晴れの日と、雨の日と、曇りの日と。
密かに想いを寄せる男子から、どれが一番好きかを聞かれる。
そんな名場面が、アニメ映画であった。
問われた主人公は、確か「曇りの日」と答えたような。
冬晴れの空を眺めながら、そんな甘酸っぱい場面を思い出す。
この青さを眺めていると、やはり「晴れの日が好き」と答えたくなる。
年を重ねるごとに、曇りの日も、雨の日も、どの天気も好きだと感じる時が増えたように思う。
曇りの日も、雨の日も。
それぞれの日に、それぞれの思い出が重なっていくからかもしれない。
それでも、やはり晴れの日は、気持ちがいい。
空を眺めているだけで、満たされる。
陽の光というのは、それだけで人を癒す。
それは、この冬の厳寒期の陽の光の色を見ていると、強く感じる。
やさしく、あたたかで、包むような、陽の光、その色。
初夏の生命力に満ちた陽の色も好きだが、この時期の陽の色はまた素晴らしい。
太陽から遠ざかり、その力が弱まるから、冬は寒くなるというのが、科学的な説明だろう。
けれど、その逆もまた然りなのかと思ってしまう。
すなわち、寒くて身体もこころも縮こまりがちな冬だからこそ、陽の色はやさしく、包み込むような色をしているのかもしれない、と。
いまあるその姿が、そのままで美しい。
晴れの日が、好きだ。
その陽の色が、好きだ。