大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

目的の達成には方法論よりも動機と目的 ~私が禁煙に成功したくだらない方法に寄せて

他の人の成功体験に基づく方法論は、唯一絶対なものではありません。

目的の達成という視点からすると、方法や手段よりも動機をクリアにする方が有効だと思うのです。

 

私事ながら、煙草をやめて約8カ月になります。

学生時代の私のホットスポットは居酒屋、雀荘、パチンコ屋さんと、煙草とは切っても切れない場所によく出没していました。一時的にやめてみたりもしてみたり、またヘビースモーカーに戻ってみたりして、野良猫スモーカーを繰り返しておりましたが、今年ようやく禁煙に成功した感があります。

喫煙者の方にそれをお話しすると、「どうやって禁煙したの?」とよく聞かれるのですが、お話しするとドン引きされて、「よし、私も!」という方にはついぞ出会ったことがありません。

 

その方法は、「七日酔い」です。

・・・何を言っているのか分からない?

「二日酔い」はご存知でしょうか。そのロングバージョンです。

少しご説明しますね。

ある晩の楽しい酒席でいつも通りやり過ぎた私は、翌朝ものすごく世界を呪うくらいの二日酔いになったのですね。早く世界が終わればいいのに、と。

ひどい頭痛と胃のもたれから、当然煙草を吸うどころではありません。

その日の夜に「そういえば今日は一本も吸ってないな」と気づいた私は、「明日も二日酔いならぬ三日酔いになれば、禁煙できるな」とわけのわからない思い付きから、翌日も好きな酒の独酌に沈みました。

予定通り三日酔いになった私は・・・以下、七日目まで省略します。

・・・という話をすると呆れられるとともに、アホすぎて禁煙の方法としては参考にならん、とお褒めの言の葉を頂くわけです。

 

さて、そんなくだらない方法でも、禁煙を達成できたのは、きっと動機と目的が明確だったように思います。

動機・なぜ、何のためにそれをするのか

目的・何をもって達成とするのか

この二つが明確になっていれば、動機から目的に向かう方法は何でもOKになります。逆に言えば無限に方法は試せますので、何通りも試しているうちに目的を達成してしまうのでしょう。

私の禁煙でいえば、動機は

「以前ヘビースモーカーだったけど禁煙した」って軽く言える人がカッコよくて憧れた、というものです。お金が~とか、健康が~とか、匂いが~とか、ネガティブな動機はあまり強いモチベーションにはならなかったようです。

そして目的は、

「吸ってもいい、吸わなくてもいい、自分の意志で選べる状態になること」という目的でした。実際、8カ月の間に「加熱式たばこ」がどんなものか一度味見してみる機会がありましたが、習慣に戻ることはありませんでした。

そのうえで、たまたま「七日酔い」が性に合っていたようで、それが成功しなくても別の方法で成功していたように思うのです。

 

私たちはこうしたい、こうなりたい、という願望や欲求が強いほど、そうなっている人の「方法論」を絶対視しがちです。

こうやったら、できる。

これをしたから、こうなれた。

そうした他人の成功体験に基づく方法論は、唯一絶対なものではなく無限にある方法の中の一つ、くらいに捉える方がいいのでしょう。それよりも自分の中の動機と目的をクリアにする方が、目的には早く近づけるように思います。

この方法じゃないといけない

そういった思い込みは、逆に目的を遠ざけます。

幸せと一緒ですね。

 

さて、昨日から少し冷え込みは緩んできたようですが、また週末に向けて寒くなるようです。暖かくして、ごゆっくりお過ごしください。