大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「嫉妬」から見る自分自身の価値や魅力と、その先にあるビジョン。

「嫉妬」を感じるのは、誰かに対して「負けた」と感じるときです。

しかし、その「嫉妬」の感情と向き合うことで、自分自身の価値や魅力、あるいはビジョンを見ることもできます。

名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。

1.嫉妬は自分自身への復讐

「嫉妬」というものは、自分の幸福をだれかほかの人の行動によって決定づけてしまうことです。

そこではたしかに痛みが起こるのも当然です。

 

嫉妬はもっとも不快な感情のひとつです。

依存心、怒り、その人を手に入れたくてたまらない気持ち、失うのがこわい、傷ついた、拒絶された、自分には受けとる資格がない、自分には価値がないなどという思いがごっちゃに混ざりあったものです。

これだけで人が自立を決意するのに十分な理由になります。

 

嫉妬はまた情緒的な脅迫でもあります。

相手が自分の気持ちに気づいていようがいまいが、嫉妬という自分の不快な感情を使って人を思いどおりにコントロールしようとするのです。

でも、嫉妬が起こるのは、だれかをめぐる競争で自分の「負け」を感じたときだけです。

事実、すべての競争は「負け」を前提に成り立っています。

 

こうした嫉妬から自分自身を解き放つには、ほかの人の行動を基準にして、自分自身の価値をはかるのをやめることです。

その人は本人の必要性と強迫観念によって、そうした行動をとっているのかもしれないのですから。

 

「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.200

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2.比較・競争と「嫉妬」の関係

昨日に続いて、「嫉妬」がテーマです。

今日はまた少し違った「嫉妬」の見方をお伝えできれば、と思います。

負けたと感じたときに「嫉妬」を覚える

誰かに対して「負けた」と感じたときに、人は「嫉妬」の感情を覚えます。

嫉妬が起こるのは、だれかをめぐる競争で自分の「負け」を感じたときだけです。

引用文にも、こうありますね。

「嫉妬」の心理のなかで、非常に重要だと思われる視点です。

自分の外側に、何らかの基準を置いてしまったときに、現れる心理が「比較」であり「競争」です。

「比較と競争の罠」などと呼ばれたりもします。

健全な「比較」や「競争」、というものも、もちろんあります。

彼我の差を、これからのモチベーションにできるようであれば、健全なのでしょう。

しかし、不健全な?「比較」や「競争」は、それとは違って、出発点が自己否定の場合が多いようです。

これが「嫉妬」を引き起こすんですよね。

逆説的なのですが、そうした「比較」や「競争」は、いわば「負けるために」しているともいえます。

いまの自分を否定するために、負けるために、「比較」や「競争」をしてしまう

それが、「嫉妬」を引き起こすようです。

3.自分の中に無いものは見えないし、「嫉妬」もしない

外の世界に見る魅力や才能は、すべて自分にあるもの

さて、そうした「嫉妬」の心理で、もう一つ大切な見方があります。

それは、「人は自分の中に無いものには、嫉妬しない」という真理です。

私たちは、自分の中にあるものを、外の世界に映し出します。

投影、とよばれるものですね。

だから、もしあなたが、誰かに何がしかの魅力やすばらしさを感じるのならば、それはすべて、あなたの中にあるわけです。

「あの人は、人を惹きつける魅力があるよね」とあなたが言うとき、必ずその魅力があなたの中にあります。

「ほんとに、ここはやさしい人が多いんだよね」と思うのは、やさしさを知っている人です。

外の世界に見る魅力や才能は、すべて自分の中にあるもの

ついつい忘れがちになるけれど、大切な見方です。

「嫉妬」するのは、それを自分が受け入れていないから

さて、そうした外の世界に見る魅力や才能に、「嫉妬」してしまうのは、それらを自分自身が受け入れていないときです。

「自分もそうなりたい」という自分の内なる想いを、自分が否定してしまっているときです。

そうだとするなら、まずは「素直さ」というのが、「嫉妬」と付き合う大切な要素になるのでしょう。

え?そんなもの、どっかに忘れてきてしまった…?

あぁ、私とおんなじですね笑

なかなか、素直になるのは難しいものですよね、ほんと。

けれど、大丈夫です。

その「素直さ」を取り戻して、「嫉妬」をゆるめるための質問を、いくつかお伝えしたいと思います。

「嫉妬」から、その先にあるビジョンを見る質問です。

一緒に考えていただけると、うれしいです。

「嫉妬」からビジョンを見る質問

まずは、一つめの質問です。

『あなたが、「嫉妬」してしまうような人は、誰でしょうか?』

少し、思い浮かべてみてくださいね。

仕事で嫉妬してしまう人、友人関係、家族、趣味のつながり…いろんな場面で嫉妬してしまう人は、いますよねぇ…

さて、誰が思い浮かびましたでしょうか。

 

次の質問です。

『その人のどんな価値や魅力に、「嫉妬」していますか?』

人は「嫉妬」するとき、その人そのものに「嫉妬」するのではありません。

その人が持っている要素に、価値を感じて「嫉妬」します。

さて、どんな要素に、「嫉妬」しているのでしょうか。

 

次は、質問ではなくて、「宣言」です。

『その価値や魅力は、わたしの中にもあります』

そう、宣言してください。

できれば、上に見つけた具体的な要素とあわせて、声に出してもらえると、とても効果的です。

私も、やってみますね。

「私も、たくさんの人と、ありがたい縁に囲まれています」
「私も、人の心に深く響く言葉を、書いています」
「私にも、人を惹きつける魅力があります」

…いやぁ、恥ずかしいですね(照)

それにしても、なぜ恥ずかしいとき、人は真顔になるんでしょうね…

それはともかく、繰り返し、口に出していくと、少し違った感じがしてきます。

 

最後に、もう一度、質問です。

『その価値や魅力があるとしたら、あなたはどんなことできると思いますか?』

最初に「何ができる?」と聞かれても、「んん?何だろう…?」となってしまいます。

けれども、自分のなかにある魅力や価値、才能といった要素が、おぼろげながらでも見えると、全然違ってくると思います。

その価値や魅力を使って、できること。

その才能を、世界に与えること、その表現方法。

ぼんやりとしているかもしれません。

砂をつかむように感じられるかもしれません。

けれども、その先にあるのが、あなたのほんとうにしたいことかもしれません。

ビジョン、ライフワーク、お役目、あるいは、使命。

そんな言葉が示すものと、大きくは離れていないと思います。

ぜひ、少し考えてみてはいかがでしょうか。

 

「嫉妬」から、少し話が大きくなりましたが、参考にしていただけましたら幸いです。

今日もここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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私の書評も、あわせてご参考にしてください↓

書評:根本裕幸さん著「つい他人と比べてしまうあなたが嫉妬心とうまく付き合う本」に寄せて