相手からほしいと思っているものは、実は自分の方が与えることを求められているものです。
一見すると、常識とは相反する考え方ですが、心の世界では真理のようです。
そしてそれは、かけがえのない「才能」のありかを教えてくれます。
名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。
1.あなたの人間関係に欠けているものは、あなたが与えたくないと思っているもの
あなたが人との関係に望むものは何ですか。
ロマンスですか。
愛ですか。
それとも豊かさでしょうか。
では、何を待っているのでしょう。
たぶんあなたは、パートナーが二人の関係に、「何か」をもってきてくれるのを期待しているのかもしれません。
もし、その関係に何が必要なのかをあなたがわかっていて、それをほしいと思っているのなら、それを与えることが求められているのは明らかにあなたです。
ですから、不満に思うのはやめて与えはじめましょう。
さまざまな人々から、さまざまな才能という贈り物が関係に対してもたらされます。
そうした関係に望むものを、できるかぎり創造的なかたちで与えてください。
創造性はよろこびに変わり、あなたは楽しみ、自分を開き、与え受けとりながら自分自身を知り、自信も高まっていきます。
思い出してほしいのですが、それは単にほしいものを物理的に与えることではありません。
たとえばセックスがいい例です。
セックスをもっとすばらしいものにするためには、あなたのセクシュアルなエネルギーをもっと与えることです。
パートナーがセックスを求めないのは、あなたが性的に相手から引きこもっているところを反映しているのかもしれません。
より高いセクシュアルなエネルギーのレベルに移行し、そこからパートナーに新しい息吹を送りこんであげましょう。
「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.152
2.ほしいものを、与えよう?
今日のテーマは、「才能」でしょうか。
「与える」でもいいかと思いますが、同じ意味なのでしょう。
「気づいた人が、リーダーシップを取るんですよ」
かつて、私がカウンセリングを受けたときに、あるカウンセラーの方に仰っていただいた言葉があります。
人間関係に悩み、相談したときのことです。
あれが無い、これが無い、あの人が変わらない、この人は…というような、不満を聞いていただきました。
そのカウンセラーの方は、静かに話を聞いてくださったあとで、こう仰いました。
「では、大嵜さんの方から、与えてみましょう」
そう言われても、ふつふつと自分の心の中に、不満がわいてきます。
私の方が与えてほしいのに…
私は何にも悪くないのに…
なぜ…ほんと、理不尽…
そんな私の心を見透かしたように、その方は仰いました。
「理不尽ですよねぇ、ほんと。でもね、心の世界では、気づいた人がリーダーシップを取るんですよ」
えぇ…?なにそれ…ほんと、理不尽…!
そう感じたことを、よく覚えています笑
もし、その関係に何が必要なのかをあなたがわかっていて、それをほしいと思っているのなら、それを与えることが求められているのは明らかにあなたです。
ですから、不満に思うのはやめて与えはじめましょう。
まさに今日の引用文の、その通りですね。
その記憶を、ありありと思い出しまおりました笑
ほしいと思っているものは、与えるもの
ほしいと思っているものほど、自分から与えないといけない。
それは、理不尽のように見えるかもしれません。
けれども、それはある意味で、とても理にかなっているとも言えます。
与えることと、受けとることは、同じ。
与えるということは、それと同じものを、受けとる、ということです。
プレゼントなんかを渡した相手が、ものすごく喜んでくれて、その相手以上に自分が幸せな気分になったこと、ありませんでしょうか。
誰かに手を差しのべたとき、相手がとても喜んでくれたのを見て、それ以上にうれしくなった経験は、ありませんでしょうか。
私たちは与えるとき、それと同じだけのものを受けとります。
与えることは、受けとること。
だからこそ、ほしいと思っているものは、与えることが求められるもの。
一見すると理不尽に見える、その金言は、真実のようです。
3.与えることは、才能のあらわれ
ほしいと思っているものに、あなたの才能は宿る
さて、ここまで見てきたところで、「才能」のお話に戻ります。
誰かに与えることができるものを、「才能」と呼びます。
思い出してほしいのですが、それは単にほしいものを物理的に与えることではありません。
その与えるものは、物質的なものだとは限りません。
相手の心を癒す、笑顔。
魂をふるわせるような、情熱。
一つにとろけるような、セックス。
心の底からの、祈り。
大樹の下にいるような、やすらぎ。
私たちは、実にさまざまなものを、人に与えることができます。
あなたがほしいと思っているものは、あなたが相手に与えることが求めらるもの。
それを与えるときに、あなたは同時に受けとるのだから。
もし、そうであるならば。
あなたがほしいと思っているものは、あなたの揺るぎない「才能」をあらわしているとも言えます。
「問題や悩みの陰に、才能あり」とは、よく言ったものです。
ほしいからこそ。
与えようとしますし、どうやって与えようか、全身全霊で考えるわけです。
そんなふうに、「才能」を見ることができたなら。
ほしいのに、足りない、という悩みも、少し違って見えるのではないでしょうか。
ほしいものは、与えることが求めらえるもの。
そして、与えられるもの。
だからこそ。
ほしいものは、あなたの「才能」を、正確に指示しているのでしょう。
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