あら、いらっしゃい。久しぶりねー。
まあまあ、座って座って。
今日、何の日か知ってる?
・・・え?わかんない?ふとどきものねー
今日でこのお店は開店して2ヶ月が経ったのですー!!
パチパチパチー!!
・・・なによ、もっと盛大に祝いなさいよ。そもそもアンタ、今日はそのお祝いで来たんじゃなかったの?
まあいいわ。今日はね、お祝いにお寿司を用意したの。
こちらでーす。
大将の故郷の郷土料理、もろこ寿司。
もろこって言う小さな川魚をあまーく炊いて、押し寿司にしてるの。それだけの素朴な料理なんだけど、もろこの甘い味付けと寿司飯がとっても相性よくて、ついつい箸が進むわ。
祭りやお祝いの日は、いつも家でこのもろこ寿司をつくってたらしいから、大将のソウルフードの一つね。何歳になっても、食べると童心に帰れる食事っていいわよねー。
当時はマズイと思ってたお母さんの煮物だったり、
おばあちゃんがいつも作ってた火力の足りないチャーハンだったり、
休日の昼にお父さんが作ってた焼きそばだったり、
友だちと一緒に食べたハンバーガーだったり、
はたまた高速のサービスエリアで食べたうどんかも。
きっと誰の心の中にも、いろいろあるわよね。
それじゃ、今日の言葉は、ちょっといつもと違ったテイストで、どうぞー。
2005年5月25日、
トルコ・イスタンブール。
UEFAチャンピオンズリーグ決勝、
ACミラン対リヴァプール。
戦前の予想通り、ミランは立ち上がりから優位にゲームを支配し、前半終了のホイッスルが鳴るまでに3つのゴールを積み重ねる。
前半を終えて、0-3。
スコアレスゲームもあるサッカーにおいては、誰しもが決定的と思える展開。しかもミランには、当代随一の名手たちが並ぶ鉄壁のディフェンス陣がいる。イングランドの労働者の街から大挙して海を渡り、駆け付けたリヴァプール・サポーターにとっては、絶望のハーフタイム。
しかし、彼らは誰からとなく肩を組み、いつものあのサポーターソングを歌い始めた。
When you walk throug a storm
Hold your head up high
・・・
walk on, walk on.
with hope in your heart,
You'll never walk alone.
そうさ、俺たちがついている。
7万人を収容したスタジアムを包み込むその大合唱は、もちろん聴こえていたのだろう。
リヴァプールに生まれ育ったキャプテン、スティーブン・ジェラードは、ロッカールームで「もし後半最初の15分でゴールを決めれば、勝てる。そしてその最初のゴールを決めるのは、俺だ」とチームメイトを鼓舞した伝えられる。
その後の展開は、のちにこの試合が「イスタンブールの奇跡」としてサッカーファンに記憶されていることを記せば十分に思える。
偉大なるキャプテンは有言実行だった。
サッカー、いや恐らくスポーツ史においても稀に見るGreatful upset。
信じることは現実化する。
信じる人にのみ、奇跡は舞い降りる。
そして、どんなに難しそうな奇跡も、信じる人がいて初めて現実のものとなる。
You'll never walk alone.
2017.6.3
You'll never walk alone。
リヴァプールFCのサポーターソング。日本だとFC東京もサポーターソングに採用してるわね。それにしてもいい歌詞とメロディよねー。カラオケ行くと必ず歌っちゃうわ。
しっかしそれにしても、リヴァプールサポーターも0-3の状況でアホよね。普通に考えて、敗色濃厚な場面で、よくもあんなに大合唱できるわよね。
・・・ヤケクソ?
ううん、たぶん違う。彼らはきっと我がチームの勝利を信じていた。たとえ0.00000・・・1%の確率であったとしても、奇跡はそれを信じる人がいて初めて実現するわ。そして、誰しもが「信じる」という力を持っている。
「無理だ、逆転なんてできっこない」と拒絶してしまえば、「無理だし、逆転なんてできっこない」ストーリーが実現するわ。そうしたネガティブな物語を手放して、「大丈夫、必ず逆転する」というストーリーを信じることから、奇跡の一歩目は始まるの。
そのためには、彼らのようにアホになることが大事よね。
難しく考えて、「デモ」「ダッテ」を連発するよりは、そんなことを信じるなんてアホしかありえんわ、ということを信じられる愛すべきアホになること。寒風吹きすさぶ荒野に、たった一粒蒔かれた種だとしても、信じること。その種に生命力を与えて萌芽させるのは、信じるという一筋の光。
だから、愛すべきアホになりましょうよ。きっと大丈夫。
さてさて、今は本当にすごい時代で、ベストセラー作家にならなくても、記者にならなくても、マスメディアに出なくても、自分の書いたものを、不特定多数の人に読んでもらえるチャンスがあるわ。
このお店を始めて、2ヶ月。
毎日毎日、必ずアクセスがあったわ。これって奇跡よね。
明日からも、一人でも多くの方の心に留まるように、言の葉の包丁を磨いて紡いでいきたいって、大将が。やっぱりアホよねー。
ということで、またたまには顔出すようにするから、楽しみにしててねー
それじゃ、ごゆっくりー!