玄関のドアを開けたら、
世界がオレンジ色だった。
ふと思い立って、
マンションの最上階へ行ってみたら、
異世界が広がっていた。
いつもより遅くなってしまったけど、
こんな時間があってもいい。
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「美しい」という感覚は、
それが起こる直前に
心が空っぽになる瞬間がある。
眺めている対象との主客が溶け合い、
渾然一体となる一瞬。
わたしはあなた、あなたはわたし。
その瞬間を、
「いとをかし」と呼ぼうと、
「エモい」と呼ぼうと、
「忘我」と呼ぼうと、
「手放し」と呼ぼうと、
「悟り」と呼ぼうと、
同じことなのかもしれない。
今日も世界は美しい。