感情を溜め込むと、ロクなことがありません。
たとえそれが正しい方法やプロセスであっても、自分の感情を無視することは、いつかそのツケを払うことになってしまうのです。
1.メッセージを受けとる前に
昨日の記事では、メッセージを受けとる前に、というテーマでお伝えしました。
悪態をついていいし、地団駄踏んでいい。 - 大嵜直人のブログ
「投影」の心理からのお話でした。
私たちは、自分の内にある感情や観念、価値観といったものを通じて、外の世界を見ます。
寂しいという感情を抱いていれば、目に映る風景が寂しく見えますし、自分が過去に出会った人から受けた印象や感情を、目の前の人に映し出したりします。
父親との関係性を、仕事の上司との関係で再現したりするのも、この「投影」の心理から説明できたりしますよね。
こうした「投影」の心理ですが、逆に見ると、自分の身の回りで起こることは、自分の内面の状態を教えてくれると見ることもできます。
「なんか今日は、イライラしている人ばかりに出会うな…」と感じるのであれば、それは自分のなかに何か焦りなどがあって、それを投影しているだけなのかもしれません。
そのようにして、「あぁ、そうか。試験も近いし、いま自分は焦っているんだな」と、気づくこと。
これを「投影を取り戻す」と呼んだりします。
突き詰めていくと、この世のすべては、自分へのメッセージ、と考えることもできるのでしょう。
しかし、こうしたメッセージを受けとる前に、大切にしたいことがあります。
それは、そのできごとから自分が感じたとこを、無視しないことです。
イライラする、悲しい、寂しい、ムカつく…そうした感情を無視したり、抑圧したりして、そのできごとを無理やりに消化しようとしないことです。
まずは、自分の感じたことを安全な場所で、感じ切ること。
それが、何よりも大切なことである、というのが昨日のテーマでした。
2.溜め込んだ感情は、いつかツケを払うことになる
この感情を溜め込んで、「わかったふりをする」というのが、ある意味で一番タチが悪いのです。
自分の周りの人との関係性においても、一番、毒になったりします。
でもねぇ…これ、やっちゃうんですよねぇ、ほんと(遠い目)
感情を溜め込むことは、ある意味でお会計なしで飲み屋を出てしまうようなものかもしれません。
「あー、いまはいいや。またこんど!」、みたいに。
でも、いつかツケを払うことになりますよね笑
感情もまた、同じです。
溜め込んだ感情は消えてなくなるわけではなく、ずっと自分の胸の奥底でくすぶり続けます。
その状態で、起こったできごとからメッセージを受けとろうとしても、なかなか肚落ちしなかったりします。
ずーっと、そのくすぶった未消化な状態が続くし、いつか我慢できなくなって、思わぬところで感情を爆発させてしまう。
周りの人との関係性でも、同じです。
その人への感情を溜め込んで、我慢していると、どうしても「こっちは我慢してやってるのに…」という不満が出てきます。
そして、こうした不満って、周りの人って敏感に察知するんですよね。
「あ、なんかこの人、怒っている…?」みたいに。
気づいていないのは、自分だけだったりします。
これ、関係性を蝕むことはあっても、決していい方向には導かないですよね。
3.前を向くのも、自分と相談しながら
悲しいことや、ショックなことが起こったとき。
切り替えて、前を向かないといけないと思ってしまうものです。
それを、いつまでも引きずっていてはいけない、と。
頭で考えて、前を向こうとします。
大切な人との別れがあったり、必死に取り組んでいたことが結果が出なかったり、取り返しのつかない失敗をしてしまったり、あるいは、災害や事故などが自分に降りかかってきたり。
そうしたときに、前を向ければいいんですが、すぐにはできないこともあります。
頭で納得しても、心がついてこれない、といいますか。
無理やりに、「それでも、前を向いてやらないといけないんだ!」とビシバシやるのもいいんですが、少し立ち止まって、自分の状態を確認してみてもいいのかもしれません。
前を向いていきたいのか。
それとも、そうしたいのはやまやまだけれども、いまはしんどいのか。
もちろん、白か黒かで分けられるものでも、ありません。
白よりのグレーとか、黒よりの灰色だったりします。
でも、それでいいんです。
いまの自分がどんな状態なのか、自分の声を聞きながら、相談しながら、進んでみること。
無理に前を向こうとするよりも、その方が確実に歩めると思うのです。

今日は、溜め込んだ感情は、いつかツケを払うことになる、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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