大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

パートナーシップと変化3 ~自己否定と変化について

パートナーに「変わってほしい」と感じるとき、それは自分が自分に「変わらないといけない」と感じているときです。

そこで、なぜ変わらないといけないと思っているのかと向き合うことが、大切になります。

1.パートナーに「変わってほしい」と感じるとき

昨日の記事では、パートナーに「変わってほしい」と感じるとき、というテーマでお伝えしました。

パートナーシップと変化2 ~「変わってほしい」は、「変わりたい」? - 大嵜直人のブログ

パートナーシップと変化、というところからのお話でした。

相手に「変わってほしい」と感じるとき、誰にでもありますよね。

自分が変わらなくても、相手が変わってくれたら、一番楽ですから、ある意味でそう感じるのは「依存」の心理の一部、と見ることもできます。

ただ、昨日の記事では「投影」の視点から見てみました。

「相手に変わってほしい」

と感じるということは、それは自分が自分に対して「変わらないといけない」と思っていることの投影である、という見方ですね。

自分が変わりたい。

自分を変えないといけない。

そう強く思っている分、私たちはそれを周りに映し出します。

そうすると、「相手に変わってほしい」という感じるわけですね。

これは、自分に関係性が近しい人ほど、そう強く感じるようになります。

色濃く「投影」するわけですね。

なので、「パートナーに変わってほしい」と感じるときは、「なぜ、自分自身が変わらないといけないと思っているのだろう?」という問いかけに向き合うチャンスなんですよね。

2.自己否定をエンジンにした変化は、うまくいかない

さて、昨日も少し触れたのですが、こうした「自分が変わらないといけない」と思っているとき、それは自分が自分を否定している場合があります。

もちろん、「これをできるようになりたい!」「ピアノが弾けるようになりたい」といったように、ポジティブなものもあります。

ただ、自己否定からくる変身願望は、なかなかしんどいものです。

「こんな自分じゃダメだ」という自己否定って、最初は走れるですが、だんだんと苦しくなってくるんですよね。

それは、「怖れ」や「不安」をエンジンにしているから、といえるでしょうか。

イヤなことを避けるための行動って、エネルギーをすごく使うし、長続きしないんですよね。

これは、なんとなく共感いただけるのではないでしょうか。

「お化け屋敷」に入って、お化けや妖怪から逃げるのって、「そこに入っているときだけ」だからできるのであって、ずーっとそれが続くとしたら、「もういいや…疲れたよ…」ってなっちゃいますよね笑

自己否定から始める変化がうまくいかない理由は、もう一つあります。

それは、自己否定を起点にして、何がしかの行動をしたとして、それが変化をもたらしたとします。

けれども、出発が自己否定である分、そこで変化した後もまた、自己否定はそのままなんですよね。

はじまりと結果は、似たような場所にたどり着く、とでもいいましょうか。

たとえば、「うわ、最近太ったな…こんな自分じゃダメだよな」と思って、ダイエットを始めたとします。

それで〇キロ痩せることができたとしても、「まだまだ、ダメだな」と感じるのって、想像できますよね。

自分が変化したとしても、それを認めることが難しいし、「もう、しんどいし、めんどいからいいや」と、ダイエットをやめてしまったりする。

これ、多くの人が経験されることではないでしょうか。私を含めて笑

自己否定をエンジンにした変化って、なかなか難しいものがあります。

3.変化したかどうかは、問題ではないのかも?

そう考えていくと、「自分が変わらないといけない」と感じるとき、向き合わないといけないのは、「変化したかどうか」ではないんですよね。

それは、「結果」であって、おまけのようなもの。

それを求めると、ラットレースのように、ずっと走り続けないといけなくなります。

これ、私のブログでも、カウンセリングでも、「変わったかどうか」は、あまり重きを置かないんですよね。

変わるときは変わるし、変わらなくても、全然問題ない。

それよりも、その人自身の素晴らしさであったり、価値や魅力を、自分が受け取れることができたら、それで十分ではないのかな、と思うんです。

少々長くなってきましたので、少しまとめてみます。

パートナーに「変わってほしい」と感じるとき、それは自分が自分に対して「変わらないといけない」と思っている投影である可能性があります。

もしそうだとしたら、なぜ自分は変わらないといけないと思っているのか、少し掘り下げてみてもいいのでしょう。

もしかしたら、自分が強烈に自分のことを否定しているのかもしれません。

そうだとしたら、パートナーを変えるよりも、自分を変えるよりも、何よりも必要なのは「自分を愛すること、受け入れること、許すこと」なのでしょう。

(もちろん、自分を愛せるようになる、というのも変化といえば、変化なのでしょうけれども)

そして、もっと掘り下げるなら、「なぜ、そんなにも自分を否定してしまうのか?」という問いかけができます。

「自己否定をやめーや」と言われて、やめられるのなら、誰も悩まないでしょう笑

そこには、何がしかの理由があり、その奥底にはその人の愛が隠れています。

私のカウンセリングで重きを置いているのは、そこです。

自己否定が、悪いことではありません。

誰だって、好きこのんでそうしているわけではないのでしょう。

そこには、「そうせざるをえなかった」理由や、そうした経験をしてきただけなのでしょう。

そうせざるをえなかった、というのは、自分を否定することで、大切な人を守ろうとした、ということが多いものだったりもします。

「そこまでして、大切な人を愛したかったんですね」

カウンセリングでは、そんな言葉をお伝えすることもあります。

その愛とつながることができると、自己否定も自然とゆるめていくことができるのです。

そうした先には、変化もあるのでしょう。

けれど、そこでどんな変化が起こるのかは、誰にもわかりません。

私にも、あなたにも。

ただ、その変化はとても自然なもので、また自分と、パートナーや周りの大切な人の笑顔を増やしていく変化であることは、間違いないのでしょう。

今日は、自己否定と変化について、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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