いたるところに、夏の風景が散らばっているようです。
今日は風に、ゆらゆらと茶色がゆらめいていました。
近づいてみると、蝉の抜け殻。
樹木をよじ登って羽化したあとはよく見かけますが、こうした草で羽化する姿はめずらしいように感じます。
雌伏のときを経て、出てきた地上に、掴まるような木があたりに見当たらなかったのでしょうか。
それでも、あきらめずに風に揺れる草にしがみつき、登って。
羽化をした。
その生命の輝きを想い、しばし眺めていました。
大暑、いのちの輝き。
その盛りは、終わりが近いからこそ、輝きを増すのかもしれません。