大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

自分で自分を認めているほどに、人からの承認を受けとれる。

自分で自分を認め、大切にするほどに、周りからも認められ、大切にされます。

そのことを「投影」の視点からお伝えするとともに、自分を大切にするためのヒントをお伝えします。

名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。

1.自分を認めているほど、人からの承認を受け取れる

人はあなたが自分自身をどのように経験しているのかを、鏡となって映しだしてくれます。

これはあなたがどれだけ自分を認めているかについてもいえることです。

 

あなたが自分の価値を認めていなければ、どれだけほかの人から認められているか、気づくことはできません。

人からの承認というものも、じつは自己承認なのです。

 

「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.212

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2.自分自身をどう扱うか、という難問

今日のテーマは心理学というよりも、人生訓のように聞こえるかもしれません。

自分自身を大切にするほどに、周りからも大切にされる。

そのことについて、お伝えしたいと思います。

自分への接し方が、周りからの接し方

「自分自身を認めているほどに、人からの承認を受けとれる」

この今日のテーマは、よく目にするテーマです。

違う言い方だと、
「自分自身をどう扱っているかによって、他の人や社会からどう扱われるのかが決まる」
「自分が自分自身に接するように、他人が自分自身に接してくれる」
という表現もありますよね。

単純だけれども、深い真実だと思います。

けれど、心理学を学びはじめたころの私にとっては、まあまあ衝撃的なテーマでした。

だって、自分が自分に対して、どう接しているかなんて、考えたこともなかったですから。

「自分が自分をどう扱う…?扱い方なんて、人によって違うの???」

という感じでしたから笑

しかし、よくよく振り返ってみると、
他人に対して言ったら、名誉棄損や侮辱罪になりそうなことを自分には思っていたり、
限界を超えているのに、「まだ足りない」と鞭打って頑張らせようとしていたり、
そんなことをしていることに、気づくわけです。

あぁ、こんなにもひどいことを、自分に対して言ってきたんだな。

とてもひどい扱いを、自分にしてきたんだな、と。

まあ気づいても、すぐにやめることは難しいですから、いまでもやってしまいますけれどね。

慣れ親しんだ我が家を移り住むのは、難しいことと似ているのかもしれません。

その扱い方を、まわりに「投影」する

さて、そうしたひどい扱い方を、自分に対してしていると、私たちはそれを自分の外の世界に映し出します。

心理学の基本中の基本、「投影」とよばれる心のはたらきですね。

自分の心のなかにあるものを、外の世界に映し出すのが、「投影」の法則です

自分に対してひどい扱いをしていると、必然的に外の世界にもそれを映し出します。

映しだす、というと勝手に現れるような感じがするかもしれませんので、少し別の表現でお伝えしてみましょうか。

たとえば、自分に対して厳しいことを言ってくる人と、自分のことを承認したり称賛したりしてくれる人とがいたとします。

そうしたときに、自分に対して厳しい扱いが日常的になっていると、やはり厳しいことを言ってくる人の方に、心が向いてしまいます。

反対に、あまりにかけ離れた、自分への承認とか、称賛とかには、「そんなもの、あるはずない」と、目線をそらしてしまうわけです。

私たちが、世界をあるがままに見ることは難しく、何らかのフィルターをかけて見ています。

そのフィルターこそが、自分をどう扱っているか、というものなのでしょう。

引用文にある、「自分を認めた分だけ受け取れる」とは、そのように考えることができます。

 

それにしても、因果なものですよね。

自分に対して厳しくしてしまうのって、「これだけやったから、私のことを認めてよ」という想いが、少なからず心のなかにあるわけです。

けれども、自分自身に厳しくしてしまっているから、たとえ周りからの承認や称賛があったとしても、それを受けとれない。

周りからしても、しんどいですよね。

それだけ頑張っている人に、手を差しのべても、受けとってくれないわけですから。

自分への扱いが不当に厳しいのは、自分だけではなく、周りの人をも悲しませるようです。

はい、超絶受けとり下手の私が、実体験をこめて、書いております笑

承認や称賛がほしいのに、がんばればがんばるほどに、それが遠ざかっていく…しんどいものですよね、それは泣

3.自分の扱い方と、感情の関係について

自分なりの認め方の研究を

「自分を認めているほどに、人からの承認を受けとれる」

「自分自身をどう扱っているかで、周りからどう扱われるかが決まる」

そのことについて、ここまでお伝えしてきました。

さて、その上で。

「自分を認める、自分を大切に扱う」ためには、具体的にどんなことをすればいいのでしょうか。

これには、いろんな具体的な方法があるかと思います。

そして、その人その人に合った方法が、あると思いますので、ぜひぜひ「自分の認め方・大切に扱う方法」研究をしていただければと思います。

あぁ、こんなことをすると、自分は大切にされていると感じられるんだな、とか。

こんな言葉をかけると、自分は自分のことを認められるんだな、とか。

大切なのは「認められてるな」、「大切にされているな」と「自分が」感じられるかどうかです

そして、それはその瞬間、瞬間で変わっていくものだと思います。

 

以前に、私が自分を大切にしてるなーと、感じられたことがあります。

いつもの朝、いつもの道に、喫茶店があるのですよね。

ある朝、そこを通りかかったとき、ふと「苦いコーヒーが飲みたいな」と感じたんですよね。

「でも、朝はバタバタするし、時間もないし」と、グダグダ迷うわけです。

それでも、「苦いコーヒー」と思って、その喫茶店に入りました。

一杯のコーヒーとともに、とても満たされた時間でした。

あぁ、自分のことを大切にできたな、と感じた瞬間でした。

一つの方法は、自分の感情を大切にすること

さて、無理やりに、まとめようとするならば。

自分自身を認める・大切にするための一つの方法は、自分の感情を否定せず、大切にしてあげる、ということかもしれません。

方法というよりも、大原則といえるかもしれません。

それは、楽しい、嬉しいといった、ポジティブな感情だけではなく。

悲しい、寂しい、嫉妬する、怒りなどのネガティブなものも、否定せずに認めてあげること。

そうだよね。
頑張ってきたよね。
悲しかったでしょう。
よく我慢したよね。
大丈夫だよ。

そうして自分の感情に寄り添ってあげることが、自分を認め、大切に扱うための一歩目だと思うのです。

そういった意味では、「いま、自分は何を感じているのだろう」と内省することは、自分を大切にすることといえるのでしょう。

 

周りからどう扱われるかは、自分が自分自身をどう扱っているかによる。

自分を認め、大切にするほどに、周りから認められ、大切にされる。

そして、自分を大切にするとは、自分の感情を否定せず、それに寄り添うこと。

今日は、そんなことをお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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