩と、お酒の席で話していたことを思い出します。働くって、どんなことなんだろう。なんのために、働くのだろう。
出せない、絵葉書。どこか、その絵葉書たちは、私の夜空で星座をつくっているようにも思うのです。
なぜか、生まれ故郷のプールの夢を見ました。久しく訪れていないその場所の記憶は、久しく触れていなかった記憶を、呼び覚ましてくれるようです。
こころ揺れるとき。それは、新しい自分に出会うときなのかもしれません。
生きてくれさえすれば、それでいい。そこにいてくれさえすれば、もうそれ以上は何もない。そんな愛のかたちの言葉を、時に聞くことがあります。ある意味で、最も尊い愛のかたちように感じられます。
時を重ねるほどに、味わいが出てくるものもあります。カウンセリングもそうでしょうし、執筆もまた、そうなのでしょう。
今日は、節分です。どんな小さなことでもいいので、何か自分の「コンフォートゾーン」を抜けることをしてみては、いかがでしょうか。