大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「才能」は、ときに自己否定という形であらわれる。

「才能」のある分野は、それだけ自分への要求や期待も高くなります。

それが自己否定という形で表れることもあるので、注意したいところです。

1.子どもの頃に好きだったもの

先日の記事では、子どもの頃に好きだったものをリストアップするワーク、というテーマでお伝えしました。

「才能」は、ときに自己否定という形であらわれる。 - 大嵜直人のブログ

自分自身の「才能」、というテーマですね。

私たちは、自分のことは自分が一番わかっていなかったりします。

「才能」についても同じで、自分では何でもないと思っているところに、誰かに与えられるものが眠っていたりします。

「自分」とは、「自」を「分」けると書きます。

それだけ、いろんな要素に分けてみないと、私たち自身の姿というのは見えづらいものなのでしょうね。

そんな「自分」を知るための一助として、昨日の記事では「子どもの頃に好きだったものを100個以上リストアップするワーク」をご紹介しました。

子どもの頃というのは、だいたい小学校低学年あたりまででとらえていただけると、いいかと思います。

そのころ、何に心惹かれていたのか。

それを、できれば100個以上リストアップしてみるんです。

なんでもいいんです。

好きだったご飯のメニューでもいいですし、好きだった風景でもいいですし、ハマっていた遊びでも、なんでもいいんです。

この大量の数をリストアップするというのがポイントで、一日二日では終わらない量がいいんですよね。

意識をずっとそこに向け続けることができるわけです。

私もこのワークはしたことがあるのですが、そこで出てきたものを眺めていると、「あぁ、自分ってこういうのが好きだったな」とか、「そうなんだよなぁ」とか、妙に納得するんですよね。

「三つ子の魂百まで」ではないですが、子どものころに惹かれたものは、その人にとって大切なものであり、その人自身の「才能」と密接な結びつきがあります。

昨日の記事では、そんな「才能」を自覚するための、そんなワークについてお伝えしました。

2.寝ても覚めても、考えてしまうもの

以前にも書いたのですが、その人の「才能」は、それだけ時間と労力をかけてきたものでもあります。

言い方を変えると、寝ても覚めても、そのことばかり考えてしまうもの。

それが、その人が人生をかけて向き合いたいものなのです。

それは、そうですよね。

寝ても覚めても、そればかりを考えてしまうわけですから。

それは、ときに「悩み」となって表れることだって、あります。

パートナーシップについて、寝ても覚めても考えてしまう。

仕事のことならば、寝食を忘れてしまう。

ずっと家族のことばかり考えてしまう。

その人にとって、大切なものだからこそ、それだけエネルギーや時間をかけているのですから。

そこに興味がない人からすれば、「なんでそこまでするの?」とか、「どうでもよくない?」と思われるかもしれません。

でも、そうじゃないんですよね。

自分がそこに価値を感じているからこそ、寝ても覚めても考えてしまうんです。

それを、認めてあげることはとても大切なことです。

3.「才能」が招く自己否定に要注意

さて、こうした「才能」を考えるときに、注意したい点があります。

それは、その人にとっての「才能」が、自己否定を招くことがある、という点です。

先ほど書いたような、寝ても覚めても考えてしまう分野って、それだけ自分に求めるハードルが高くなります。

「できて当たり前」という感じでしょうか。

たとえば、人と人の関係性を和やかにする才能がある人がいたとします。

その人にとっては、争いのない平和な関係性というのが、言ってみれば「当たり前」なんですよね。

けれども、たくさんの人がいれば、争いが起きることもあります。

それは、私たちが一人一人違う個である以上、避けられないことです。

そうしたときに、その才能を持った人は、深く傷ついてしまうわけです。

「自分の力が足りないせいで、平和にできない」とか。

「自分のせいで、こんなことになった」とか。

自分で自分を否定してしまうことがあります。

けれども、それはその「才能」を持っているがゆえに、そう感じるわけです。

だから、そこで必要以上に自分を責めるのではなく、「自分にとっての当たり前とずれているから、自分を責めてしまうんだな」ととらえることができると、いいのでしょう。

今日は、「才能」は、ときに自己否定という形であらわれる、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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