禁止や否定をするほどに、私たちの心はそれにとらわれてしまうものです。
大切なのは「しないこと」ではなく、「それをしてしまったときの対処法」です。
1.「投影」を使った自分の感情の気づき方
先日の記事では、「投影」を使った感情の気づき方、というテーマでお伝えしました。
「投影」を通じた、自分の感情の気づき方。 - 大嵜直人のブログ
自分を尊重するには、というテーマからのつながりでした。
自分を尊重するための具体的な方法として、「自分の感情を感じること」と「感じた感情を表現すること」という2つを挙げておりました。
自分の感じている感情を抑圧したり、我慢したりしていると、それに膨大なエネルギーを使ってしまいます。
感情はコントロールすることはできないため、流れてくる川をせき止めるようなエネルギーが必要になるからです。
そして、感じた感情を表現することをしないと、それはまた自分の内側で倦んでしまいます。
だから、「感じること」と「表現すること」は一つのセットなわけです。
とはいえ、無意識に感情を抑え込んでしまうことも、あるものです。
そして、それが癖になってしまうことも。
それでも、自分の感じている感情を、教えてくれるものがあります。
それが、「投影」の心理です。
「投影」とは、自分の内面にあるものを、外の世界に映し出す心のはたらきを指します。
だから、怒っている人ばかりが目に付くなぁ、と感じたら、それはもしかしたら自分の内面に溜め込んでいる怒りが、外に「投影」されたものかもしれません。
そうした「投影」の見方を使って、自分の感情に気づいていくことを「投影を取り戻す」と呼んだりもします。
先日の記事では、そんな「投影」を使った感情の気づき方について、お伝えしました。
2.「投影」を自分責めに使わないこと
さて、今日はこの「投影」の視点を使うときの注意事項について、少しお伝えしたいと思います。
注意事項って、なんかトリセツみたいですね笑
その注意事項は、何度もこのブログでお伝えしている点ですので、「またそれか」と思われるかもしれませんが、大切なことなのでご容赦をいただければと思います。
それは、「投影を自分責めに使わない」という点です。
ものすごくシンプルですが、どうしてもしてしまいがちなんですよね。
これ、責任感の強い人や、他人を優先してしまう人、あるいは、問題点を見つけるのが得意な人などが、よく陥りがちです。
はい、私もよくやります笑
目に映るものが、自分の内面を映し出したものである、というのが「投影」の視点でした。
そうであれば、もしも自分の目の前に、解決しない問題があったり、誰かが傷ついていたり、あるいは、世の不条理なんかがあったりしたら。
それは、自分は問題だらけなのではないか、自分が悪いのではないか、という気持ちになってしまい、自分を責めてしまうことがあります。
(「投影」の見方を正確にするならば、傷ついている人がいたら、それは「傷ついている自分」の投影なので、必ずしも自分が悪いわけではないのですが、自分を責めてしまう、という意味では同じかと思います)
このブログで何度もお伝えしている通り、心理学は「自分自身のよりよき生」のために学ぶはずなのに、そこで得たものを「自分責め」に使ってしまっては、元も子もないですよね。
だから、「投影」の見方を使うときに、それを「自分責め」に使わないことは、とても大切なことになります。
3.「禁止」よりも「してしまったときの対処」
こうした「投影」を自分責めに使ってしまうことを避けるためには、どうしたらいいのでしょうか。
「自分責めはあかん」と思っても、「それ、なんか私に責任が…」と感じてしまうのは、なかなか止められないものです。
気づいたら、そんな風に感じてしまう人も、少なくないのではないでしょうか。
こういうとき、「それはあかん」と禁止するよりも、「そう感じるのはしょうがないから、感じたときにどうするか」を決めておく方が、効果的です。
これ、今日の話題に限った話でもありません。
「脳の世界にはNOがない」とは有名な話ですが、私たちの心は、禁止や否定されるほど、そちらに意識が向いてしまうものですから。
「絶対にピンクの象を思い浮かべないでくださいね!」と言われたら、なんか頭のなかにイメージが浮かんでしまうのと、同じです。
だから、「自己否定したらあかん」と禁止するよりも、投影の視点を自分責めに使ってしまったときの対処法というか、心の置きどころを決めておく方が、楽なんですよね。
その対処法は、一つだけでもないですし、正解があるものでもありません。
自分に合う方法を決めておけばいいんです。
ただ、自分責めから、自分を大切にする方向に変えることができるような方法であれば、何でもいいんです。
たとえば、「そうした問題が見えるということは、自分にそれを解決できる力があるからこそだ」と思うようにするのも、一つの方法でしょう。
問題があるから悪いのではなく、問題が見えることに、価値を見いだす見方ですね。
その問題が自分の投影なのであれば、その問題は自分がつくり出したものになります。
自分がつくったものであれば、それは自分で解決できるはずです。
自分で組んだレゴブロックなら、どうやってバラしたらいいか、わかりますもんね。
それと、同じようなものです。
もしも、あなたが投影の視点で自分責めをしてしまったとしたら。
どんな対処法が、あなたらしいでしょうか。
それを考えておくのも、自分の心との対話を深めていくきっかけになるものです。
今日は、自分責めをしないことよりも、してしまったときの対処法を考えておく方がいい、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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