なんだお前、もう毎日書くのやめちまうんか。
大して才能もねえくせに、たかだか1年続けたくらいで、やめるんか。
あのな、才能ってのはな、弱冠10歳でソロリサイタルに立って絶賛されちまうヴェンゲーロフみてえなのを言うんだよ。
そのヴェンゲーロフにしたって、極寒のシベリアで毎日10時間以上、ヴァイオリン弾いてたんだよ。
「ヴァイオリンとともに生まれてきた」って称された、あの今世紀最高といわれる天才が、だよ。
それに比べて、なんだお前は。
今まで何をしてきたんか、言ってみろよ。
たかだか二、三千字くらい、一年間毎日書いたくらいで何か変わるとでも思ってんのか。
好きだなんだとかキレイゴト言っておいて、
他人だかゼニカネだか知らねえけど、結局またお前自身と全く関係ねえもんに振り回されんのか。
やめろやめろ、やめちまえ、そんな輩は。
続けたって一緒だ、今すぐやめちまえ、今すぐだ。
今すぐやめて、そのまま一生、自分じゃないものに振り回されてろ。
あのなぁ、なんで欲しいものが手に入ると満たされるか、考えたことあるか?
レアポケモンでも、新居でも、アクセス数でも、時計でも、パートナーでも。
それが手に入ったから満たされて、幸せになるんじゃねえよ。
それらへの執着が消えるから、満たされるんだよ。
手に入れることで消えた執着はな、どうせまた燃え上がるんだよ。
もっとレアなポケモン、もっといい家、もっとたくさんのアクセス、もっといい・・・
一生続くぞ、その螺旋は。
早く気づけ。
勘違いするな。
何かを手に入れたり、何かを成し遂げたりすることの中には、幸せの鍵は無いんだよ。
まずは、お前のそのクソみたいな自己顕示欲と、承認欲求を認めろよ。
もっと僕を見て!もっと俺を褒め称えて!
その肚の中にヘドロみてえに溜まってるそいつらを、受け入れろよ。
洗いざらい、肚の中のドブさらいしろよ。
それもこれも、全て私です、って。
話は、そこからだ。
その上で、だ。
そもそも、何で書いてんだ?
何で書き始めたんだ?
アウトプットのため?自分のため?あわよくばチヤホヤされるため?
それもあるだろうよ、それも認めろ。
それは別に恥じゃない。
お前の中のエゴもシャドウも貪欲も汚らしさも、全部含めて愛してやれよ。
世界からそうしてほしかったら、まずは自分をそう扱うべきだよな。
ただ、そうした表面の部分じゃない何かが、心の奥底にあるはずだろう?
最上志向持ちで、腰のクソ重いお前が、なぜ書き始めた?
もう一度、思い出せ。
どうしようもなくクスブって、死んだ魚のような目をしながら、
穴の開いた胸に手を当てながら、寄る辺なく漂ってたネットの海で、
見たんじゃねえのか。
そこに散らばっていた言葉たちに、救われたんじゃねえのか。
奥歯が擦り切れようとも、もう一度だけ顔を上げて歩きたいと思ったんじゃねえのか。
もう一度、思い出せ。
たいした才能がねえんなら、
書けよ。
自分以外の何かに、惑わされるな。
書くんだよ。
打算的になるな。
書いてみろよ。
好きなんだったら、無心で歩けよ。
書け。
好きなんだったら、ど真ん中を、歩け。