大嵜 直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー見習い。

随筆

断酒日記【922日目】 ~どんな選択をするかよりも、選んだことを肯定する。

さて、断酒922日目である。 おおよそ2年と半年。 そう聞くと、ずいぶんと長いこと続けてきたものだな、と感慨深くなる。 最近はもう断酒をしている感覚も薄れ、お酒というものは意識の遠いところに押しやられているようだ。 2年半前の心情や感覚など、なかな…

「ほんとうの季節」など、ありはしないように。

ごく私的なことなのだが、私の生まれは8月12日である。 夏休み真っただ中の時期のため、学校の友だちに祝ってもらえないのが常だった。 「今日誕生日なんだ」 「そうなんだ、おめでとう」 そんな他愛もない会話をする友人を、うらやましく思っていたのを思い…

祈り、について。

祈りについて、考えている。 何かを前にしたとき、人は手を合わせ、祈る。 その何かとは、自分ではコントロールできない、何かだ。 誰にも見通すことのできない、未来を前にしたとき。 自分でもわけのわからぬ、感情の揺れに慄いたとき。 まるで神は存在しな…

薫る風に記憶を重ねて。

最も、気持ちのいい季節になった。 春というよりも、もう夏といった方がしっくりくる。 事実、明日にはもう立夏だ。 歳を重ねるごとに、季節がめぐりゆくのが愛おしくなる。 何度もめぐってきた季節だけれども、いま目の前の風景は二度と戻らないと思うと、…

不思議なお花。

気づくと、緑の小さな芽が出ていた。 ベランダに置いたままだった、白い鉢植え。 その鉢植えは、娘が保育園を卒園した際に記念にいただいたものだ。 いっしょにいただいた何かの花の種を植えて、それは無事に花を咲かせた。 もう、2年も前の話である。 その…

ダイヤルアップ接続の思い出と、コミュニケーションについて。

私が学生時代の頃というと、もう20年以上も昔になるのだろうか。 当時、携帯電話が普及し始め、皆がポケベルを卒業してEメールを使い始めた。 メールという非同期コミュニケーションは、ことのほか便利で、すぐに誰もが当たり前のように使い始めた。 それと…

エースの矜持。

知人が、バンテリンドームナゴヤへ中日ー阪神戦を観に行くという。 折しも今日は、不動のエース・大野雄大投手の登板日。 うらやましいことこの上ないと思いながら、帰宅してテレビをつけた。 2回に虎の大型新人・佐藤輝明選手にソロホームランを被弾したよ…

断酒日記【903日目】 ~理性は情念の奴隷。

さて、断酒して903日が経った。 2年半近くになると思うと、ずいぶんと遠くに来たものだ。 酒を断って2年半にもなると、もう酩酊していた感覚や記憶も、薄れてゆくようだ。 はてさて、酔うとは気持ちいいものだったような気がするが、どんな感覚だったか…2…

確定申告の思い出と、自立の功罪について。

あれは22歳か、23歳の頃だっただろうか。 当時の私は、社会人1年目だった。 父と母を立て続けに亡くしたことで、誰もいない土地で一人暮らしをしていた私は、ワーカホリックに働いていた。 4月に入社してから働き始めて、ちょうど一年くらい経ったころ。 確…

ストレッチ日記 ~身体の左右差と問題の類似

引き続き、ストレッチを続けている。 先週は何かとばたばたして、少しサボり気味だったが、また今週に入って少しずつ。 やはり、終わった後の達成感と爽快感、深く呼吸ができる感じ、そして身体の軽さというのは、気持ちがいい。 身体と会話しながら、ゆっく…

電話と、コミュニケーションに寄せて。

電話というのも、不思議なコミュニケーションツールだ。 相手の顔が見られない分、寄り添おうとする。 目を閉じていると、音や香りに鋭敏になるように。 相手の声色、トーン、間合い、ニュアンス…そういったものから、相手の心情を想像し、慮り、聞き、話す…

かなしさについて。

悲しさについて、ここのところ考えている。 ひとつ思うのは、何かが悲しいというときは、必ずその対象があるようだ。 恋人と別れてしまい、悲しい。 ドラゴンズが完封負けして、悲しい。 悩みが友だちに理解してもらえなくて、悲しい。 コンサートのチケット…

走り、旬、名残。いつか、また。

食べものの世界では、四季折々に触れた食材を大切にする。 いまの時分だと、山菜、たけのこ、新ごぼう、ホタルイカ、などだろうか。 四季のめぐりとともに出回る食材に想いを寄せ、ときに口にするもので四季の訪れを感じる。 スーパーに並ぶ野菜の変化を見て…

断酒日記【881日目】 ~弱さを認める、ということ。

さて、断酒して881日。 2年と5か月あまりが過ぎた。 取立てて書くほどの変化もなく、淡々と断酒生活を続けている。 それにしても、だ。 あの2年半ほど前、お酒を断つことを決めた時期。 よく飲みに行っていたし、自宅でもよく飲んでいたものだと思う。 根源…

才能の在りか、逆・裸の王様、そして問題について。

誰しも、他人のことはよく見えるものだ。 欠点でも、長所でも。 放っておいても目に入ってくる。 あの人は、あのズボラな性格だけ、何とかしたらいいのに。 というような短所は、 あの人のおおらかさに、誰もが救われている。 というような長所と同義でもあ…

