気付けば12月、師走になりました。
2021年も、もうあとひと月で終わりのようです。
あっという間の一年だったような、それでいてたくさんのことが詰まった一年だったような。
まだ振り返るのは少し早いと思いつつも、そんな心持ちがしています。
時候は小雪も末侯、「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」。
ミカン、柚子、金柑といった柑橘類が色づき始めるころです。
もうすぐ冬至でもありますし、柚子が大活躍する時期ですね。
さて、そんな師走ついたちの朝、冷たい風の吹く空に、虹を見かけました。
根元まで、くっきりと。
あわてて車を停めて、見上げておりました。
その隣で、分団の集合を待っていた小学生も、「おぉー!」「すげー」と、皆一様に見上げておりました。
しばらく見上げていると、徐々に円環の上の方も形になってきて。
見事なアーチを描いていきました。
少し、見晴らしのいい場所で。
ここまで見事な半円になっている虹を見たのは、久しぶりのような気がします。
普段見慣れた風景が、まったく違う奇跡のような景色になったようでした。
そういえば、先日、同じように雨がぱらついた朝、「虹が見えるかもしれない」と思ったのですが、見えず。
やはり、「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」の時候だからなぁ、と思っていたのですが、まさかこんなに見事な虹が見えるとは。
探すと見当たらず、期待していないと見つかる。
なんだか、不思議なものです。
車を停めた場所に戻ってくると、小学生たちはもう出発したようでした。
あの見事な虹を見上げながら、登校したのでしょうか。
私の同じように、車窓から虹を見ながら、車を走らせるのでした。
2021年の終わりの月は、素敵な虹とともに。