大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「その見方は自分自身を楽にするか?」という視点を持つことの大切さについて。

心理学を学んでいくと、新しい見方を知ることができます。

それは私たちの世界を広げ、自分自身を深く知ることに役立ちます。

けれども、それもあくまで「一つの見方」として、ほどほどにしておくことも、大切です。

何をするにしても、「自分にやさしく」することが、一番大切なようです。

誰かに言いたいことは、自分に言いたいこと

心理学を学んでいくと、いままで見ていた世界の見方が変わることがあります。

もちろんそれは、心理学に限ったことではないのですが。

ただ、自分の心の動きを、「なぜそうなったのか」をうまく説明してくれることは、間違いがありません。

「なぜ、こんなにも頑張っているのに、苦しいのか」

「なぜ、あの人にばかり執着してしまうのか」

「なぜ、うまくいきそうになると壊したくなるのか」

それを、自分の目に映る他人を分析したりすることに使うと、心理学はあまり役には立ちません。

その学んだ視点を、自分自身にフィードバックすると、心理学は生きる上での金脈になりえます。

単純な例でいえば、親しい人に言いたいことがあったとします。

それを「投影」という見方を使うと、その言いたいこととは、実は自分自身に言いたいことであること見ることができます。

「自分のことくらい、ちゃんと自分で決めなさいよ」

「もっと、自分を大事にしなくちゃダメじゃない」

「なんだ、愛想が悪いな、周りが辛気くさくなっちゃうよ」

…などなど、実際に言うか言わないかは別としても、そんなことを言いたくもなる場面、ありますよね、えぇ、ほんと笑

しかし、そこに「投影」の見方を使うと、自分が「そのように」世界を見ている、といえます。

「自分のことも決められない、優柔不断」

「自分をないがしろにしてる」

「(自分は)愛想が悪いんだ」

自分がそう見ているからこそ、他人にそれを映しだすわけです。

だから、何かを言いたくなったとき、「それは、ほんとは自分自身に必要な言葉なんじゃないか?」と振り返ってみることは、非常に自分の生を豊かにしてくれます。

その見方は、自分自身を楽にするか?

誰かに言いたいことは、自分に言いたいこと。

「投影」の見方を使うことは、自分自身の世界を広げてくれるものです。

けれども、そのときに大切な視点が一つがあります。

それは、「その見方は、自分自身を楽にするか?豊かにするか?」という点です。

あ、一つじゃなかったですね笑

多くの人が心理学を学ぶのは、何らかの生きづらさであったり、苦しさであったり、そういったものを解消したいためだと思います。

私自身も、そうでした。

そして、心理学でいろんな見方を学ぶことで、知らない世界を広げていくことができました。

けれども、時に、そこで学んだことを「そのように見ないといけない」とか、「その見方が正しい」としてしまうことがあります。

「なんて頭が固い人なんだ!」と感じたとしても、「いやいや、それは自分自身に対してそう感じているんだよな…」と、すぐにフィードバックしようとしてしまったり。

それで、「そうか、頭が固いのは自分なのか!よっしゃ!」となればいいんです。

けれども、「頭が固い自分は、なんてダメなんだろう…」となってしまうときは、その見方は、いったん横に置いていいんだと思うのです。

それよりも、「あの人、頭が固くて話が通じずに、イヤだったな」と、自分が感じたことに寄り添うことの方が、よっぽど大切になります。

「その見方は、自分自身を楽にするか?」

それは、いつも持っておきたい大切な視点です。

その見方が正しいかどうかよりも、よっぽど大切な視点といえます。

だからこそ、自分にやさしく

少し補足になりますが、そうした自分自身へのフィードバックが、自分責めになってしまうとき。

その根底になるのは、自己否定といえます。

いわば、自分を否定する道具として、「投影」の見方を使ってしまうわけです。

「投影」でなくても、心理学でなくても。

自己否定があると自分責めの道具にしてしまうものです。

自己否定の最たるものは、「自分の感じていることを否定する」ことといえます。

暑い、疲れた、イヤだ、心地よい、ムカつく、愛しい…自分が感じていることを否定するのは、最も単純で、最も強力な自己否定といえます。

人間の、人間らしさを奪うわけですから。

心理学を使って自分自身へのフィードバックをするのは大事ですが、その見方は自分自身を楽にするか?という視点は、それ以上に大切といえます。

その見方をすることでしんどければ、「まあ、そんな見方もあるよね」くらいにしておいた方が、いいのでしょう。

アクセサリーボックスを開いて、「うーん、今日はこのペンダントの気分じゃないなぁ」と感じたら、別につけなくてもいいように。

その見方を採用して、自分が楽になると思えば、それを採用すればいいと思うのです。

ということで、今日は心理学の見方を使うときに重要な視点について、お伝えしました。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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