大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「7」を継ぐもの。 ~長月のナゴヤ球場 訪問記

白露を過ぎた9月の中ごろ、中日ドラゴンズの2軍戦を観にナゴヤ球場を訪れた。

前回、20年ぶりくらいに訪れた際に書いたエントリーを見返していたら、4月末の「昭和の日」だったらしい。

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ドラゴンズの1軍は、クライマックスシリーズ進出へ一縷の望みをかけて戦いながら、大野投手がノーヒッターの大記録を達成するなど、若手の明るい話題も出てきたシーズン終盤戦。

そんな週末、松坂大輔投手がウエスタンリーグ(2軍戦)で今シーズン最後のマウンドに上がるかもしれないとのニュースがあった。

松坂投手と私は同世代である。

甲子園の史上に残る熱闘から西部ライオンズでの衝撃のデビュー、ボストン・レッドソックスでのワールドシリーズ登板から怪我との苦闘、日本復帰したソフトバンクホークスでの苦悶、そして昨年の中日ドラゴンズでの復活…という歩みを、リアルタイムで見続けている。

そんな松坂投手だが、今期は春先のアクシデントもあり結果を残せていない。

来期の去就を賭けてのマウンドになるかもしれない、松坂投手の登板を見たいと思い、久しぶりに足を運んでみた。

朝晩涼しくなってきたと思ったが、この日は32度の夏日。

夏が終わった寂しさも吹き飛ぶくらい、陽射しは強かった。

連休の混雑による駐車場問題を懸念し、電車で行くことにしたのだが、JR尾頭橋駅からの道を歩くだけで汗が吹き出てきた。

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抜けるような青空、絶好の野球日和である。

もう少しだけ陽射しが控えめだったら言うことなかったのだが、それは望みすぎというものだろう。

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青空、緑の芝、そして土の色。

このコントラストを見るだけのテンションが上がるのは、競馬場と同じ配色だからだろうか。

それにしても、陽射しが強い。

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門倉ピッチングコーチと田中ブルペンキャッチャーが、何か話している。

現役時代に何度もテレビで観ていた門倉コーチは、実際に観るととんでもなく立派な体躯をしていた。

決め球の大きなフォークボールで、バッターから空振り三振を奪う姿が目に浮かぶ。

ほどなくスタメンが発表されたが、中日の先発は清水達也投手と発表された。

今年1軍で初勝利を挙げた、未来の投手王国を担う期待の若手の一角。

残念ながら、松坂投手はベンチメンバーにも入っていなかった。

今日は縁がなかった、ということだろう。

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グラウンドに水が撒かれ、試合開始を待つ時間。

この時間は、たまらなくいいものだ。

それにしても9月中旬とは思えぬ暑さ。

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松坂投手と同時に、この人を観に来た。

背番号7、根尾昂選手。

前回「昭和の日」に観に来たときは怪我で欠場していたが、この日は元気に3番・ショートでスタメン出場していた。

背番号7というと、20年以上前にこのナゴヤ球場を訪れたときにも、同じショートを守っていた選手がいた。

ショートとして史上唯一のホームラン王を獲得した、宇野勝選手。

豪快なバッティングに、幼い私は魅了されたものだ。

その「7」とともに、「強打の遊撃手」の系譜を受け継ぐことができるのだろうか。

宇野選手が活躍していた時代から、もうはや20年以上が経っている。

時の流れの早さに驚きながら、私はバッターボックスに立つ根尾選手に目を凝らした。

やはり、ナゴヤ球場はいい。

もうウエスタンリーグも終盤戦なので、次は来シーズンになるのかもしれない。

亡き父と訪れた懐かしい思い出と、未来のスターの放つ光が交錯するこの場所に、また来ようと思う。