大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

喉元にトゲが刺さったライオンに近づくためには、自分を信頼することが求められる。

攻撃とは、助けを求める声である、というテーマです。

攻撃をしてくる相手は、いわば喉元にトゲが刺さったライオンのような状態なのかもしれません。

そのトゲを抜こうと近づくためには、自分を信頼することが求められます。

名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。

1.攻撃とは助けを求める声である

攻撃されると、つい心理的に防衛の壁を築き、逃げだしたり反撃したりしたくなります。

しかし、あなたが「攻撃とは助けを求める声である」ということを認識していたら、心を開いたままでそれに反応し、その人に近づいていくことができます。

するとその人はあなたの最大の援助者のひとりになることでしょう。

 

攻撃している人に近づいていくには、自分を信頼する感覚があってはじめてできることです。

人がだれかを攻撃するときは、その人にとっていちばんつらいときのひとつなのです。

あなたが攻撃されている最中にも相手に愛を降りそそぎつづけたのなら、次に、その人といっしょになったときに、二人がともに前に進んだことがわかるでしょう。

そして、あなたを攻撃していた人はあなたとの絆やつながりを感じることでしょう。

 

攻撃するときは恐怖にとらわれているので、相手が自分に近づいてくるとは予想もしていません。

ですから、たとえ状況が何も変わらなかったとしても、攻撃した人は愛を感じるのです。

攻撃は、あなたを攻撃する人との絆を築くための完璧な機会なのです。

 

「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.197

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2.「まずは自分から」

今日のテーマは、昨日のテーマと似通っています。

というか、ほとんどそのままですね笑

人間関係における、尊いリーダーシップのあり方についてです。

喉元にトゲが刺さったライオン

パートナーや親しい関係の人に対して怒ったり、不機嫌な態度を取ったり、攻撃的な言動を取ったりしてしまうこと。

誰しもが、パートナーや家族のような親しい人に、そんなことをしたくはないと思います。

心からの喜びで、そんなことをする人は、まずいないと思います。

私自身を振り返っても、そんなことをしてしまうのは、とても余裕がなく、自分自身のことでいっぱいいっぱいだったように思います。

誰もが、自ら進んで他人を傷つけたいとは、思わないわけです。

つらくて、痛くて、寂しくて、悲しくて。

そうせざるをえない、状態。

それは言ってみれば、喉元にトゲが刺さったライオンのような状態なのかもしれません。

とても痛くて痛くて、たまらない。
どうしたらいいのか、わからない。
この痛みがどうにもならなくて、考えることもできない。
誰か、助けてほしい。
できることといったら、ほえることくらいしかない。

誰かに攻撃してしまう状態とは、そんなライオンの状態に似ているのかもしれません。

人がだれかを攻撃するときは、その人にとっていちばんつらいときのひとつなのです。

引用文の一文は、深い含蓄があります。

自分、自分、自分。まずは、自分のことから

攻撃してくる人は、喉元にトゲが刺さったライオンのよう。

それが分かったとしても、安易にそのトゲを抜きにいくことは、怖いものです。

引用文のなかに、この一文があります。

攻撃している人に近づいていくには、自分を信頼する感覚があってはじめてできることです。

そうなんです。

トゲを抜きにいくためには、自分自身を信頼できていないといけない。

どれだけ暴れても、「大丈夫だよ」と、その一言を伝えられるほどの、信頼。

それはやはり、自分への信頼と、同じことなのでしょう。

 

私がカウンセリングを学んだ根本裕幸師匠は、心理学における考え方の中で、「投影」と「許し」の重要性について、よく説かれておられました。

その「許し」とは、自分自身の感情を解放することから、はじまります。

そして、「もし自分が相手の立場だったら、同じことをしていたかもしれない」といった共感に

そのできごとの善悪を判断するより、相手を許し、愛することを選ぶこと。

誰かを許すことは、自分自身を許すことでもあります。

「許し」とは癒しでもあり、その過程は螺旋階段のように、生きていく中でずっと続いていくものです。

この「許し」において、私が大切だと思うことが、二つあります。

一つ目は、「許しとは、自分自身のためにするもの」ということ。

そしてもう一つは、「まずは自分自身と向き合うことが、その一歩目である」ということです。

 

どんな問題を考えるときも、同じです。

まずは、自分自身と向き合うことから

相手の言動に、何がしかの怖れや痛みを感じるとき。

それは、自分のなかの傷が反応していたり、自分のなかの闇を投影している場合があります。

向き合うのは、相手の問題や傷ではなく、自分自身のそれです。

愛情深い人ほど、傷ついたライオンに手を差し伸べたくなるんですけどね笑

自分の傷を癒し、自分と向き合い、自分の闇を許すほどに、相手のそれもまた、同じように癒され、許すことができるようになる。

まずは、自分から。

大原則の一つです。

3.攻撃してくる人が、人生最大の支援者になる

そうかもしれない、と推し量ることから

今日のテーマは、人間関係におけるリーダーシップの、最も尊いかたちの一つだと感じます。

とても大切なことが、ぜーんぶ入っている気がします。

それだけに、いざ自分ごととして実践しようとすると、超絶難しいと思います。

だって…ねぇ。なかなか、攻撃をしてくる人に、愛を差し向けるなんて、できないものです。

にんげんだもの笑

けれど、どうして攻撃をしてくるのか、それを推し量ることは、できるかもしれません。

あぁ、この人は傷ついているのかも。

助けを求めているのかもしれない。

そういう振る舞いを、せざるを得ないのは、なんでなんだろう。

正誤善悪の判断を脇に置いて、それを考えることは、「許し」への一歩目です。

「許し」とは、偉大な「癒し」をもたらしてくれます。

「許し」とは、相手のためというよりも、自分自身に莫大な恩恵を与えてくれるものです

するとその人はあなたの最大の援助者のひとりになることでしょう。

 

この記事を読んでいるあなたは、人間関係のリーダーシップを取れる方だと思います。

そうでなければ、この長いブログを、ここまで読まないでしょうから笑

もちろん、そこに至るまでには、時間がかかるかもしれません。

けれども、必ずそれは伝わります。

ですから、たとえ状況が何も変わらなかったとしても、攻撃した人は愛を感じるのです。

引用文の言葉の通りだと思います。

今日も、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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