時に、神無月、日に日に深まる秋。
昨日は中秋の名月だった。
てっきり中秋の名月=満月だと思っていたら、昨日は十四日目の月だった。
「中秋の名月」とは、陰暦8月15日のことを指すが、満月の月例が年によって変化する関係で、必ずしも満月とイコールにはならないそうだ。
ちなみに来年は9月21日で、中秋の名月と満月が同じ日になり、次に日付がずれるのは2024年らしい。
それはさておき、秋の澄んだ空に浮かぶ月は、どこか幻想的で。
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人は、いつから月を見上げていたのだろう。
遥か昔、火や電気がなかったころ。
暗闇というものへの怖れは、どれほど大きかったのだろう。
その闇夜を照らす満月、あるいはその姿が見えない新月。
満ちては、欠け。
欠けては、満ち。
その動きに、希望を見たり、雅を映したり、あるいは儚さを見たり。
日々移りゆくそれをながめることは、どこか生きることを愛でることに似ている。
今夜は、その希望の字の通りの「望」、満月。
まんまるで雅なその姿を、愛でよう。
それは、自らを愛でることと、どこか似ている。
天上の月と、地上の星と。