大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

問題の解決とは、望みとおりの現実になることではなく、問題が意味を持たなくなる瞬間かもしれない。

あら、いらっしゃい。お久しぶりね。

三連休最終日とかいう暇な日のはずだったのに、キトクなお客さんね。

まあまあ、とりあえず座って。ビールでいいわよね。

・・・え?もう開けちゃったわよ。はい、どうぞー。

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・・・え?そりゃビールじゃない?

あら、よく見たらホッピーって書いてあるわね。まあまあ、似たようなもんでしょ。

 

それにしても、今日は暑かったわね。近くの広場でスポーツイベントみたいなのやってたけど、そういえば今日は体育の日ね。三連休ムリヤリつくるために、毎年日付が変わるのも風情がないわよね。10月10日固定の方が覚えやすい気がするのはアタシだけかしら。ま、どうでもいいことだわね。

んー?どうしたの?

前回もそんなお顔されてたんわよね?

・・・あらそうなの、なるほどねー。話してくれてありがとね。うーん、自分を変えるっていろんな意味で難しいわよね。

まあとりあえず、せっかくだから今日は体育の日にちなんだテーマを聞いていってよ。


 

夜のランニングの途中で。

近所の川沿いの桜もぼんぼりでライトアップ。5分咲きくらい。

走り始めて、1年弱。

ぐるぐるぐるぐる、

とめどもない、

答えの出ない思考が、走り終わると少しすっきり。

文字通り地に足をつけるために走っているのかもしれない。

 

副次的な恩恵もあって、走り始めて3ヶ月で10キロ程痩せた。

それまでどんだけ!

不摂生だったのかの裏返しだけど・・・

久しぶりに会う友人や同僚には

「やつれたよね・・・何か大病してないよね・・・?」

とよく聞かれるので、

「一人ライザップです。結果にコミットしてます。」

と答えるようにしている。

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2017.4.5

 

・・・え?そうでしょ、アホなんでしょ、あの大将。

だいたい自分で不摂生して太っておいて、それがイヤになって、走りに走って痩せるとか自作自演の極みよね。

でもねー、10キロはやっぱり大きいわよ。よくスーパーで売ってる米袋を一袋、一日中常に持ち歩いてるようなもんだからね。そりゃー階段登るもの何するのも、疲れるわよ。

え?何で痩せようかと思ったかって?

そりゃ本人に聞かないと分からないけど、太ってた自分を変えたかったからでしょ。理由はどうあれ、ね。イヤになったってことじゃない?そのときの自分が。オトコは何でも形から入ろうとするからねー。

あの頃、だいぶ狂ってるくらい毎日走ってたわね。

けど、最近は見てるとそんなに走ってないかな。気が向いた時に、ふらっと行く程度みたい。体型も少し戻ったみたいだしね。

 

考えてみると、自己変革のプロセスってそうなのかもね。

アタシたちが生きてく中で、いろんなイヤなこと、傷ついたこと、苦しかったこと、いろいろ経験していく。離別、失恋、家庭の不和、信頼していた人からの裏切り、試験で失敗する、人によってはお金や転校ってのも入ってくるかもしれないわね。アタシたちは深く傷ついた分、同じことを避けるために、心の中に傷つかないためのあるルールを作るわ。

友人に裏切られた人は、もう誰も信頼しないわ。

借金で困った人は、お金は怖いもの。

夢を語って笑われた人は、夢を語ることは愚かなこと。

家族が不和だった人は、家庭は争いの場だわ。

そうしたルールはだんだんとアタシたちの首を絞めていくのは、想像できるわよね。誰だって、人を信頼したいし、お金を喜んで使いたいし、夢を語りたいし、穏やかな家庭を持ちたい。

本当はそうしたいと潜在的に思っているのに、そこからどんどん離れていってしまうアタシ。

 

そうしたときに往々にして起こるのが、「問題」と呼ばれるものだと思うわ。

まあ何が問題って人によって違うんだけど、「その人が不快に感じる状態」、を問題と呼ぶのがここではもっとも適切かなー。

・・・そうそう、さすが!いいたとえね。

別にいくら借金してようが必ず返せるとその人が思ってるなら問題ではないし、たとえ少額でもどうやって返そうかと一日中頭を悩ませるのは問題よね。

そうして今の状態を不快だと思ったときに、自分を変えたいと思うわけ。ホントは本来のルールを築く前の自分に「戻る」んだけどね。まあそこに至るまでに社会や他人や誰かのせいにして、それが悪いと責める時期もあるんだけど、長くなりそうだから今日はそれパスね。

 

・・・えーっと、で、何だっけ?

 あ、そうそう、自分を変えたいっっっ!って思ったときに、まずするのが今の自分を否定することよね。当然よね、だって変えたいアタシがいるんだもん。

これってドーピングみたいなもので、爆発的なモチベーションを生むのよ。早く変わりたい、抜け出したい!って願う分だけ、ムチャクチャ頑張れちゃう。あのオッサンの場合はランニングだったのかな。がががーーーっっ!!とね。

けど、これって確実に無理してるわけよ。まあもって3,4か月ね。続かなくなって、辞めてしまったアタシにまた変われてないってダメ出しする流れに入るか、やってもやっても何も変わらない気がして、無力感に苛まれる。これ、よくあるスパイラルね。

 

でも、もしもね、お客さんがそんな経験をされてたとしたら、クルマでいう仮免までは取れたと褒めていいと思うワケよ。

何も変わっていない気がする。

頑張れなくなった。

もう続けられない。

そう思ったなら、それが正解。

次の路上実習は、頑張らずにやる。アタシは今のままでいいと認めてあげる。何も変わらなくていい。けれど、ランニングなり何だったり今までやってきたこと、取り組んできたことを、楽しみながら続けることを教えてもらう実習なんじゃないかな。

そうした実習をしていくと、きっとそのうちきこんな風に思うようになるわ。

あれ、ひょっとしてだいぶ変わったのかな?

あれ、そもそも何が問題だったっけ?

そうしたときに、問題など最初から何もなかったと思うようになる。

問題の解決とは、それが望み通りの結果になることではなく、問題そのものが意味を持たなくなる瞬間に訪れるのかもねー。

 

痩せることが問題の解決じゃない。

「私は太ってても大丈夫、太ってたってどうしたってカッコいいし愛されるから」ってね。

・・・え?大将がそう思ってるかって?

知らないわよ、後で聞いてみてよ。本当にそう思ってたらガチでアホなんじゃないの?でもまあアホになることは生き易くなる一つの秘訣だとは思うけどねー。

 

あぁー!もうこんな時間!

いつも大将がクダ巻いてる時間よりも遅くなってるじゃない!

それじゃ、アタシ帰るから、あと大将とよろしくー。

またねー!