昨日に引き続き、私たちが時に抱える「問題」について。
以前に綴らせて頂いた、こちらの記事とあわせてお楽しみいただければ幸いです。
黒歴史の陰に才能があり、それは孤独によって磨かれる - 大嵜 直人のブログ
頭を悩ませ、心を痛める「問題」。
人はそれぞれ違う種類のものを抱えます。
それは、その人の抱える「問題」が、その人の「才能」を表しているからです。
コミュニケーションにまつわる才能のある人ほど、人間関係について悩みます。
たくさんの愛を与え循環させる才能のある人ほど、恋愛やパートナーシップに悩みます。
大きな仕事を成し遂げられる才能のある人ほど、仕事で大きな悩みを抱えます。
お金を大きく循環させる才能のある人ほど、お金についての悩みは深いでしょう。
私はといえば、
100m走のタイムについて悩むことはありませんし、
絵を描く色づかいや表現力について悩むことはありませんし、
歌の音程が取れなかったり発声できる音域について悩むこともありません。
ただ、文章で何を表現できて、何を伝えられるかには日々葛藤があります。
喪失と別離をずっと抱えていた分、家族やパートナーシップの関係については悩みがあります。
恥ずかしながら、私の「才能」はそういった分野にあるのでしょう。
「才能」というと、足が速かったり、歌が上手かったり、サッカーが上手だったり、頭脳明晰だったり、そんなことをイメージしがちですが、ここで申しあげる「才能」とはそういった技能的なものに限りません。
優しかったり、人の気持ちを察することができたり、人の心を温かくすることができたり、あきらめずに前を向くことであったり、心の芯の強さであったり、健康的な肉体であったり、そんな全てのものが「才能」と言えます。
言い換えれば、「才能」とは「その人らしさ」と表現できるのかもしれません。
そして、「その人らしさ」から離れてしまったり、見失ってしまった時に「問題」は起こります。
「問題」を「問題」として認識できるようになると言えますし、「その人らしさ」から大きく離れれば離れるほど大きな「問題」を抱えるようになります。
何よりも、「問題」の大きさは「才能」の大きさと比例するものです。
人を深く愛する「才能」を持った人ほど、とても愛することが難しいような「問題」を経験することが多いようです。
さて、「才能」は普通英語で「talent」と訳されますが、心理学の世界ではよく「gift」と呼ばれます。
神様なのか仏様なのか、天なのかあるいは親なのか分かりませんが、とにもかくにも「与えられたもの」という意味合いですね。
そしてその「gift」を受け取るためには、「鍵」が要ります。
それが「問題」と呼ばれるものです。
見方を変えると、「問題」とは自らの「才能」を指し示すものであり、それは人が己の人生において与えられた「設定」と言えます。
懐かしのテレビゲーム、「スーパーマリオブラザーズ」において、マリオに比べてルイージはジャンプ力がある反面、そのジャンプ力によってスリップしやすく急に止まることができません。
ルイージの「問題」と「才能」はそのジャンプ力であり。それはそのままルイージというキャラクターの設定であるわけです。
ルイージのブレーキの効かないスリップを直そうとすることは、彼の「才能」を殺すことであり、ジャンプ力のないルイージはマリオと変わらない没個性的なキャラクターになってしまいます。
私たちは生まれてくるときなのか、育っていく過程なのかわかりませんが、何らかの「gift」を与えられています。
それを「周りと違うから」「これができないから」「普通はこれができないとおかしいから」と言って、「gift」への扉を開けるどころか、その鍵をぐりぐり踏みにじってしまうことをしてしまいがちです。
あなたが問題だと思っていて、否定したくて、直したくて、人と違っていてイヤでたまらないところ。
そこには、あなたが大きな存在から与えられてきたあふれんばかりの「才能=gift」の扉を開ける「鍵」が転がっているのかもしれません。
あなたがこれまで最も時間をかけて悩んできたこと。
最も心を痛め、頭を抱えてきたこと。
ひょっとしたら、それはあなただけに与えられた「gift」なのかもしれません。
なぜならば、問題とは「才能=gift」と同義語であり、自らの人生の「設定」なのですから。
さて今回のゲーム=人生において、「あなた」というキャラクター設定はどんなものでしょうか。
魔法使い?
それなら、力が弱いことは設定ですね。
商人?
それなら、魔物との戦いは仲間に任せた方がよさそうですね。
戦士?
それなら、傷を癒してくれる仲間に感謝できたら最高のパーティですね。
勇者?
それなら、何をしても他の専門職の方が優れていることを認める勇気が必要かもしれません。
それとも・・・?
そんなドラクエ風に問題と才能を考えてみるのも、楽しいですね。
梅雨の合間の夏空。
今日のお話しの中に「スーパーマリオブラザーズ」が出てきましたが、雲がまるでそのスーパーマリオの背景のようでした。
この表現がわかるかどうかで、けっこう年代がバレますね。
今日もお越し頂きましてありがとうございました。
どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。