時候は「霜降」に入りました。
その字の通り、朝晩の冷え込みによって霜が降りるとされるころです。
私の住んでいる名古屋では、まだ霜は見られませんが、山間部や北国では、霜が見られるようになる季節ですね。
冬が近づいていることを、実感する季節でもあります。
七十二候でも、「霜始降(しもはじめてふる)」。
霜がはじめて降りるころ、というそのままの時候の名前ですね。
氷の結晶である霜ですが、昔は空から降ってくると考えられていたので、「降る」の漢字が当てられているのですよね。
たしかに、霜がある風景は、「降りる」と表現するのが、適当なように感じます。
昔の人の感性というのは、ほんとうに美しいですよね。
そういえば、先週はニュースで北海道で初雪の予報が出ていると聞きましたが、ついこの間まで、猛暑猛暑と言っていたはずなのに、季節の移ろいは早いものです。
名古屋では霜はまだ早いですが、それでも、朝晩の気温はずいぶんと下がってきました。
そして、気温よりも秋の深まりを感じさせてくれるのが、昼間が短くなってきたことでしょうか。
「あれ、もうこんなに暗いの?」と感じるほどに、夕方の時間はすぐに暗くなります。
これから冬至に向けて、まだまだ昼間の時間は短くなっていきます。
夜の時間が、長くなる。
下がりゆく気温とともに、その変化は人に内省を促すようでもあります。
明るい昼間の時間が少なくなる分、意識が内に向きやすくなるのでしょうか。
それとも、うだるような暑さが過ぎ去って、寒さを感じるようになると、そうなるのでしょうか。
いずれにしても。
秋の夜長は、人に内省を促してくれるようです。
内省、といっても、そんなに難しく考えることもありませんし、また自分を責めたりする必要もないのでしょう。
ただただ、これまでよくやってきたね、とねぎらう時間にできれば、それに越したことはありません。
夏の暑さが異常なほどになってきている昨今、その夏を越したことだけでも、ねぎらってあげていいのだと思います。
よくやってきたよね。
おつかれさま。
がんばってきたよね。
そんな言葉を、秋の夜長に自分自身にかけてみてはいかがでしょうか。
さて、気温もずいぶんと下がってきました。
風邪など召されませんよう、どうぞご自愛くださいませ。