大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「ただ、話しを聞く」ことにまつわる無力感と、私のカウンセリングのスタイルについて。

先月よりカウンセリング・モニターを募集させて頂いております。
お申し込みいただきました皆さまには、貴重なお時間をいただきまして、あらためて御礼申し上げます。

私がモニターを実施する目的として、もちろん「経験を積む」こともそうなのですが、「大嵜直人のカウンセリングのスタイルを見極め、確立する」ことも目的としております。

一般的に、何かサービスを提供する場合、

①自分が提供できること
②お客様が(ひいては世界が)必要としてること

のふたつの範囲が重なる部分を見極めることが重要になるとされます。
①がコア・コンピタンスの見極め、②はマーケティングと言い換えられるでしょうか。

しかし、この①の「自分が提供できること」の見極めが、非常に難しい。
多くの人が、自分のことがよく分からなくて悩んだり、あるいは不当な自己評価と周囲の評価のギャップに苦しんだりします。

これは個人に限らず、会社経営の場合でも同じだと思われます。
自社の役員・社員が見ている「強み」と、コンサルタントなどの外部の人間が見た「強み」がズレていることなどは、よくあります。
自社が当たり前にしていることが、他の業界からするととんでもない(良い意味でも、悪い意味でも)ことだったりすることは、外部コンサルタントと話をしていると、たくさん出てくることもあるかと思います。

例に漏れず、私もそうなのです。
自分の強みは、自分が一番よく分かっていない。

カウンセラーだろうと何だろうと、自分のことは自分が一番よく分かっていないのですね。
だから、カウンセラーも定期的にカウンセリングを受けたり、誰かに話を聞いてみたりします。

カウンセラーなのに?と思われるかもしれませんが、カウンセラーだからこそ、なんです。

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少し話が逸れました。

その「外から見た自分の価値、強み」を知るために、モニター後にご感想をいただいております。

ご感想 カテゴリーの記事一覧 - 大嵜直人のブログ

何度かこのブログでもご紹介させて頂いておりますが、モニター後にもご記入をいただいた皆さまには、本当にありがたく、何度も拝読させていただいております。

そのいただくご感想が増えてくると、やはり私、大嵜直人のカウンセリングの輪郭が見えてくるようです。

・落ち着く
・穏やかさ、温かさ、優しさ
・安心感、父性
・神父様、祈り、浄化

なかなか書いていて恥ずかしいのですが、こうしたフレーズを、ご感想にいただくことが多いようです。

「話を聞いてもらうだけで楽になった」
「ただ、話しを聞いてもらうだけでいい」

と、複数の方に仰っていただきました。ありがたい限りです。

先ほど、自分の価値や強みは自分で知ることが難しい、と書きましたが、それ以上に難しいのは、「その価値を受け取る」ことかもしれません。

なかなか、自分で価値を感じていないものの価値を受け取る、というのは難しいものです。

「え?それは当たり前の話じゃないの?」、と。

ここで、私の無力感みたいなものが発動するのですね。

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カウンセリングには、いろいろなスタイルがあります。
傾聴・共感を主とするカウンセリングや、問題の分析や解決への提案を得意とされるカウンセリングのスタイル、はたまた、お告げやご神託のようなスタイルなど。
それはカウンセラー自身の個性と生き方が現れるものだと思います。

さて、私のスタイルは…?と考えたときに、やはり自分で考えるよりも周りの方からの見方が、鍵になるように思います。

上に述べた「ご感想」を総合すると、私のスタイルは、傾聴がメインのカウンセリングではないかと感じるのです。

反対に、どうも私は問題の分析や解決への提案というのが、苦手なようです。
そして、それができないことに対して、凹んだりもします。

できないことに対して目が行くのは、自己受容が足りない(=経験と自信が足りない)のでしょう。

「せっかく時間をいただいたのに、何か提案や結果を持ち帰ってもらわないといけないのではないか?」
「問題を解決できないと、誰も来てくれないのではないか?」
と、悶々とするのですね。

また一つには、私が実際にお世話になった根本裕幸師匠のカウンセリングでは、いろいろな宿題やワークの提案をしていただいて、それを通じて非常に楽になったという経験があるので、自分も同じように提供したいという憧れもあるように思います。

けれど、私のストレングスファインダーの下位の順位を見てみると、ある意味で納得するのですね。

29位 分析思考
30位 目標志向
31位 原点思考
32位 競争性
33位 回復志向
34位 指令性

…どう考えても、問題を分析し、原点に返り、何か提案をしたりするという資質は、あまり得意ではなさそうです。

もちろん、ストレングスファインダーが全てではないと思いますが、私の資質の傾向の一つのように感じます。

やはり、下位の資質にフォーカスするのではなく、上位の資質に注目した方が、これから続けていくうえで「楽に」続けて行けるように思います。
(ちなみに私の上位資質は、1位 運命思考、2位 ポジティブ、3位 収集心、4位 学習欲、5位 適応性です)

もちろん、これから続けていくうちに、分析や提案ができるようになるかもしれませんし、それは続けてみないことには、分かりません。

けれど、「いまの」私が提供できるのは、傾聴がメインのカウンセリングだと思うのです。
それを通じて、安心してほっとできる時間と場を提供できれば、と思います。

「ただ、話しを聞くだけ」
そう言うことに、まだ抵抗はあります。

まだまだ、自己価値が低いのでしょうし、言い方を変えれば、自己受容できる余地がたんまりとある、ということなのでしょう。

けれど、一つ確かだと思うことがあります。

「私は、ただ話を聞くだけでいい」
「ただ、その声に耳を傾けるだけでいい」
「ただ、その目を見て頷くだけでいい」
「ただ、その感情の移ろいを一緒に見るだけでいい」

もっと突き詰めるならば、

「私は、ただそこにいるだけでいい」

そのように自分を受容できた分だけ、それを世界に投影できるようになります。
それはすなわち、「そこにいるだけで価値がある」という根源的な安心感を、クライアント様へご提供できるようになるのだと思います。

そのようなカウンセリングがご提供できるように、引き続き自分と向き合って参ります。

どうぞこれからも、ご指導のほどをよろしくお願いいたします。