「執着」をやめるには、「手放し」がその処方箋になります。
そして「手放し」とは、その対象を好きなままに、距離を空けることで、自分自身に自由を与える心のはたらきです。
1.執着を手放すためには
昨日の記事では、「執着」を手放すためには、というテーマでお伝えしました。
執着を手放すためには、他の選択肢があることを認めることがまず一歩目。 - 大嵜直人のブログ
心理学の上での「執着」とは、自分以外の何かの対象に心がとらわれている状態を指します。
特徴的なのが、「選択肢が無い」という状態です。
「これしかだめ」、「彼しかいない」…などなど、一般的な「執着」のイメージと近いかと思います。
何かに「執着」していると、選択肢が無い。
すると、自分自身をないがしろにしてしまう場面が出てきます。
会社のため、彼女のため、受験のため…
そうした対象を優先するために、自分らしくない選択を重ねてしまうことも多くなります。
これが当たり前になると、しんどいんですよね。
ほんとは、今日は蕎麦くらいの軽めがいいんだけど、カツカレーしか選ぶものがなければ、しんどくなりますよね笑
「執着」とは、そんな選択肢が無い状態といえます。
これを逆からいえば、「執着」を手放していくためには、自分には選択肢が「ある」ことを認識することが、まずは第一歩といえます。
お蕎麦を選んでもいいし、うどんでもいい。
なんなら、お寿司のランチでも、イタリアンでもいい。
そんな選択肢が「ある」ことを認識するだけでも、「執着」を手放していくには大きな意味があります。
2.近づくほどに、視界は狭くなる
今日は、この「選択肢を持つ」ことについて、もう少し深堀してみたいと思います。
なぜ、「選択肢が無い」と感じるのか。
いろんな見方ができると思います。
自分にはこれしかない、と思い込みだったり、我慢する癖だったり、自己肯定感の低さから自分に豊かさを与えられないだったり。
そのどれもが正しいとは思いますが、こと「執着」で考えると、その対象との距離感が問題になってくるかと思います。
カメラとかの画角を考えると分かるのですが、対象と近づき過ぎると、その対象しか見えなくなります。
ドアップになりますもんね。
反対に、距離を置くほどに、いろんなものが画角に入るようになります。
その対象の人も入るし、風景も入るという感じです。
「執着」のイメージは、この「ドアップ」の状態なんですよね。
距離を近づき過ぎると、その対象しか見えなくなる。
選択肢が、それしかないように見えてしまうんです。
これが、「執着」していると選択肢がなくなる理由であり、だからこそ「執着は手放しましょう」となるわけです。
3.好きなまま、距離を空けること
「執着」の処方箋は、手放すこと。
そして「手放す」とは、先ほどのイメージの通り、その対象と距離を空けるようなものです。
そうすることで、視野が広がり、いろんな選択肢が見えるようになるわけです。
ここで注意したいのは、距離を空けるといっても、「嫌う」とかいったネガティブな意味ではないんですよね。
「手放す」とは、その対象へのポジティブな気持ちを持ったまま、距離を少し空ける、そんなイメージです。
好きな気持ちや、その相手を思い遣る気持ち、慕う気持ちは、変わらないんですよね。
その気持ちを抱えたまま、距離だけを空ける。
距離を空けることで、いろんな選択肢が見えるようになりますし、なによりも自分に自由を与えることができます。
もう一度、その対象を選び直してもいいですし、手を差し出すこともできますし、そこで相手を待つこともできます。
そのどれもが自由であり、それを選ぶのは自分自身です。
この自由を与えるというのが、「手放し」の大きな恩恵の一つです。
なんとなく、イメージできるでしょうか。
「手放し」とは、我慢でもなく、辛いことでもなく、苦しいことでもありません。
もちろん、手放していく過程のなかでは、そのように感じることもあるかもしれません。
けれども、「手放し」とは、とてもポジティブなものであり、執着にとらわれた自分自身を解き放つことのできる力を持ったものでもあります。
「執着」の処方箋である、「手放し」。
そのイメージを、持っていただけましたら幸いです。
今日は、「執着」の処方箋は手放すことであり、それは好きなまま距離を空けること、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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