大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

パートナーシップの葛藤 ~パートナーシップは代理戦争?

私たちは対人関係の原型を、親との関係から学びます。

それはパートナーもまた同じであり、それゆえにパートナーシップの葛藤はお互いの親から学んだ原型の代理戦争でもあるのです。

1.パートナーシップの原型

昨日の記事では、パートナーシップの原型、というテーマでお伝えしました。

パートナーシップの原型 ~親を見捨てる怖れを乗り越える - 大嵜直人のブログ

パートナーとの幸せを考えるとき、私たちはパートナーと「一緒に」幸せにならないといけない、ととらえがちです。

けれども、自分から幸せになる、というリーダーシップを発揮することも、パートナーシップにおいては大切なことです。

自分が幸せで、笑顔でいることで、パートナーにも幸せを分け与えるイメージでしょうか。

ここでネックになるのが、パートナーを「見捨てる怖れ」です。

自分だけが幸せになってしまって、いいのだろうか…?

パートナーが幸せになってからじゃないと、自分も幸せになってはいけないのではないか?

そんな感じがしてしまうことがあります。

ひとえにそれは「罪悪感」ともいえるのですが、このルーツになるのが親との関係です。

自分から見た親が幸せそうでないとき、私たちはどうしても自分が幸せになることに罪悪感を抱いてしまいます。

昨日の記事では、そんな罪悪感を癒すことについて、お伝えしました。

2.対人関係のモデルは、親との関係

今日は、そのテーマをもう少し掘り下げてみたいと思います。

パートナーを含め、私たちは多くの人と関係を築きます。

そうした対人関係のルーツというか、モデルになるのが、親との関係です。

「はじめての他人は母親」と言われるように、生まれてから多くの時間を接するのが母親であり、そこから私たちは対人関係を学びます。

コミュニケーションの頻度、深さ、表現方法、感情の表し方、感じたことの伝え方…私たちは人とのかかわり方を、親から学んでいきます。

もちろん、学んでいるなんて意識はなく、「それが当たり前」という意識になるといった方が正しい表現なのでしょう。

親のコミュニケーションの取り方をそっくりそのままコピーする場合もあれば、自我が芽生えたり、思春期以降に親のそれに嫌悪感を感じて、反面教師にする場合もあります。

そのいずれの場合も、対人関係のルーツは親との関係にある、といえるのです。

特に、それが強く出るのが、「愛し方」「愛され方」だったりします。

私たちは、自分が愛されたように、誰かを愛そうとするからです。

過去に自分がイヤだと感じた愛され方を、避けようとするからです。

自分はいつも、どんな愛し方をするのだろう?

自分はどんな風に愛されるとうれしいだろう?

それを考えてみることで、自分にとっての対人関係の原型を知ることができます。

3.パートナーシップは代理戦争?

こうした対人関係の原型は、決して一つではありません。

人との関わり方、愛し方が無限にあるように、人にはそれぞれの対人関係の原型があります。

これ、お気づきのようにパートナーもまた、同じなんですよね。

自分とは全く異なる原型を持っているのが、ある意味で当たり前なんです。

自分とは違う親から生まれ、違う環境で育ち、違う経験をしてきているのですから。

それゆえ、パートナーシップにおいては、この原型がぶつかり合うことが多々あります。

言ってみれば、それは双方が親から受け継いだ対人関係の原型の「代理戦争」と見ることもできます。

お互いの親から受け継いだ原型、価値観、愛し方が、衝突してしまう。

これが、パートナーシップにおける葛藤の原因の一つです。

先ほども書いたように、愛し方って、その人にとってはもう空気のようなもので、意識しなくてもしているものです。

それが「間違っている」とされるのは、「は?何言ってるの?」という感覚になるものです。

「相手が絶対におかしい。私は間違っていない」と、意固地になるのも、ある意味で当たり前です。

さしずめ、当たり前に肺呼吸をしているのに、「え?呼吸はエラでするものだよ?」と常識を疑われるようなものでしょうか。

いや、エラ呼吸するパートナーは、いないでしょうけれども笑

 

この葛藤の解消法の一つは、「正しさ」を手放すことです。

先ほど、自分の対人関係の原型、愛し方を知ることはとても大切、と書きました。

同じように、彼には彼の、彼女には彼女の愛し方があるのです。

そこに、正誤優劣は、ありません。

ただ、そうした愛し方しか知らなかっただけなのでしょう。

自分の愛し方だけが、正しいわけでもない。

それを受け入れることができると、パートナーシップの葛藤はずいぶんと減っていくのでしょう。

それは同時に、自分が受けとれる愛のレンジが広がるということであります。

もしそのレンジを広げることができたら。

いままで、パートナーがどれだけ自分を愛してくれたのか、気づくこともできるのかもしれません。

今日は、パートナーシップの葛藤、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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