寒さも厳しさを増してきたが、暦の上では「ふゆ、いたる」。
冬至である。
一年の中で最も昼の時間が短く、夜が長い時候。
気温はこれから寒さが本番になるが、日の出ている時間はいまが最も短く、これから少しずつ延びていく。
陰極まりて、陽となす。
片方の極に振れれば、もう片方に揺り返す。
季節のめぐりは、いつも大切なことを教えてくれる。
どんな極に振れても、それは移ろいゆく。
それが陰であろうと、陽であろうとも。
目に映るものは、すべて移ろいでゆく。
移ろいゆき、変わりゆくことのみが、ただ一つ、変わらないことかもしれない。
七十二侯では、「乃東生、なつかれくさしょうず」。
なつかれくさ、すなわち靭草(うつぼぐさ)はこの時期に芽を出し、根を張る。
他の植物が枯れ絶えるこの時期に、彼らは命を輝かせる。
反対に、生命隆々たる夏には、靭草は枯れゆく。
どんなときでも、どんなところでも。
見上げれば、陽が昇り。
足元には、咲く花がある。
冬至。
陰極まりて、陽となす。
季節のめぐりは、いつも大切なことを教えてくれる。
冬至の朝日。