大嵜直人のブログ

たいせつな何かをなくした心に、ともしびを。

随筆

36.5度の奇跡。

感染症の拡大と、それにともなう新しい生活様式。 マスクや移動や会食の制限など、面倒なことは多々ある。 けれど、体温を測る機会が増えたことは、いろいろと考えさせられる。 自主的な検温もしかり、施設に入る時のカメラによる自動検温しかり、手首を出し…

夏至前の空は青く、そして丸く。

一日中降り続いた雨の日の翌日は、気持ちよく晴れた。 その空の青さに惹かれ、いつもの川沿いを歩く。 目に青いくらいの草たちが、揺れていた。 今日は久しぶりに30度を超え真夏日になるそうで、日差しは強い。 されど風は心地よく。肌に触れる風の感触は、…

触れる、磨く、撫でる、愛を伝える。

「応急手当」などに医療行為にも使われる「手当て」という語は、文字通り「手を当てる」行為から由来すると聞く。 薬も何もなくても、手を当てるだけで、人の身体を癒すことはあるのだろう。 お腹が痛くなってうずくまる子どもの背中を、ゆっくりとさするだ…

完全な、それでいて不完全な。

二日ほど前、梅雨の合間に黄色を見かけた。 タンポポだろうか。 タンポポというと、春先の弥生のころを想うのだが、この梅雨時期の黄色も悪くない。 完全な円ではなくて、少し欠けたその花弁の形が、どこか愛嬌があり美しかった。 いつも、わたしたちは完全…

ストレッチ日記 〜受動的に与える、ということ。

さて、なんだかんだと続けているストレッチについて。 まだYoutube動画の先生のように開脚できるようにはなっていないが、それでも終わった後の身体が伸びている感じが心地よく、なんだかんだ続いている。 それにしても、Youtubeの動画では「1週間でベターっ…

足止めの日。

梅雨時の空模様を心配していたが、気持ちよく晴れていた。 月一の仕事、いつもの仕事、少しの遠出。 いつものように、道草をしようと早めに出る。 ナビのない車。 念のため、と表示させていたスマホの地図アプリが、いつもと違う高速の出口を指示する。 二つ…

諦めることと、いまに殉じること。

練習で出来ないことは、試合でもできない。 かつて、部活でサッカーをしていたころ、顧問の先生がよく言っていた気がする。 それは、そうだ。練習でシュートを決められない人間が、試合になると急にバシバシと点を取れるわけはないし、練習で打てない人間が…

断酒日記【950日目】 ~積み上げは裏切らない。

さて、断酒して950日目である。 なんとなく区切りがいい数字なので、今日はそれに寄せて書いてみようと思う。 断酒を決めた、あの霧雨降る立冬を前にした日から、950日目も経っていると思うと、感慨深い。 2年7か月も続いていると考えると、かなり長い期間続…

さよなら。

飼っているクワガタが冬眠から目覚めた数日後、入れ替わるようにして2匹のカブトムシが天に召された。 このカブトムシたちは、息子が去年の夏に幼虫から飼育してきたオスとメスだった。 オスは無事に羽化して、立派なカブトムシの形をしていたが、メスの方は…

過去の肯定と多幸感、パズルのピースについて。

過去の一切の出来事を肯定したとき、人は多幸感に包まれる。 あぁ、今日この日のために、すべての出来事はあったのか、と。 しんどかったあの出来事も、辛かったあの思い出も、消し去りたかった黒歴史も。 すべてそれが起こってくれたおかげで、いまこの瞬間…

ストレッチ日記 ~歳を重ねる恩恵とは。

さて、久しぶりのストレッチ日記である。 書き出しておいて何なのだが、ここのところバタバタしており、1週間ほどストレッチをサボっている。 ある程度、習慣づいたことをやらないのは、結構ストレスである。 歯磨きをしないで寝るようなもので、なんだかお…

締切は、いまの自分を正確に映し出してくれる。

締切について、ここのところ考えている。 締切という名の、魔法の杖かつ地獄からの使者。 - 大嵜直人のブログ ↑こちらの記事で、締切が持つ力と、それに追われる悩みについて書いた。 締切がなければ、なかなか形にすることは難しい。 けれど、締切がもう少…

場所の記憶。

時に出会い、また時に別れ。 どこかで話し、またどこかで歩き。 昨日、今日、明日。 時に忘れ、また時に思い出す。 どこかで愛し、またどこかで離れ。 昨日、今日、明日。 あの色の空は、いつ見た空だったか。 遠く離れた地なのか、もう戻らない過去なのか、…

断酒日記【935日目】 ~睡眠は全てを解決してくれる。

さて、断酒して935日目である。 2年半と、少し。なんだかんだ言いながら、続いているものだ。 そういえば、先日コンビニの飲料棚に「ノンアルコールのレモンサワー」を見かけた。 いままで甘くない(=料理の味を邪魔しない)ノンアルコール飲料といえば、お…

締切という名の、魔法の杖かつ地獄からの使者。

締切というのは、物書きにとって魔法の杖であると同時に、地獄からの使者でもある。 締切がなければ、おそらくは何事も形にはできない。 デッドラインがあればこそ、頑張れるし、無理もするし、あたふたしながら間に合わせようとする。 それは、死があればこ…

