自分を許すのが、一番難しいと言われます。
そんな「自分を許す」ことのイメージを、お伝えしてみたいと思います。
1.許すのが難しい3人
昨日の記事では、許すのが難しい3人、というテーマでお伝えしました。
「許し」のプロセスの終着点は、父と母、そして自分を許すこと。 - 大嵜直人のブログ
「許し」というテーマですね。
カウンセリングでも中核的なテーマになることの多い「許し」。
一般的な意味では、相手の過ちや罪をとがめないこと、相手の願いを聞き入れることといったニュアンスで、それはどちらかというと相手のために「してあげる」ことといえます。
しかし、ここでいう「許し」は、相手のためにすることではなく、自分自身のためにするものです。
この意味での「許し」は、相手の状況や立場を感情的に理解することで、「そうしてしまうのも、仕方ないよな」と相手を一方的な悪者や加害者にしないことです。
「許し」が進むと、「もし、同じ状況に置かれたら、自分も同じことをしていたかもしれない」といった感覚になることもあります。
こうすることで、相手を責めることの罪悪感から自分を解放し、被害者のポジションを手放すことで主体的に生きられるようになります。
昨日の記事では、こうした「許し」のプロセスにおいて、許すのが難しいについてお伝えしました。
「許し」は、いま起こっている何か不都合の起こっている、ネガティブな感情を感じている対象の相手に対してからはじまります。
それは、仕事の上司かもしれませんし、別れたパートナーかもしれません。
けれども、そこから「許し」をはじめていくと、最後にはこの3人にたどりつくのです。
父親、母親、そして自分。
この3人が、許すのが難しく、それだけに許すことの恩恵もまた大きい3人です。
昨日の記事では、そんなテーマをお伝えしました。
2.自分自身の扱いに尽きる
許すのが難しい3人。
父、母、自分。
この中でも最難関は、やはり「自分」になるのでしょう。
自分自身を、許すこと。
それは難しいことでもあるのですが、同時に恩恵が最も大きいものであり、カウンセリングでも
カウンセリングのなかで、どんな話題になったとしても、自分自身をどう扱っているか?、という視点は、どんなテーマでも切り離せません。
それが、他人に気を遣い過ぎてしまう生きづらさ、という問題であっても。
パートナーとの不仲の問題であっても。
仕事の上で出てくる問題であっても。
どんな問題であっても、「自分をどう扱っているか?」という視点は欠かせないものであり、その視点を少し変えるだけでも、問題の見え方は変わるものです。
「投影」のテーマでもお伝えしましたが、私たちは自分自身の内面を、外の世界に映し出して見るものです。
自分自身をどうしようもなく愛おしい存在だと見ていれば、世界もまたそのように見えます。
反対であれば…世界はものすごく恐ろしく、怖い場所に見えるのでしょう。
自分が自分をどう見るか、どう扱うか。
そして、自分をどれくらい許せているか。
それは、どんな問題を考える上でも、切り離せないものなのでしょう。
3.自分を許すことは、これまで歩いてきた道を肯定すること
でも、自分自身を許すって言われても、ピンとこない方も多いかもしれません。
「自分で、自分を許す…って???」
と、頭を抱えるクマのプーさんのようになってしまってもあれなので笑、今日は少しそのイメージをお伝えしてみたいと思います。
自分が自分を許す、ということ。
それは、いままでの自分の選んできた道を、自分が肯定してあげることでしょうか。
もちろん、それだけではなく、あくまで「自分を許すイメージ」の一つとして考えていただければと思います。
どうしても、私たちはいまの自分の基準で、過去の自分の選択の正誤や是非を判断してしまいがちです。
あのとき、ああしたのは間違いだったかな、とか。
こう言っておけばよかったかな、とか。
もちろん、それはそうなのかもしれませんが、そのときの自分は、きっとそのときの自分なりに精一杯考え、やった結果がそれだったのでしょう。
そこを、いまの基準で責めることは、ある意味で後出しジャンケンみたいなものです。
「結果はどうあれ、そのときの自分は、そうするほかなかったんだな」
過去の自分を、そうやって受け入れることは、「許し」のプロセスに他なりません。
それは、ベストではなかったかもしれませんし、もっといい方法があったのかもしれません。
けれども、そのときの自分にはそれしかできなかったのであれば、もうそれが自分なんだと受け入れるほか、ないのでしょう。
それは諦めることではありません。
自分という存在を、等身大の自分の歩んできた道を、自分が肯定してあげること。
それが、自分自身を許すことのイメージです。
今日は、自分を許すとは、自分がいままで歩いてきた道を肯定すること、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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