それにしても、吹く風が心地よい季節になりました。
薫風、新緑の季節。
着るものも、そろそろ半袖を引っ張り出すような時期。
そんな5月に、熱田神宮を参拝することができました。
連休明けの朝、境内には静かな空気が流れていました。
先日、東京の明治神宮を訪れた時も、同じことを思ったのですが、神社というのは実に不思議な空間のようです。
周りには、ビルがいっぱい立ち並ぶ都会のなかにあっても、鳥居を一歩くぐると、まったく違う空気が流れている。
それはどこか、身近にある異世界のような、そんな感じすらします。
陽射しの色が、夏の色に変わってきました。
この光の色の移ろいに、季節の変化を感じます。
やわらかで厳かな冬の光の色は、もうどこにもなく。
実に、心地よい季節になりました(2回目ですね笑)
ものの話によると、人間が幸福感を最も感じやすいのは、25度前後の気温の下で、海岸で夕暮れを眺めているとき、という統計の話を聞いたことがあります。
さもありなん、とは思います。
ただ、この新緑の季節の神社もまた、多幸感に満ちあふれているように思います。
なんというか、この空気の中で歩いているだけで、もう十分というか、そんな感じがするのです。
新緑が映える、上知我麻神社。
静かに手を合わせて参拝されている方が、いらっしゃいました。
お年を召された男性の方でしたが、その参拝する姿が、実に年季が入っているというか、積み重ねてきた年月を感じさせるものでした。
こうして境内を歩き。
手を洗い。
頭を下げて。
柏手を打ち。
また、頭を下げる。
そんな習慣が、日々の生活の一部のなかにある。
それは、実に豊かなことのように感じるのです。
参道もまた、それほど参拝される方は多くなく。
実に静かで、いいタイミングで参拝させていただけたのかもしれません。
熱田の神さまは、もっと多くの方に参拝された方が、喜ばしいのかもしれませんが笑
ただ、足元の玉砂利の音を聞きながら。
静かに、心を整える時間。
ここに来ることができたことに、祈りと感謝を。
次に訪れたときは、日差しはどんな色になっているのでしょうか。
それを楽しみに、また皐月の季節も過ごしたいと思います。