大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

あなたの大切な人は、どんな愛し方をする人でしょうか?

百人いれば、百通りの「愛し方」があります。

自分の大切な人は、どんな愛し方をする人だろう?そして、なぜ、その愛し方をするのだろう?

それを考えることは、大切な人を理解し、関係性を深めてくれます。

名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。

1.その人がどう与えてくれるのかを見れば、どう与えてほしい人なのかがわかる

人はよく、自分がしてほしいと思うことを、他人に贈り物として与えるものだということに気づいたことはありませんか。

いちばん身近な人が、どんなかたちであれ、あなたに贈り物を与えてくれるとき、その人が何を与え、どのように援助してくれるのかに注目しましょう。

その人は自分もそうしたかたちで与えられることを望んでいるのです。

パートナーを注意深く観察していれば、その人が本当に愛されていると感じられるような方法で、与えてあげることができるのです。

 

たとえば、パートナーがいつもあなたに「愛してる」と伝えてくるのなら、あなたも相手にそう言ってあげればよいのです。

また、いつもあなたのために何かをすることで援助してくれるのなら、あなたも同じように相手に与えてあげましょう。

あるいは、よくあなたにふれてくるのなら、その人が本当に望んでいるのはふれてもらうことなのです。

 

「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.159

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2.十人十色の「愛し方」

今日は、「愛し方」についてでしょうか。

誰かとの関係性をよくするために、非常に有効なレッスンでもあります。

自分と相手が喜ぶ「愛し方」は、同じか?

私たちは、自分がそうされたときに嬉しいと感じる方法で、相手にも与えようとします。

引用文にある通りですね。

「愛してる」と言われると喜びを感じる方は、パートナーに対しても「愛してる」という言葉を与えます。

触れられることで愛情を感じる方は、スキンシップをとても大切にします。

これを相手の視線に置き換えて、考えることもできます。

すなわち、自分に対して、相手がしてくれる愛し方は、相手が最も喜ぶ愛し方である、と。

これは単純なのですが、とてもわかりやすく強力な真理です。

そして、よく忘れがちなことでもあります。

相手を想うのであれば、「相手が喜ぶことをしてあげる/与えてあげる」ことが一番なはずです。

それなのに、往々にして私たちは、「自分が喜ぶことをしてあげる/与えてあげる」ことをしがちです。

もちろん、それが相手の喜びと一致しているときもありますが、ズレているときにすれ違いが起きてしまうのですよね。

風邪を引いたとき、どうしてほしい?

たとえば、パートナーが風邪を引いて、寝込んでしまったとします。

そうしたときに、私たちは自分がされると嬉しい方法を、してあげようとします。

「たくさん水分を摂って、安静にしていることが一番」

と思う人は、スポーツ飲料を買ってきて、「はいどうぞ、ゆっくりしててね」と渡す方法で、愛してあげるのかもしれません。

ゆっくりしてもらうのに、誰かがいたら落ち着かないだろうから、と思っているかもしれません。

しかし、その相手の方が、

「体調を崩したときは、心細いから一緒にいてあげたい。食欲が出てきたら、おかゆなんか、作ってあげたい」

と思っていたら、その愛し方は、どう感じるでしょうか。

「こんなにしんどいのに、相手にしてくれない」

と感じて、愛されていない、と感じるかもしれません。

せっかく、お互いがお互いのことを想っているのに、すれ違ってしまう

それは、悲しいことですよね。

 

もちろんこれは、単純化しすぎた極端な例かもしれません。

けれども、いたるところで、似たようなことは見かけるのでは、ないでしょうか。

これは、パートナーシップに限らず、上司と部下、友だちとの関係、親子関係など、あらゆる関係において、起こることです。

3.大切な人の愛し方を考える、ということ

あなたの大切な人は、どんな愛し方をする人ですか?

そうした、愛し方のすれ違い。

お互いが、お互いを想う気持ちはあるのに、それがすれ違ってしまう。

それは、お互いにとって悲劇です。

それを避けるためにも、次のことを少し考えてみることは、私たちの愛を深めてくれます。

「あなたの大切な人は、どんな愛し方をする人でしょうか?」

ともすれば私たちは、自分の愛し方以外の方法では、愛されていると思わないものです。

先ほどの例でいえば、「一緒にいてくれて、おかゆをつくってくれる」以外の愛し方は、認めない!というわけですよね。

それは、多くの愛を取りこぼしてしまうかもしれません。

せっかく、世界にはたくさんの愛があふれているのに、「これは愛ではない」と認定して、拒否してしまう。

「あの人は、どんな愛し方をする人だろう?」

この問いを考えることは、そうした「愛の取りこぼし」を減らしてくれます。

できれば、パートナーに限らず、両親や家族といった方に対しても、考えてみてはいかがでしょうか。

お母さんは、どういう愛し方をする人なんだろう?

お父さんの愛し方って、どんな愛し方だろう?

どうして、その愛し方をすると思いますか?

そうした問いを考えてみると、いろんな愛し方が見えてくると思います。

「愛してる」と伝える愛し方。

スキンシップや触れる、という愛し方。

何も言わずに見守る、という愛し方。

一生懸命働いてお金を稼いでくる、という愛し方。

考えれば考えるほどに、私たちの愛に対する概念が、広がっていきます。

さて、その上で、もう一つの問いを考えてみては、いかがでしょうか。

「どうして、その愛し方をすると思いますか?」

その問いは、大切な人のことへの理解を、深めてくれます。

愛し方とは、その人のアイデンティティの根幹にかかわる部分であり、とても大切で、とてもやわらかな部分です。

それを理解してくれる人を、ないがしろにしたいと思うでしょうか。

決して、そうではないと思います。

 

「あなたの大切な人は、どんな愛し方をするひとでしょうか?」

「どうして、その愛し方をするのでしょうか?」

二つの問いを考えることは、私たちのなかの「愛する」という概念を広げてくるとともに、生きることに厚みと深みを与えてくれます。

ぜひ、一度考えてみては、いかがでしょうか。

ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。

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