大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「信頼」とは、その相手をまるごと受け入れることのできる、偉大な力。

「信頼」とは、その対象や相手の価値や魅力、可能性を見る、愛する行為の一つです。

「信頼」を持っていると、起こっている結果に一喜一憂することなく、それをプロセスの一部として受け入れることができるようになります。

名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。

1.信頼は古い心の傷を回復させる

おそろしい状況でも、何か問題が起きたときでも、信頼にはすべてを癒す力があります。

「信頼」は自信のもとになるもっとも大事な要素です。

 

信頼するとき、あなたは心の力を使って、すべてのことを最善の方向に運ぶことを選択しているのです。

「信頼」は、暗くてつらく見えるものも変容することを知っており、長い目で見れば、どんなものも実際は役に立つことがあることを知っています。

信頼によってへだたりが癒され、感情が戻ってきます。

信頼があれば、人間関係にやさしさと安全さをもたらすことができます。

 

信頼することは、結果や答えがどんなかたちであらわれるのかをコントロールすることではありません。

それは心を傷つける結果になります。

疑いや痛みがしのびこんできたら、あなたに平和をもたらしてくれるような選択をしましょう。

「信頼」とは、どんな状況においてもあなたのパワフルさを認めることです。

それは心の力が現状を受け入れ、あなたの心を通してその状況を変容していくことです。

 

「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.261

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2.「信頼」という偉大な力

今日のテーマは、「信頼」です。

普通によく使う言葉の一つですが、心理学的な見方をお伝えしていきたいと思います。

愛する行為の一つであり、裏切られることのないもの

パートナー、部下、家族、あるいは自分自身。

いろんな対象を「信頼」する場面があります。

「信頼」とは、その対象の価値や魅力、才能、あるいは可能性といった、ポジティブなものにフォーカスする心の動きです

それゆえに、任せる、委ねるといった選択肢が取れるようになるのも、「信頼」の特徴です。

「信頼」することは、その相手を愛する行為の一つといえます。

さて、そんな「信頼」の対義語として、「裏切り」が思い浮かぶかもしれません。

「あの人を信頼していたのに、裏切られた」

「信頼していた部下に、裏切られた」

日本語としては間違っていないと思いますが、心理学の上では、そうしたことは起こりえません。

「裏切られた」と感じるときには、その裏には「結果への期待」があります。

「あの人なら、こう行動してくれるだろう」

「あいつなら、プロジェクトをまとめてくれるだろう」

そうした、結果への期待。

それは、「信頼」とは似て非なるものです。

「期待は裏切られるが、信頼は裏切られない」

そういった格言があります。

「信頼」していると、その結果に一喜一憂することなく、相手を、自分を信じることができます。

だから、原理的に「信頼」は裏切られることはありません。

「信頼」と「期待」、「心配」

「信頼」は裏切られることはない。

それは言い換えると、どんな結果でも受け入れられる状態である、ともいえます。

ものごとの、ポジティブな部分と、ネガティブな部分。

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そのどちらか一方だけではなく、その両方をまるっと信じ、そして愛すること。

それを、「信頼」とよびます。

そのポジティブな部分だけにフォーカスすることを、「期待」と呼びます。

だから「期待」していると、望んだ結果や相手の反応ではなかったときに、「裏切られた」と感じて失望します。

あるいはその逆に、ネガティブな部分だけを見ることを「心配」とよびます。

「心配」していると、どんどん不安が膨れあがっていきます。

誰もが、そんな経験をされたことがあるのではないでしょうか。

「信頼」は、そのいずれとも違います。

信頼することは、結果や答えがどんなかたちであらわれるのかをコントロールすることではありません。

引用文の通りですね。

ポジティブだけではなく、ネガティブだけでもなく。

その対象や相手を、まるごと、あるがままの姿で見ること。

それが、「信頼する」、という意味です。

3.結果ではなくプロセスを信頼する

「プロセス」を信頼するとは

ここまで見てきたように、「信頼」とは、結果を期待することでも、心配することでありません。

では、「信頼」しているときに、人は何を見ているのでしょうか。

それは、「プロセス」だと思います。

信頼するとき、あなたは心の力を使って、すべてのことを最善の方向に運ぶことを選択しているのです。

「信頼」は、暗くてつらく見えるものも変容することを知っており、長い目で見れば、どんなものも実際は役に立つことがあることを知っています。

どんな結果が出たとしても、それは過程にすぎない。

すべてのできごとは、何かを学ぶために存在している。

人生において、無駄なことは起こらない。

どんなできごとでも、いつかは恩恵に変えることができる。

起こっていることに対して、それをコントロールしようとするのではない。

かといって、ただ何もしないわけでもない。

「いま」の自分の最善を尽くす、尽くし続ける。

その過程で立ち現れる現実=プロセスに、身を委ね続ける。

「プロセス」を信頼するとは、そんな風に表現することができるでしょうか。

もちろん、言うは易し、行うは難しの通りではありますが…

「信頼」はすべてを癒し、自信を与えてくれる

おそろしい状況でも、何か問題が起きたときでも、信頼にはすべてを癒す力があります。

引用文の冒頭にある通り、「信頼」には人の心を癒す力があります。

愛することの一部なのですから、当たり前といえば当たり前なのですが…

どんな状況にあっても、「信頼」を抱くことは、心に平安を与えてくれます。

先ほど見てきた、プロセスを信頼する。

相手を信頼する。

そして、自分を、信頼する。

この自分自身を信頼することを、「自信」とよびます。

結果から語るのではなく、自分だから大丈夫なんだ、という感覚。

その感覚を持つことで、人は自分の周りを、世界を、そして人生を「信頼」することができます。

どうあっても、大丈夫。

「信頼」があればこそ、自分がいまできることを最大限にした上で、そこで立ち現れる現実を受け入れることができていくのでしょう。

「信頼」とは、かくも深く、そして偉大な力を持った心のはたらきのようです。

 

今日は、「信頼」の心理についてでした。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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