大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

問題の原因がわかったとして、それを理由に自分を責めることなかれ。

自分の心の癖が見えてくると、抱えている問題の原因がわかったりします。

ただ、原因がわかったとしても、それを理由に自分を責める必要はまったくないのです。

1.それでも与えようとした自分を、否定しなくていい

先日の記事では、それでも与えようとした自分を、否定しなくていい、というテーマでお伝えしました。

それでも与えようとした自分を、否定しなくてもいい。 - 大嵜直人のブログ

関係性の順番、というお話からの流れでした。

ある相手との関係性を考えたり、よくしたりしようとするとき、私たちはその関係性そのものに目が向いてしまいがちです。

しかし、いきなりその関係性自体を考えるよりも、順番があります。

まず「わたし」、次に「あなた」。

そしてその次に、「わたしたち」という関係性に目を向ける、という順番です。

何はなくとも、まずは自分自身なんですよね。

自分がどうしたいか。

自分がどう感じたのか。

そうしたことに、まずフォーカスすることが、大切なんですよね。

それをないがしろにしたまま、相手のことを考えたり、どうにかしようとすると、余計にこんがらがったりしてしまうんです。

だから、「まず自分」というのが、原則です。

その上でなのですが、もしその原則を守れなかったとしても、それで自分を責めたりする必要はまったくない、というのが昨日のテーマでした。

むしろ、自分のことを差し置いてまで、相手のことを考えようとしたことの価値を、認めてあげることの方が、大切なんですよね。

2.問題に原因があったとして、それが悪いわけじゃない

この視点は、カウンセリングのなかでも、とても大切な点です。

私たちが、心に何がしかのしんどさや辛さを感じると、その原因を探そうとします。

身体でも、同じですよね。

お腹が痛かったり、腰が痛かったりしたら、なぜだろうと原因を探そうとしますよね。

そこで、冷たいものを飲み過ぎてお腹を壊していたり、ずっとデスクワークで姿勢が悪くなっていたりといった原因がわかったりします。

心の場合でも、自分が感じるしんどさというのものの原因を、探していくことがあります。

それは、目の前のパートナーとの関係の問題が、実は母親との癒着に原因があったり。

あるいは、いつも犠牲をしてしまうパターンにあったり。

いろんな原因が、見つかることも、あるのでしょう。

ただ、そうした原因があったとして、それで自分を責めなくてもいいのです。

「癒着してしまうからダメだ」とか、そんなことを思わなくてもいいんです。

むしろ、それは問題の原因を使って、自分をいじめてしまっているのかもしれません。

何がしかの問題があったとして、それが悪いわけでは、まったくありません。

3.ただ、そうせざるを得なかっただけ

問題の原因がわかったとして、それで自分を責めなくてもいいんです。

たとえば、腰痛の原因が姿勢の悪さからくるものだったとして、それはそれだけデスクワークを長い時間しなくてはならなかったとか、そういった要因があるはずです。

しかし、たとえそれがわかったとしても、「それまでの自分がいけなかった…」と責めなくてもいいですよね。

「あぁ、そうなのか」ととらえることができれば、それで終わりです。

これが、心の問題になると、とかく私たちは自分を責めてしまいがちになるようです。

「親との癒着が原因」

「いつも犠牲しすぎ」

「ずっと家族に対して罪悪感を持っている」

…とか、そういったことが分かると、それを理由にして自分を責めたくなってしまう。

けれど、その必要は全くないんですよね。

先ほどの腰痛の例えでいえば、「いやぁ、ここのところ忙しかったからなぁ」と、そうせざるを得なかっただけなのでしょう。

心の問題だって、同じです。

癒着するにしても、犠牲するにしても、自分を抑圧してしまうにしても。

結局のところ、そうせざるを得なかっただけなのでしょう。

もっといえば、そうしないと、いままで生きてこられなかった、とも言えるかもしれません。

それに対して、責めたり、ダメだししたり、否定する必要なんて、何もないわけです。

ただ、「そうだったんだね。よくがんばってきたよね」で、いいんだと思うのです。

問題の原因がわかったとして、それで自分を責める必要なんて、まったく無いのです。

今日は、問題の原因がわかったとて、それで自分を責める必要はまったくない、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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