時候は「小暑」になりました。
梅雨明けの報が入りはじめるころであり、いよいよ本格的な暑さがやってくる時期です。
蝉の鳴き声も聞こえ始め、暑中見舞いを出す時期でもあります。
それにしても、今週は暑かったです。
私の住んでいる名古屋でも、36度以上になる日もあり、梅雨明けよりも前に猛暑がやってきたような、そんな感覚です。
日中、外を歩いていると「あ、これは『ヤバい』暑さだ」と感じる瞬間がありました。
まだ身体が暑さに順応していないのもあるでしょうけれども、まじめに水分補給などをしないといけないな…と感じた次第です。
自分が夏生まれだからでしょうか。
暑いのは、好きなのです。
夏の灼けるような日差しが好きで、「暑くなればなるほど、夏らしくていい」とすら思っていました笑
でも最近は、「この暑さは、風情がないよな…」と感じる時間が増えました。
熱中症の怖さをいろいろ耳にするようになりましたが、私自身も、数年前にソロ登山で熱中症になりかけて以来、用心するようになりました。
夏の山中で蜂に追いかけられたのですが、あれはしんどかった…
考えてみれば、私が子どものころは、30度前半の日がほとんどだったように思います。
それが、いまや体温よりも高い気温の日があっても、あまり驚かなくなりましたから、やはり暑くなっているのでしょう。
気候というのは、やはり人の思考や感覚に、多大な影響を及ぼします。
雨の日に感じることと、晴れの日に感じることが違いますもんね。
たとえば、「死に至る病」を書いたキルケゴールのような思想は、南国の常夏の島では現れづらいように思うのです。
青い海と白い雲を眺めながら、絶望について考えるのは、なかなか難しいものですから。
もちろん、それが良い・悪いの話ではなくて。
太陽と月と、そして星のめぐりの影響を受けるのが、私たちなのでしょう。
そう考えると、この「暑さ」がもたらすものは、現実的な生活への対応だけではなくて、私たちの精神というか、在り方、心の置きどころにも、大きな影響を与えるのではないかと思うのです。
もちろん、その変化がどんなものになるのか、分かりません。
私たちにできるのは、目に映る「いまこのとき」を味わい、楽しむことだけなのでしょう。
さて、そんないまは、七十二候では「蓮始開(はすはじめてひらく)」。
泥の中からまっすぐに咲く蓮の花は、その美しい姿から、仏教などでも特別な花とされてきました。
私の故郷の近くには、大きな川沿いにレンコンの産地があり、この時期にはたくさんの蓮の花が咲いていたのを思い出します。
夏の日差しが照り返す水面に浮かぶ、無数の淡い色の蓮の花。
実に美しい風景でした。
この時期の、あなたの思い出の風景は、どんな景色でしょうか。
その景色を思い浮かべつつ。
今日も、水分補給をしっかりして、どうぞご自愛くださいませ。