雨上がりの朝というのは、気持ちがいい。
その空を眺めながら歩くのは、格別に心地よい。
もうそれだけで、今日は「勝ちゲーム」のような感がある。
さしずめ、エースが登板した試合で、1回裏に3ランホームランが飛び出たような。
そういえば、6月中旬から球音が戻ってくるそうだ。
当面は無観客なれど、それでも応援チームの勝敗に一喜一憂したりできるのは、ありがたいことだ。
歩きながら、昨日の夜の雨の跡を見つける。
思わず、マスクを外して、胸いっぱいに深呼吸をする。
心地よい、瞬間。
人間の五感の中で、最も本能的、あるいは動物的な感覚が「嗅覚」であるという。
残念ながら、私は五感の中で比較すると嗅覚が鈍い方だが、それでもこうして心地よい深呼吸ができると、心が落ち着くのを感じる。
コロナ禍により、しばらくはマスク着用の社会生活が当たり前に続く。
けれど、嗅覚と顔の半分の触覚が覆われた状態というのは、自分が思っている以上にストレスがかかっているのかもしれない。
葉の上に残る、美しい雫。
もう一度、深く息を吐き、そして吸い込む。
せっかくの、風薫る時候なのだから。
たまにはマスクを外して、生命力に満ち溢れた空気を、思い切り深呼吸しよう。
もちろん、ソーシャル・ディスタンスに十分注意しながら。
季節が移りゆくように、日々の空気の触感や、風の薫りを楽しもう。