大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

苦しいほどに承認欲求が強い人が持つ、唯一無二の才能。

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「もっと評価されたい」という承認欲求は苦しいものですが、それはその人の才能の源泉でもあります。

自分に満足しないがゆえに、さらなる高みに上がる原動力にもなるからです。

承認欲求を持つ人の唯一無二の才能と、その苦しさの緩め方についてお伝えします。

オンラインカウンセリング無料相談・ココロノマルシェに寄せられたご相談に、回答させていただきます。

【もっと評価されたい!という承認欲求】

私は現在、デザイン系の仕事をしています。

昔から絵を描くことは大好きで、一時期は趣味で漫画やイラストを描いたり、SNSに投稿したりして、それなりにたくさんの人から評価をされたりしました。

現在の仕事でも、入賞したり上司やクライアントに褒められたり評価されたり、嬉しい言葉をもらうことも多々あります。

 

しかし、どうしても他の同僚と比較して『勝ち負け』を意識してしまう自分がいます…

私から見てもすごいなぁと思う同僚の作品を見ると「すごい!」と思うと同時に「私だってこれくらいできるし」や「やばい、負ける…いや、負けてない」や「私の作品なんか全っ然駄目だ」と、ものすごく嫌な気分になってしまいます。
上手いと思いつつもそれを素直に受け入れられなかったり…見たくなかったり。

そんな同僚が周りから褒められたり、ちやほやされてるとものすごく嫉妬してしまいます。

私だってもっと認めてもらい、ちやほやされたい!と、子供のような感情になる時もあります。

たくさんの人の前で自分が褒められたりすると優越感を感じますが、やはり劣等感の裏返しなので、他人が評価されてるとすぐに落ち込み嫉妬…のループです。

 

昔から負けず嫌いの性格で、趣味でイラストを書いていた頃もSNSの評価に一喜一憂してしまって落ち込んだり。

こういった大きすぎる承認欲求やが本当に苦しくて、いい加減しんどいのでもうやめたい(なくすのは無理だと思うのでせめて小さくしたい)と思っていますがなかなか小さくなりません…

 

仕事だけでなく、生き方や恋愛等とにかく昔から他人と比較してばかりで、自分を否定したり責めたりするのが癖になっています。

最近は『他人と比べることで、とにかく自分を否定したり責めたいんだな』と気づきました。

どうしてもありのままの自分を受け入れられないので、周りがどれだけ評価してくれても、心底では受け取れていないのかなとも思いました。

(実際褒められたりしても内心「これくらいできて当然だし」と思うプライドエベレストと性格の悪さです…)

 

潜在意識に自己否定が根付いているため、例えどれだけ他人に評価されてもその瞬間しか満足できず、他人軸故に周りの言葉や評価に振り回されてしまうんだろうなと思います。

一時期は『負けるものか!』のエネルギーで頑張れましたが、そういう戦い方は疲れてしまいました。

 

自分のデザインに対して自信がありそうでないんだと思います。

一番認めてほしい相手は自分自身なのに、自分が自分を認めないから、他人がいくら評価して(認めて)くれても満足しないのだと思います。

 

周囲に相談してもあまり理解されず…かと言って物作りが趣味で近しい立場の友達に相談しても「あまり考えたことない」と言われ、自分が異常すぎるのかな?と思いました。

長くなりましたが、こういった黒い気持ちを晴らす突破口を是非教えていただきたいです。

よろしくおねがいします。

(タブンネ さん)

タブンネさん、ご相談ありがとうござます。

文筆家・心理カウンセラーの大嵜直人が回答させていただきますね。

勝ち負けや競争、優越感と嫉妬、褒められても満足できない・・・

いやぁ、私も言葉で表現活動をしているのですが、タブンネさんのご相談は、首がもげるほど頷きながら読んでしまいました笑

>周囲に相談してもあまり理解されず…かと言って物作りが趣味で近しい立場の友達に相談しても「あまり考えたことない」と言われ、自分が異常すぎるのかな?と思いました。

自分の好きなことの悩みは、とてもデリケートなものです。

その悩みが理解されないとき、人は自分自身が否定されたように感じてしまうこともあります。

そういった意味でも、こうしてご相談を寄せてくださったことに、まずは感謝申しあげます。


 

