大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「手で触れる」ことの奇跡について。

愛おしいパートナー、家族やペットといった大切な存在に「手で触れる」ことは、私たちに深い癒しをもたらし、つながりと親密感を生みます。

それと同じように、自分自身に触れてみてはいかがでしょうか。

名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。

1.ふれてみよう

手でふれることはつながりを確かなものにし、癒しをもたらします。

けんかの最中でもパートナーにふれると、誤解よりももっとすばらしいものがあるのを再認識することになります。

 

パートナーに直接ふれるほど、親密な感情が生まれます。

それは癒しをもたらし、再確認させてくれるので、それだけでも問題解決に必要な親密さが生まれるのです。

手のぬくもりは希望を運んでくれます。

 

「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.321

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2.ふれる、という奇跡

今日のテーマは、なんだか「心理学」というよりも、至極当たり前に感じるお話しになりそうなのですね…

それはさておき、がんばって書いてみたいと思います笑

 

「手当て」という言葉があります。

「準備をしておく」、「何らかの事態に対処する」といったほかに、「病気やけがの処置をすること」という意味があります。

「手当て」とは、文字通り「手」を「当てる」ことです。

それが、病気や怪我を処置する、治すといった意味になるのは、とても興味深いものです。

言い換えると、「(患部に)手を当てること」に、日本語を使う私たちは病や怪我を治すだけの力を見てきたともいえます。

不思議ですよね。

でも、不意に痛みを感じたとき、何か傷を負ったとき、私たちは無意識にその患部に手を当てます。

ある意味でそれは、私たちが原初的に持っている「癒しの力」を、使おうとしているのかもしれません。

 

考えてみると、「ふれる」というのは、すごいことです。

同じ時代に生を受け、同じ瞬間に、同じ場所を共有すること。

それは、一つの奇跡と言ってもいいくらいのことのように感じます。

もちろん、私たちはもともとつながっているという真実に、変わりはありません。

離れているように見えても、深い意識のどこかではつながっているのでしょう。

また、生まれる前や、今生に別れを告げた後は、分離のない世界があるのかもしれません。

本質は、分離ではなく、つながり。

けれども、いえ、それだけに、物理的に「ふれる」ことは、奇跡のように感じられるのです。

それは、一見すると分離したこの世界を生きる私たちに与えられた、希望のようにも感じられます。

 

今日の引用文を読むまでもなく、身体的に「ふれる」ことは、私たちに深い癒しをもたらし、つながりと親密さを生みます。

もちろんそれは、愛おしいパートナーとの間でもそうでしょう。

あるいは、我が子を抱きしめる瞬間も、そうでしょう。

ビジネスバートナーと握手したときも、そうでしょう。

愛らしいペットを撫でるときも、そうなのでしょう。

ここでわざわざ書くこともないくらい、それは自明のことのように感じられます。

「ふれてみよう」

「手のぬくもりは希望を運んでくれます」

今日の引用文の言葉は、どれもとても素敵ですよね。

3.自分自身にも、ふれてみよう

「ふれる」ことの偉大さ、大切さ、尊さ。

「ふれる」ことがもたらす、つながりと親密感、ぬくもり、あたたかさ、そして深い癒し。

何度でも、それは思い返してもいいものだと思います。

そして、それは大切な人に対してそうであるとともに、自分自身に対してもまた、同じように感じます。

できれば、お風呂の時間や寝る前など、リラックスした時間に。

自分の身体に、手でふれてみること。

まぶたに、髪の毛に、頬に、首筋に、胸に、お腹に、足に。

ゆっくりと、手でふれてみること。

そこで、手のひらに、どんなことを感じるでしょうか。

ぬくもりでしょうか。

それとも、何か違う感情でしょうか。

どんな感じであっても、何を感じても、どうかそのままに。

ただただ、静かに手を当てること。

静かに、その時間を持つこと。

そしてできれば、胸にふれながら、自分自身にこんな声をかけてみてはいかがでしょうか。

 

きょうも、おつかれさま。

よく、がんばったよね。

さびしくなかったかな。

がまんしてなかったかな。

だいじょうぶだよ。

あなたでいてくれて、ありがとう。

きょうも、おつかれさま。

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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