3月10日、金曜日。
見上げると、青空が広がっていました。
ずいぶんとぼんやりしたその雰囲気は、春の訪れを感じさせます。
冬の凛として、透き通った空は、もうどこにもなく。
ただ、その青さが心に染みていました。
あの日は、どんな空の色だったのだろう、と思うのです。
過去を変えようとも思わないし、変えられるとも思わないのですが。
もしも、タイムマシンがあったとしたら。
あの日の空が、どんな色だったのか。
それを、知りたいとは思うのです。
今日のように晴れていたのでしょうか。
それとも、曇っていたのでしょうか。
あるいは、春らしくない冷たい雨が、降っていたのでしょうか。
そんな文字でもなくて。
ただ、あの日の空の色が知りたい。
そんなことを想う日があります。
自分の生まれた日は、どうだったのでしょうか。
私は夏生まれなのですが、夏らしく晴れていたのでしょうか。
それとも、夕立があったのでしょうか。
立秋も過ぎた、お盆のあたりですので、赤とんぼも飛んでいたのかもしれません。
晴れていたらいいな、と思うのですが。
雨が降っていたとしたら。
なんとなく、その空の色もまた、私らしいような気もします。