大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

わたしの大嫌いなあの人が、幸せになりますように。

「シャドウ」を受け入れるとき、どうしても抵抗が出てきます。

そうした抵抗がある分だけ、いままで強く抑圧してきたとも言えるのですが、そうした抵抗を乗り越えて、「シャドウ」を受け入れるヒントをお伝えします。

1.「シャドウ」と向き合う恩恵

先日の記事では、「シャドウ」と向き合う恩恵、というテーマでお伝えしました。

「シャドウ」と向き合う恩恵。 - 大嵜直人のブログ

自分が抑圧したり、禁止したりしていることは、私たちの心の奥深くに眠っています。

自分があきらめたことや、できなかったことも、そうですね。

そして、そうした要素を持っている人に出会うと、その人に激しく嫌悪感を抱きます。

嫌悪感、というか「嫉妬」ですね。

だって、自分がダイエットしているのに、横で人気パティスリーのケーキを美味しそうに食べられたら、ムカつくじゃないですか笑

「うらやましい!」と素直に思えればいいのですが、たいていはその「嫉妬」の感情を認めるのが屈辱的なので、「正しさ」で批判しようとします。

「普通に考えて、あんな言動はおかしい」

「あの人は絶対に間違っている」

といったように。

こうした大嫌いな、その相手を「シャドウ」と呼んだりします。

文字通り、自分自身の「影」の部分を映し出している人であり、それはまた「生きられなかったもう一人の自分」でもあります。

こうした「シャドウ」を受け入れ、許し、それと統合していくことは、私たちに大きな恩恵を与えてくれます。

それは、嫌いという感情が緩んでで、生きやすくなることにとどまらず、自分自身の生き方の可能性を広げてもくれるのです。

「シャドウ」の要素は、もともと自分が持っているものでもありますから。

先日の記事では、そんな「シャドウ」の恩恵について、お伝えしました。

2.「シャドウ」の受け入れ方のヒント

こうした「シャドウ」の受け入れ方について、今日はもう少し触れてみたいと思います。

先日は「子ども」に見立ててみる、という方法をご紹介しましたが、それでも難しいのは、難しいですよね。

だって、大嫌いなあの人を、「あれは、自分だ」と受け入れるわけですから。

さしずめ、応援するライバルのチームのユニフォームを着なさい、って言われているようなものでしょうか。

ドジャースファンが、ヤンキースのユニフォームを着てドジャースタジアムに行くとか、バルセロナのファンが、レアル・マドリードのユニフォームを着てカンプ・ノウに行くとか、そんな感じでしょうか笑

まあ、それくらい心理的な抵抗がすごいわけです。

まずは、頭で理解することが必要です。

「シャドウ」について知ること、そしてその相手が「シャドウ」であると認めること、そしてその「シャドウ」は抑圧してきた自分自身であると知ること。

そう理解することで、心は準備を整えます。

いや、めちゃくちゃ抵抗は出ます。

イヤだし、絶対に認めたくないし、そんなことあっていいはずがないし。

けれど、この頭で理解して、方向性を決めるというのが、最初の大切なステップになります。

「あの人が、私の『シャドウ』なんだ」

「あれは、わたし」

そう理解することが、まずは大切なステップです。

3.最後は、おバカになる

さて、頭で理解しても、なかなか感情はついてこないものです。

そこで、カウンセリングなどで、その抑圧した部分の原因などを掘り下げていくのは王道ですが、今日は少し違ったアプローチをご紹介します。

頭で「シャドウ」を理解しても、それを頭で受け入れようとしても、難しいものです。

ときに、「シャドウ」は自分にひどいことをしてきた相手であることも、めずらしくないからです。

たとえば、自分を愛してくれなかった母親、あるいは、自分の恋人を奪った恋敵といったように。

そうしたとき、「その相手を受け入れましょう」と言われても、

「え?そんなことしたら、自分が損するじゃん」

となるのが普通だと思うんです。

ええ、それが当たり前です。

でも、「シャドウ」を受け入れるって、その普通というか、理性の先にあるんです。

たとえ友だちから「そんなことするなんて、あんたバカじゃないの?」と言われるようなこと。

言ってみれば、そんな「おバカ」にならないと、受け入れられないこともあります。

頭のネジを、2,4本というか、10本くらい飛ばさないと、できないんです。

表現がちょっとアレでしたら、「いまの自分の価値観の外にある」とでも言いましょうか。

「シャドウ」を受け入れるって、そんな部分があるんですよね。

もちろん、頭ではすごく抵抗が出ます。

そんなとき、こう唱えてみてください。

「わたしの大嫌いなあの人が、幸せになりますように」

ゲエ…イヤだ…鳥肌立つわ、そんなもん…

頭はそういうかもしれませんが、続けてみてください。

「わたしの大嫌いなあの人が、幸せになりますように」

「わたしの大嫌いなあの人が、幸せになりますように」

「わたしの大嫌いなあの人が、幸せになりますように」…

今日は、「シャドウ」の受け入れ方のヒント、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

〇大嵜直人のカウンセリングの詳細・お申込みはこちらからどうぞ。

※ただいま6月度の個人カウンセリングを募集中となります。

〇カウンセリングのご感想のまとめはこちら。