さて、タブンネさん、めちゃめちゃすばらしいですよね。

お悩みに対して「すばらしい」とは何事か!と思われるかもしれませんが、ご相談文からは、タブンネさんの価値や魅力があふれています。

まずは、好きなデザインやイラストの世界で、結果を出されていること。

>昔から絵を描くことは大好きで、一時期は趣味で漫画やイラストを描いたり、SNSに投稿したりして、それなりにたくさんの人から評価をされたりしました。
>現在の仕事でも、入賞したり上司やクライアントに褒められたり評価されたり、嬉しい言葉をもらうことも多々あります。

ご相談文を通して、私が感じることですが、タブンネさんはご自身のことを、控えめに語る方ではないかなと思います。

そのタブンネさんが、こうして書かれるということは、おそらく私の想像以上に、多くの方から評価されているのではないでしょうか。

だからこそ、承認欲求が出てきて、苦しかったりすることもあるのでしょうけれども、まずはその「事実」だけを認めてみても、いいのかもしれません。

そして、ご相談文はとても分かりやすく、それでいてタブンネさんの情感が伝わってきます。

高い言語能力や、相手とコミュニケーションを取れる共感力といったものも、豊かにお持ちです。

おそらくなのですが、お仕事の上においても、社内外からとても信頼される方なのではないかと思います。

上司や同僚といった社内からも、クライアントや関係者といった社外からも、信頼されるのではないかな、と感じます。

そして、タブンネさんは、とても冷静で客観的に自己分析をすることができておられます。

深い内省、という才能といってもいいかもしれません。

>大きすぎる承認欲求やが本当に苦しくて、いい加減しんどいのでもうやめたい(なくすのは無理だと思うのでせめて小さくしたい)と思っていますがなかなか小さくなりません…

>仕事だけでなく、生き方や恋愛等とにかく昔から他人と比較してばかりで、自分を否定したり責めたりするのが癖になっています。
>最近は『他人と比べることで、とにかく自分を否定したり責めたいんだな』と気づきました。

このあたりの自己分析、あるいは自分の心の癖に気づくというのは、ほんとうに素晴らしいものです。

誰しもなかなか、自分のイヤな感情に向き合うことはしたくないものです。

しかし、タブンネさんはとても真摯に、ご自身の内面と向き合っておられるように、私は感じます。

「他人軸」という言葉もありましたが、タブンネさんはこれまでずっと、イヤな感情を他責にせず、ご自身の問題として捉えてきたのではないでしょうか。

見方を変えれば、それはしっかりとした「自分軸」だったと見ることもできると思います。

それは、素晴らしいことではないでしょうか。

だからこそ、タブンネさんのイラストやデザインは、観る人の心を捉えるのかもしれません。


 

さて、デザインやイラストのお話が出たところで、ご相談の主旨にお答えしていきたいと思います。

>自分のデザインに対して自信がありそうでないんだと思います。
>一番認めてほしい相手は自分自身なのに、自分が自分を認めないから、他人がいくら評価して(認めて)くれても満足しないのだと思います。

ご相談文のなかで、一番コアな部分は、ここではないかと私は感じます。

タイトルにつけてくださった承認欲求ですが、タブンネさんの苦しさは、他人からの承認欲求が得られない苦しさではないように思います。

それよりも、タブンネさんがご自身を承認できない、自分を認められないから、苦しいと感じる。

それに気づいて、言語化できていることは、とても素晴らしいことです。

なかなか、自分の心の癖というのは、気づきづらいものですが、それだけタブンネさんは真摯にご自身の内面と向き合ってこられたことの証だと思います。

>なくすのは無理だと思うのでせめて小さくしたい

タブンネさんがご相談文の中でこう気づいておられる通り、それ(自分自身が承認できない、認められないこと)はなくせないものです。

なぜなら、それはタブンネさんのアイデンティティであり、才能の一部であるからです。

それをなくしてしまったら、これまで述べてきたような、タブンネさんの資質や才能もまた、消えてしまうかもしれません。

 

