「手放し」を進めていくときに大切なのが、感情を感じつくすことです。
感情を感じつくしていくと、ほのかに安心できる場所にたどり着くことができます。
1.好きなまま、距離を空ける「手放し」
昨日は、「好きなまま距離を空ける」ことの難しさ、というテーマでお伝えしました。
「手放し」のお話の流れからでしたね。
カウンセリングの中で伺うお話には、執着に関することが多いものです。
「別れた恋人を忘れられない」というメジャーなものから、「過去の自分の成功に執着してしまう」といったものも、ありますよね。
何かに執着しているとき、私たちは不自由さを感じます。
それは、そうですよね。
ずーっと何かを両手で握りしめていたら、新しいものはつかめないですし、生活も不自由です。
執着しているとき、私たちには選択肢がなく、不自由に感じます。
こうした執着を癒してくれるのが、「手放し」です。
それは、執着している対象に、好きなまま距離を空けるというイメージです。
握りしめた手を、そっと開いていくような、そんなイメージでもあります。
鍵になるのは、感情を感じつくすことです。
執着しているとき、私たちのなかにはいろんな感情が渦巻いています。
「私を見捨てないでほしい」という感情から、「なんでこっちばかり損するの!」というような怒りまで、さまざまな感情が入り組んでいるものです。
こうした感情を、ひとつずつ感じつくしていくと、その先には相手への純粋な想いが残ります。
「純粋な好き」とも表現できるかと思いますが、この状態で、相手と距離を空けていくことが「手放し」です。
2.感情はミルフィーユのよう
私たちの感情は、ミルフィーユのように層状になっています。
一つの感情を感じることができると、その下に隠れていた感情が出てきます。
これを、どこかで蓋をしてしまうと、その下にいる感情が未消化のままになってしまいます。
どうしたって、ネガティブな感情は感じたくないものです。
悲しみ、寂しさ、無力感、愛されない怖れ、無価値観…
そうした感情が出てくると、どうしても蓋をしがちになりますし、見ないふりをしたくなります。
けれども、こうした感情を感じることを止めてしまうと、それを留めておくことにエネルギーを持っていかれます。
噴火しようとしている火山を、必死に止めておくような、そんなエネルギーが必要になります。
このせめぎあいが長く続くと、くたくたに疲れ果ててしまい、無気力な状態になってしまうことすらあります。
どんな悲しみも、感じていくことで流れ、消えていきます。
もちろん、それで終わりではなく、その下にある感情が出てきます。
つながっている感覚や、よろこびのようなものができてきたり、あるいは、凍えるような寂しさが出てきたり。
それを繰り返していくと、ほっと安心できる場所にたどり着きます。
どこにもいかない、自分自身を感じられる場所といえるでしょうか。
3.安心できると、手放せる
もちろん、その場所にずっととどまることは、できません。
今日、とても安心できたとしても、明日にはまた不安や怖れが出てくるかもしれません。
天気が移ろうように、私たちの心もまた、日々変わっていきます。
ただ、その暖かな場所に触れることができると、安心できる居場所を得たような、そんな感覚を得ることができます。
少し表現が難しいのですが、自分のことを、自分自身が受け止めてくれる安心感、とでもいえるでしょうか。
いつでも、戻ってくればいい。
そんな安心感があればこそ、「手放し」ができます。
その相手に対して、穏やかな愛を差し向けることができるのです。
執着を手放していくとき大切なのは、感情を感じつくすことです。

今日は、感情を感じていくと、安心できる場所にたどり着く、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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