大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

好きも、嫌いも。ただ、一緒に在る。

夏生まれだからだろうか。

夏が好きだ。

ところが、気温が上がりだすこの時期は苦手なようだ。

例年、暑さに慣れるまでは、どうも気怠く、身体が重い。

好きな季節に向かう嬉しさと、億劫さと。

どちらの感情もそこに在りながら、季節はめぐっていく。

季節や服装であれば、「好きだけど、嫌い」と言いやすい。

けれど、これが人間関係となると、とたんにややこしくなる。

「あの人は、とても好き」
「あの人は、なんか嫌だ」

特に、ネガティブな感情を持つと、なかなかそれを払拭するのは難しい。

一度、色眼鏡をはめてしまうと、なかなかそれを外すのは難しいものだ。

けれど、季節が毎日めぐっていくように、「あの人」もまた日々変わっていく。

身体の細胞を構成するアミノ酸は、わずか1か月でその全てが入れ替わると言われるように、今日の「あの人」は昨日の「あの人」と同じではない。

それはまた、自分自身にとっても同じことが言える。

気温や湿度が日々変わるように、体温や身体の影響によって、「わたし」も日々変わる。

「あの人」という存在は、いつも同じように存在するように見えるが、決してそうではない。

それは、自分自身と、同じように。

ただ、目の前の季節を見つめるように。

ただ、目の前の紫陽花の色を眺めるように。

その人を見てみたい。

湧き上がる好きも、嫌いも、感謝も、恨みも、喜びも、尊敬も、ただそのままに。

ただ、一緒に在る。

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