くせ毛へのコンプレックスと、愛について。

私には、梅雨入りしてじめじめした湿気の気候の日が続くと、少々困ることがある。 私のくせっ毛だ。 湿気を吸った髪はまとまらず、癖も強くなるようで、くるくると外へ跳ねる。 毎朝、何とかしようと鏡と向かい合うのだが、これがなかなかうまくいかない。 …

重ね絵のような、過去と記憶について。

いくらなんでも、早すぎる梅雨入りのように感じる。 東海地方は、もうすでに梅雨入りしたそうだ。 平年よりも21日も早いらしく、1951年以降では観測史上2番目の早さだそうだ。 肌にまとわりつくような湿気と、灰色に覆われた空が、梅雨入りを実感させる。 そ…

不思議なお花の正体と、花言葉。

先日、不思議なお花の記事を書いた。 不思議なお花。 - 大嵜 直人のブログ ベランダに放置していた鉢から、ひとりでに芽が出てきて、水をあげていたら紫色の花が咲いたのだ。 3年前、娘が保育園の卒業時にいただいた記念品の鉢。 そのときに育てたお花は、と…

咲いていた朝顔と、出会いの記憶について。

いつもと違う道、淡い藤色をした花弁が咲いている。 何の花だろうと思い、道行く人の邪魔にならないように足を止める。 花弁の形、蔦の色、そして開く前のしゅるしゅるとした蕾の形。 朝顔の一種だろうか。 さすがに時期的に早いような気がしたが、それでも…

断酒日記【922日目】 ~どんな選択をするかよりも、選んだことを肯定する。

さて、断酒922日目である。 おおよそ2年と半年。 そう聞くと、ずいぶんと長いこと続けてきたものだな、と感慨深くなる。 最近はもう断酒をしている感覚も薄れ、お酒というものは意識の遠いところに押しやられているようだ。 2年半前の心情や感覚など、なかな…

「ほんとうの季節」など、ありはしないように。

ごく私的なことなのだが、私の生まれは8月12日である。 夏休み真っただ中の時期のため、学校の友だちに祝ってもらえないのが常だった。 「今日誕生日なんだ」 「そうなんだ、おめでとう」 そんな他愛もない会話をする友人を、うらやましく思っていたのを思い…

祈り、について。

祈りについて、考えている。 何かを前にしたとき、人は手を合わせ、祈る。 その何かとは、自分ではコントロールできない、何かだ。 誰にも見通すことのできない、未来を前にしたとき。 自分でもわけのわからぬ、感情の揺れに慄いたとき。 まるで神は存在しな…

薫る風に記憶を重ねて。

最も、気持ちのいい季節になった。 春というよりも、もう夏といった方がしっくりくる。 事実、明日にはもう立夏だ。 歳を重ねるごとに、季節がめぐりゆくのが愛おしくなる。 何度もめぐってきた季節だけれども、いま目の前の風景は二度と戻らないと思うと、…

不思議なお花。

気づくと、緑の小さな芽が出ていた。 ベランダに置いたままだった、白い鉢植え。 その鉢植えは、娘が保育園を卒園した際に記念にいただいたものだ。 いっしょにいただいた何かの花の種を植えて、それは無事に花を咲かせた。 もう、2年も前の話である。 その…

ダイヤルアップ接続の思い出と、コミュニケーションについて。

私が学生時代の頃というと、もう20年以上も昔になるのだろうか。 当時、携帯電話が普及し始め、皆がポケベルを卒業してEメールを使い始めた。 メールという非同期コミュニケーションは、ことのほか便利で、すぐに誰もが当たり前のように使い始めた。 それと…

エースの矜持。

知人が、バンテリンドームナゴヤへ中日ー阪神戦を観に行くという。 折しも今日は、不動のエース・大野雄大投手の登板日。 うらやましいことこの上ないと思いながら、帰宅してテレビをつけた。 2回に虎の大型新人・佐藤輝明選手にソロホームランを被弾したよ…

断酒日記【903日目】 ~理性は情念の奴隷。

さて、断酒して903日が経った。 2年半近くになると思うと、ずいぶんと遠くに来たものだ。 酒を断って2年半にもなると、もう酩酊していた感覚や記憶も、薄れてゆくようだ。 はてさて、酔うとは気持ちいいものだったような気がするが、どんな感覚だったか…2…

確定申告の思い出と、自立の功罪について。

あれは22歳か、23歳の頃だっただろうか。 当時の私は、社会人1年目だった。 父と母を立て続けに亡くしたことで、誰もいない土地で一人暮らしをしていた私は、ワーカホリックに働いていた。 4月に入社してから働き始めて、ちょうど一年くらい経ったころ。 確…

ストレッチ日記 ~身体の左右差と問題の類似

引き続き、ストレッチを続けている。 先週は何かとばたばたして、少しサボり気味だったが、また今週に入って少しずつ。 やはり、終わった後の達成感と爽快感、深く呼吸ができる感じ、そして身体の軽さというのは、気持ちがいい。 身体と会話しながら、ゆっく…

電話と、コミュニケーションに寄せて。

電話というのも、不思議なコミュニケーションツールだ。 相手の顔が見られない分、寄り添おうとする。 目を閉じていると、音や香りに鋭敏になるように。 相手の声色、トーン、間合い、ニュアンス…そういったものから、相手の心情を想像し、慮り、聞き、話す…