ストレッチ日記 ~自分に還る時間

サボりながらも、なんだかんだと続けているストレッチ。 以前と変わらず、1セット30分くらいのメニューを、Youtubeを参考に。 相変わらず、お手本のYoutuberの方のように、見事な開脚には至らない。 それでも、終わった後のなんともいえない達成感に惹かれ…

当ブログの諸々をカスタマイズしております。

昨日から当ブログの諸々をカスタマイズしております。 より自分らしいブログにするため、独自ドメインを取得いたしましたので、アドレスが以下に変更となっております。 新アドレス:https://oosakinaoto.com/ 今後お気に入りの登録などには上記アドレスでお…

忘れないでいる。

いまから20年以上も前の当時、いまと比べて写真というメディアに記録する手段は、限られていた。 専門知識が必要なごついカメラで撮影し、それを現像するハードルの高さは、なかなかのものだ。 そのハードルを低くしたのが、インスタントカメラの出現だった…

瞬間と永遠。

時は流れ、いつしか目の前から消え去っていく。 まだまだ先だと思っていた時間は、いつしか遠い記憶の彼方に押し込められている。 過ぎ去った時は、どれだけ悔いても、いくらお金を積もうが、戻ることはない。 「いま」という時間を、つかまえることができな…

春が訪れることに、原因などありはしないように。

いつもの通り道、ふとしたピンク色に気づく。 いつもと違う、まんまるとした、やわらかな蕾、やさしい色合い。 その木が花を咲かせることすら、意識になかったのに、このふくらみ。 春の色と形は、どこか官能的だ。 ここ数日、寒の戻りなのか、冬に逆戻りし…

墓前に捧ぐ。

息子は、遠いからついてこない、と言った。 もう墓参りというイベントも、退屈な年ごろになってしまったのだろう。 寂しさに敏い娘が、出がけについてくると言ったが、結局はやめておくことになった。 ここのところ、何度かついてきてくれていたので、久しぶ…

何も起こっていない。

その中に大きなエネルギーを秘め、新芽はふくらむ。 春の陽気に誘われて、花は歌い、虫たちは顔を出す。 同じように、人も気温が上がると、縮こまっていた身体も少しずつ伸びてくるようだ。 されど、空は霞がかかったようになり、眠気を誘う。 春の、訪れ。 …

断酒日記【853日目】 ~決めることと、あきらめること。

さて、断酒して853日目である。 2年と4か月、まあよくもっているものだと思う。 時に、しとしとと天地を湿らすような霧雨が振ると、断酒をした日のことを思い出す。 あの日も、小雨が降る日だった。 立冬もほど近くなった、霜月のある日。 自宅の近くの川沿…

反対側に気づくと、早い。

真夏の強い日差しによって、最も色濃い影がつくられるように。 人生最大の不幸が、時を経ると人生最大の恩恵になるように。 子どもの悪態の裏には、信頼と愛が隠れているように。 ものごとには、すべて表と裏があり、陰陽あわせて世界を形づくっている。 こ…

痛みと色彩。

灰色の世界、という表現がある。 こころが曇ったとき、 痛みとともにあるとき、 あるいは袋小路のようなこころの迷路に入ってしまったとき。 そんなとき、目に映る世界を表現した言葉だ。 目の前に広がっている澄んだ空が、まるでそこには存在しない。 とき…

断酒日記【843日目】 ~寂しい夜の過ごし方

さて、断酒して843日。 2年と3か月半ほどになった。 考えてみれば、お酒とも20年くらいの長い付き合いをしてきたが、その盟友から離れてもう2年以上になるというのは、感慨深い。 人生の中の時間の比率で考えてみると、お酒を飲んでいた期間と、飲んでいない…

出立の朝。

黄色が、目に留まるようになってきた。 路傍の花の色に加えて、白く透明感のあった陽の光の色が、暖色を帯びてきた。 春の訪れ。 そう聞くと、こころはずむことを思い浮かべるが、やはり新しいことへの変化というのは面倒で、時に恐ろしいものだ。 冬の間の…

感情とは、自分一人で処理するためだけのものなのだろうか。

日々浮かんでは消えていく、うたかたのような、感情たち。 嬉しさ、悲しさ、楽しさ、怒り、喜び、無力感、切なさ、寂しさ、やすらぎ、罪悪感、愛しさ、諦め… あるいは、そうした言葉のラベルを貼ることもできないような、こころの織り成り。 時にそれは天上…

雨の匂いと記憶について。

久しぶりに、朝からの雨だった。 いつもの時間に明るさはなく、季節が逆巻きになったようだ。 窓を開けると、雨の匂いが鼻腔をくすぐる。 嗅覚は、どこか記憶を呼び起こす。 嗅覚と記憶を司る期間は、近い場所にあるのだろうか。 におい、香りといったものは…

歳を重ねるごとに、待つことが苦でなくなる。

四季の移ろいの美しさ、あるいは儚さ。 古来から、私たちはそれを詩に、絵に、言葉に託してきたようだ。 しかし、それらを愛でるようになるには、ある程度の歳月が必要に思われる。 路傍に咲く一輪の花や、ほんのわずかな風の表情の変化、あるいは夕陽が染め…