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今日はこちらの本のご紹介と書評と絡めて、瞑想、願いを叶えること、そしてクリスタルボウルに寄せたお話を。
「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」(ジェームス・ドゥディ 著・関美和 訳、プレジデント社刊)
頭と、心と、夢が叶うことと・・・この本はいろんな示唆を教えてくれます。
きっかけは、一年前の葉山だった。
そこで演奏された、クリスタルボウルというものの癒しの音色を初めて聴いた私は、起きているとも眠っているとも分からないぼーっとした感覚に包まれていた。
それは、まるで温かい羊水に包まれているような感覚だった。
ちょうどそのころ、心のマリアナ海溝に潜っていた私にとって、そのクリスタルボウルの演奏は癒しと解放へと向かう転機となったように、今となっては思う。
その不思議な感覚が心地よかった私は、そのあといろんなご縁でココロの世界を学ぶ中で、瞑想をするようになった。
毎晩酒欲との戦いがある私のこと、また誰かに習ったわけではなく、なかなか毎日までの習慣にはできていないが、それでも眠る前に座り目を閉じて何もしない時間が徐々に好きになっていた。
世界的な大企業が「マインドフルネス瞑想」を取り入れていると聞くようになったのも、その頃だった。
瞑想とは、思考の断食のようものだと思う。
あれこれ四六時中やかましく何かと考えてしまう思考を一旦緩めて、自分のハートとつながりやすくなることができるように思える。
一度、結構長い時間目を閉じて座っていたら、まるで温泉から出た後のように身体が暖かくなってきたことがあった。
この感覚を、私は覚えていた。
自分の奥底にある愛につながったときの感覚だ。
以前にその愛とつながったときの経験の話をこちらで書いた。
深いところの心の傷の奥底には、誰しもがほのかに温かい愛情があふれる場所がある。
瞑想をしていると、雑念だらけの日もあれば、そんな深いところに潜り込む日もある。
さて、前置きがだいぶ長くなったが、そのきっかけのクリスタルボウルを演奏されていたのが、根本理加さん。
その理加さんがブログでご紹介されていたのが、この本だ。
アルコール依存症とDV癖のある父親、鬱と病気を抱える母親の貧困家庭に育った男の子、ジム。
鬱々とした恐れの日々の中で、ルースという女性との出会いの中で、望みを叶えるマジックを教えてもらう。
それはまず身体を緩め、思考を止め、心を開き、なりたい自分を描く、というものだった。
そのマジックを手にした男の子は、医師になる夢を叶え、莫大な富と名誉をも手に入れたが…というお話。
驚くべきことに、この話はスタンフォード大学の医学部教授の著者の実話らしいのだ。
ルースが教えてくれたマジックを、幼く飢餓感の強かったジムは願望達成や夢実現の手法として認識して、現実にそれを使って富や名声や物質的な豊かさを手に入れる。
しかし、その豊かさも長くは続かなかった。
それは、幼い日のジムにルースが警告していたことだった。
「心はコンパスなの。いちばん大切な贈り物よ、ジム。もしいつか道に迷ったら心を開きなさい。そうすれば、正しい方向に導いてくれるわ。」
余白に書かれたほかの言葉も読んでみた。欲しいと思っているものが、いちばんいいものとは限らない。そうルースは警告してくれていた。欲しいものを思い浮かべる前に心を開いて、その力を賢く使うように教えてくれていた。(P.241、242)
ルースが僕に与えてくれた訓練は、身体の中の二つの頭脳、つまり頭と心の両方の脳をひとつにすることを助けてくれるものだった。それなのに、僕は何十年も心の知性を無視してきた。僕を貧困から救いだし、成功へと導き、価値を与えてくれるのは頭だと思っていた。でも結局、本当の価値を与えてくれたのは心だった。脳は多くを知っている。だけど、心と一緒になったとき、脳は遥かに多くのことを知ることができる。
ルースが教えてくれたことは、いまではマインドフルネスと視覚化(ビジュアリゼーションと呼ばれているものだ。それは心を落ち着け、邪念を取り去り、内面へと旅するための素晴らしいテクニックだ。それは集中力を上げ、意思決定のスピードを上げてくれるが、知恵と洞察、つまり心を開くことが伴わなければ自己陶酔とナルシシズムと孤立につながりかねない。(P.247)
ルースのマジックを使わなくても、人間には誰しも願いや夢を叶える力が宿っていると私は思っている。
それだけ、人間の意識やイメージというものの力は大きい。
夢や願いは、必ず叶う。
叶わないと思ってしまうのは、その夢が叶うまでの時間差やリードタイムが我慢できなかったり、実は心の奥底では正反対のことを夢見ている場合だ。
「大金持ちになりたい」と言いながら、お金を持つことを嫌悪していたり、
「彼女がほしい」と言いながら、今の生活を変えることを怖れていたり、
「休みが取りたい」と言いながら、休みなく働くことでしか自分の価値を感じられなかったり。
夢や願いは、必ず叶うもの。
だからこそ。
自分の心とつながって、ほんとうにそれが自分にとって望ましいものかどうか、自分の開かれた心に問いかけることが、大切なのだ。
本当にそれが自分の望む夢なのかどうなのか。
自分のほんとうの願いでないものが叶ってしまったときは、この本のジムの富や名声の全てを手に入れた頂点からの転落を見るまでもなく、悲惨だ。
そのために、ルースは「マインドフルネス」のような、 頭と心(思考と感情)を一致させ、心を開くことを教えてくれたように私には見える。
いかがでしたでしょうか。
よく私たちは「夢や願いが叶うかどうか」ということにフォーカスしてしまいますが、夢や願いは叶うもの、ということを前提とするなら、「どんな夢や願いを持つか」ということの方が大切なのだと、この本は教えてくれます。
そしてそのコンパスとなるのは、やはり開かれた心(=感覚、感情)なのでしょう。
それは、いつも当店で申しあげております「日常の細部を見つめる」ことで磨かれるこのようにも思うのです。
さて、そんな根本理加さんのクリスタルボウルの演奏ですが、今週末の日曜日に東京・神楽坂で演奏されるイベントがあります。
春の陽気の神楽坂で奏でられるクリスタルボウルは、きっと心を開かせてくれる音色なのでしょう。
女性限定のイベントにつき、私は葉山の海岸でのクリスタルボウルの音色を思い出しながら、瞑想を続けるようと思います。
日々の酒欲に負けないことが大切ではありますが・・・
今日もお越し頂き、ありがとうございました。
一日一日と春が近づいているような陽気ですね。
どうぞごゆっくりお過ごしください。