「シャドウ」を受け入れるとき、どうしても抵抗が出てきます。
そうした抵抗がある分だけ、いままで強く抑圧してきたとも言えるのですが、そうした抵抗を乗り越えて、「シャドウ」を受け入れるヒントをお伝えします。
1.「シャドウ」と向き合う恩恵
先日の記事では、「シャドウ」と向き合う恩恵、というテーマでお伝えしました。
自分が抑圧したり、禁止したりしていることは、私たちの心の奥深くに眠っています。
自分があきらめたことや、できなかったことも、そうですね。
そして、そうした要素を持っている人に出会うと、その人に激しく嫌悪感を抱きます。
嫌悪感、というか「嫉妬」ですね。
だって、自分がダイエットしているのに、横で人気パティスリーのケーキを美味しそうに食べられたら、ムカつくじゃないですか笑
「うらやましい!」と素直に思えればいいのですが、たいていはその「嫉妬」の感情を認めるのが屈辱的なので、「正しさ」で批判しようとします。
「普通に考えて、あんな言動はおかしい」
「あの人は絶対に間違っている」
といったように。
こうした大嫌いな、その相手を「シャドウ」と呼んだりします。
文字通り、自分自身の「影」の部分を映し出している人であり、それはまた「生きられなかったもう一人の自分」でもあります。
こうした「シャドウ」を受け入れ、許し、それと統合していくことは、私たちに大きな恩恵を与えてくれます。
それは、嫌いという感情が緩んでで、生きやすくなることにとどまらず、自分自身の生き方の可能性を広げてもくれるのです。
「シャドウ」の要素は、もともと自分が持っているものでもありますから。
先日の記事では、そんな「シャドウ」の恩恵について、お伝えしました。
2.「シャドウ」の受け入れ方のヒント
こうした「シャドウ」の受け入れ方について、今日はもう少し触れてみたいと思います。
先日は「子ども」に見立ててみる、という方法をご紹介しましたが、それでも難しいのは、難しいですよね。
だって、大嫌いなあの人を、「あれは、自分だ」と受け入れるわけですから。
さしずめ、応援するライバルのチームのユニフォームを着なさい、って言われているようなものでしょうか。
ドジャースファンが、ヤンキースのユニフォームを着てドジャースタジアムに行くとか、バルセロナのファンが、レアル・マドリードのユニフォームを着てカンプ・ノウに行くとか、そんな感じでしょうか笑
まあ、それくらい心理的な抵抗がすごいわけです。
まずは、頭で理解することが必要です。
「シャドウ」について知ること、そしてその相手が「シャドウ」であると認めること、そしてその「シャドウ」は抑圧してきた自分自身であると知ること。
そう理解することで、心は準備を整えます。
いや、めちゃくちゃ抵抗は出ます。
イヤだし、絶対に認めたくないし、そんなことあっていいはずがないし。
けれど、この頭で理解して、方向性を決めるというのが、最初の大切なステップになります。
「あの人が、私の『シャドウ』なんだ」
「あれは、わたし」
そう理解することが、まずは大切なステップです。
3.最後は、おバカになる
さて、頭で理解しても、なかなか感情はついてこないものです。
そこで、カウンセリングなどで、その抑圧した部分の原因などを掘り下げていくのは王道ですが、今日は少し違ったアプローチをご紹介します。
頭で「シャドウ」を理解しても、それを頭で受け入れようとしても、難しいものです。
ときに、「シャドウ」は自分にひどいことをしてきた相手であることも、めずらしくないからです。
たとえば、自分を愛してくれなかった母親、あるいは、自分の恋人を奪った恋敵といったように。
そうしたとき、「その相手を受け入れましょう」と言われても、
「え?そんなことしたら、自分が損するじゃん」
となるのが普通だと思うんです。
ええ、それが当たり前です。
でも、「シャドウ」を受け入れるって、その普通というか、理性の先にあるんです。
たとえ友だちから「そんなことするなんて、あんたバカじゃないの?」と言われるようなこと。
言ってみれば、そんな「おバカ」にならないと、受け入れられないこともあります。
頭のネジを、2,4本というか、10本くらい飛ばさないと、できないんです。
表現がちょっとアレでしたら、「いまの自分の価値観の外にある」とでも言いましょうか。
「シャドウ」を受け入れるって、そんな部分があるんですよね。
もちろん、頭ではすごく抵抗が出ます。
そんなとき、こう唱えてみてください。
「わたしの大嫌いなあの人が、幸せになりますように」
ゲエ…イヤだ…鳥肌立つわ、そんなもん…
頭はそういうかもしれませんが、続けてみてください。
「わたしの大嫌いなあの人が、幸せになりますように」
「わたしの大嫌いなあの人が、幸せになりますように」
「わたしの大嫌いなあの人が、幸せになりますように」…
今日は、「シャドウ」の受け入れ方のヒント、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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