一宮市は真清田神社を訪れた。
以前にここで書いたこともあるが、私の生国である「尾張国」の「一之宮」が、この真清田神社である。
ありがたいことに、いまの仕事の絡みで近くに寄ることがあり、その都度少し早めに来て、お参りさせて頂いている。
この日は明け方まで雨が強く降っていたが、家を出るころには止んでいた。
この時期は気温がどんどん上がっていくので、身体が慣れるまで大変だが、そうかと思うと、雨が降ったりして気温が下がったりする。
雨上がりの湿気に、梅雨の時期の香りがする。
楼門は、今日も威風堂々と。
曇り空の下だと、威厳が増して見えるような気もする。
本殿にお参りを。
「今日ここに来ることができまして、ありがとうございます」
柏手を打ち、手を合わせると、いつもその想いが思い浮かぶ。
それは、大きな社でも、近所の神社でも、同じような気がする。
参拝を終えると、ふと緑が気になった。
楼門を出た脇。
葉が生い茂り、夏色を思わせる。
そういえば。
前回ここを訪れたときのことを、思い出す。
見事な桃の花が、咲いていた。
前回撮った、同じ桃の木。
1か月前だろうか。
コロナ禍の下で、この二色の桃の花が、その張り詰めた心を慰めてくれたことを覚えている。
空から降り注ぐような、鮮やかなピンクと赤。
三月の「桃の節句」で飾られるように、この花は霊力を持ち、悪霊や疫病を払う力があるそうだ。
真清田の神さまと一緒に、この地を見守っていてくださったのだろうか。
いまは、青々と生い茂り、豊かな生命力を示しているようだ。
春から夏へ。
季節は、めぐる。
時は、流れる。
境内の樹木の苔に、積み重ねてきた時を想う。
また、ここに寄ろう。
桃の木に、会いに来ようと。
そのときは、桃の木はどんな姿を見せてくれるのだろうか。
私はまた、「今日ここに来ることができてよかった」と思うのだろうか。