大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

痛みの中に愛を見るように、寒の中に春を見る大寒のころ。

時候は、一年で最も寒いとされる「大寒」になりました。

外に出るのが、億劫になってしまう時期ですよね。

しかし、吹く風や日中の日差し、木々の蕾に、少しずつ季節の移り変わりを感じるようになりました。

日差しは強さを含み、

吹く風にはわずかに温さが芽生え、

固い蕾はふくらんでくるようです。

一年で最も寒いとされる、「大寒」。

その時候に、暖かな春の萌芽を探すのは、この時期ならではの楽しみともいえます。

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山茶花は、いまが盛り。

大きな赤い花を、いくつも開かせていました。

冬の花は、原色に近い色の花が多いように感じます。

冬の間、咲く花が少ない中で、見つけてもらいやすいように、でしょうか。

それが、冬の凛とした空気と、なんとも合うものです。

これが、春になると黄色や橙といった、少しやさしい暖色をした花が増えてきます。

いまは、七十二候では「雞始乳/にわとりはじめてとやにつく」の時候。

ニワトリが卵を抱いて巣にこもる時期とされます。

立春を一年の始まりとするならば、この「雞始乳」が最後の七十二候になります。

そう思うと、少しこの寒さが惜しくも思えてきます。

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近所の木々の蕾も、だいぶふくらんできました。

その時まで、あともう少し、といったところでしょうか。

一年のうち、最も厳しい寒さのこの時期だからこそ、春のかけらを探したくなります。

そうして見つけた、ほんのわずかなあたたかさに、大きな喜びを覚えます。

季節のめぐりを見つめるということは、いま目の前の細部に、意識を戻すことといえるかもしれません。

昨日の雲と、今日のそれが違うように。

すべては移ろいゆき、ただ一つとして同じ一日、同じ時間はありません。

しかし、目の前の今日の景色は、変わることがありません。

どんなときでも、ただ目の前の細部を見つめていると、不思議と心は落ち着きを取り戻していくようです。

それは、どのような痛みの中にあっても、いまこの瞬間は大丈夫なことと、似ているようです。

日常の細部を見つめることは、意識をいまに戻してくれる、大きな恩恵を与えてくれます。

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梅の花の蕾も、ずいぶんと色づいてきました。

もう来月には、開くのでしょうか。

一年の中でも最も寒いこの時期だからこそ、春の訪いを見つけることができます。

それは、大きな痛みの中にあるときにこそ、普段は見えなかった愛が見えることと、似ているのかもしれません。

もう来週には、立春がきます。

厳しい寒さはまだ続きますので、どうぞ暖かくしてお過ごしくださいませ。