おそらくなのですが、タブンネさんは、他の人よりも「100点」のラインが高いように、私には感じられます。

それは、「職人気質」と表現できるかもしれません。

>実際褒められたりしても内心「これくらいできて当然だし」と思うプライドエベレストと性格の悪さです…

ここなんて、象徴的ですよね。

他人に褒められるほどの結果を出しても、それを当然だと思っておられる。

多くの人は、自分が立てた目標にたどり着いたら「やったー!!」と、しばらくそこでほっとします。

しかし、職人気質の方は、頂上にたどり着く前から、次に登る山を探していたりします。

これはとても苦しいことでもあるのですが、時間とともに才能を開花させることのできる、素晴らしい資質でもあります。

昨年、歌舞伎俳優の尾上菊五郎さんが、文化勲章を受章されたニュースがありました。
受賞に寄せて、「私はまだまだ発展途上」と仰っておられたのが印象的でした。

「まだまだ発展途上。これで良いと思ったら役者はおしまいです。いつまでも色気を追求し、もてたい、褒められたいという煩悩を持って勤めていきたい」

時事ドットコム2021年10月26日より

芸歴70年を超える人間国宝をして、「まだまだ発展途上」、「褒められたい」と仰っておられる。

どこかで聞いた言葉のような気がしますが、気のせいでしょうか笑

芸事しかり、表現活動しかり、芸術しかり。

何がしかの成果を出す方は、そのような資質を持っておられるのかもしれません。

タブンネさんがご自身を認められないのは、とても苦しいことだと思います。

けれどもそれは、タブンネさんの唯一無二の才能の源泉でもあります。

タブンネさんが抱いてきた、その苦しさの分だけ。

タブンネさんの表現するものは、それを観る人の心を打つのだと思います。

タブンネさんは、素晴らしい才能をお持ちだと思います。

何度でも、それをお伝えしたいと思います。


 

さて、そうは言っても、その自分が認められない苦しみは、辛いものです。

もし、私がカウンセリングでタブンネさんのお話を伺えるのであれば。

その苦しみと、ともにありたいと思います。そして、

>一時期は『負けるものか!』のエネルギーで頑張れましたが、そういう戦い方は疲れてしまいました。

もしこう仰られるのであれば、「負けるものか!」とは違う頑張り方を、一緒に探してみたいと思います。

そのために、こんなことを伺うかもしれません。

・昔から絵を描くことが大好きだったそうですが、どんなところが好きだったのでしょうか。

・似顔絵を描くのが、好きだったのでしょうか。

・絵を描いて、誰かが喜んでくれたことはありますでしょうか。

・色を塗るのが、好きだったのでしょうか。

・どんな色が、好きだったのでしょうか。

・風景画を描くのが、好きだったのでしょうか。

・好きだった絵の具や絵筆は、どんなものでしたでしょうか。

・初めてパソコンで絵を描いたときは、どんな感じがしたのでしょうか。

もちろん、そんなに矢継ぎ早に質問することはありませんが笑

ただ、タブンネさんが絵を描くことが好きだったときの、ピュアな気持ち。

それを、お伺いしてみたいな、と思います。

もしかしたら、それを思い出していただけたら、承認欲求の苦しさを少し忘れさせてくれるかもしれない。

そう、思うからです。

そういった意味では、もし作ったことがなければ、タブンネさんのこれまでの作品記録、ポートフォリオなんかを作ってみても、いいかもしれません。

ご自身がこれまで歩んできた道を、愛の目で眺める時間を取っていただくことでも、その苦しさが少し和らぐかもしれません。

ご参考になりましたら、幸いです。

タブンネさんの素晴らしい資質が、これからさらに輝くよう、応援しております。

この度は、ご相談をお送りいただきまして、ありがとうございました。

文筆家・心理カウンセラー
大嵜 直人

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ご相談の内容によって、私のカウンセラー仲間をご紹介しております。
本日ご紹介するのは、私の先輩でもあります「一水(いちみず)みゆき」カウンセラー。

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デザイン関係のお仕事を長くされている、一水カウンセラー。

デザイン思考と心理学を使いながら、大きな愛をもって出会う人の幸せを応援するスタイルのカウンセリングをご提供されておられます。 

キャンペーン価格でのメニューなどもあるそうですので、ご参考にしていただけましたら幸いです。

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