大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「役立たず」という自己否定に寄せて。

「自分は役に立っていない」という自己否定をしてしまうことがあります。

この自己否定について、少し考えてみたいと思います。

1.「役立たず」という自己否定

今日は、ちょっと話題を変えて、「役に立たない」という自己意識について、少し考えてみたいと思います。

誰かの役に立っていると感じるとき、私たちは自分を肯定することができます。

これを「自己有用感」と呼んだりもしますよね。

それはおそらく、「群れ」で生きることを選んだ、私たち人間の性ともいうべきものかもしれません。

いろんな職種のなかでも、営業職は顧客と接することが多い分、そうした「有用感」を感じやすいですよね。

お客様から、直接「ありがとう」と言われるが多いですしね。

もちろん、その反面、クレームをいただいたりすることもあるのが、ハードな部分ではありますが笑

しかし、その反対に「自分は役に立っていない」と感じてしまうと、強い自己否定を感じます。

何の役にも立っていない自分は、ここにいていいんだろうか?と、自分の足元が揺らぐような、そんな感じすらしてしまうこともあるのでしょう。

仕事の上だと感じやすい面もありますが、家族の中にいても、あるいは友だち、はたまたパートナーと一緒にいても、そう感じてしまうことが、あるかもしれません。

「役に立たない」という形の自己否定は、カウンセリングのなかでもお話を伺うことが多い形の自己否定でもあります。

2.その見方をすることで、何を得ているのだろう?

しかし、不思議なものですよね。

役に立つか、役に立たないかなんて、客観的な基準は何もないわけです。

役に立っているかどうかを数値化できる測定器なんて、誰も持っていないですし笑

たとえ、仕事の上で「今期は自部署に役に立つ仕事をできなかった」という評価をもらったとしても、それがその人そのものの役に立つかどうか?なんて、全然関係ないですよね。

いや、全然関係ないとは言い過ぎかもしれませんが。

ただ、その人だって、その評価をもらった帰り道に憂さ晴らしで、いつもの居酒屋に入ってよく食べよく飲んで、店主に「いやー、いつもありがとうございます」と言われるかもしれません笑

それは冗談としても、役に立つか立たないか?なんて、客観的な判定基準があるわけでもないです。

それを、なぜか自分が「自分は役に立たない」と決めて、責めている。

もちろん、そう決めてしまったのは、そうせざるを得ない理由があったのでしょう。

ただ、ちょっと厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、それを役に立つか、立たないかを決めているのは、自分自身の基準であり、さらに言うならば、その基準を「わざわざ」自分が役に立たないところに設けているわけです。

カウンセリング的な見方をするならば、「自分が役に立たない」と思うことで、何を得ているのだろう?何を守ろうとしているのだろう?という見方ができるかと思います。

それは、単に「役立たずじゃない」と思おうとするよりも、深く自分と向き合うことができるのでしょう。

3.それでも、そこにいたんですよね

自分を「役立たず」と思うことで、得られているもの。

それは、どんなものがあるのでしょうね。

たとえば、自分が役に立たないことで、周りの人が役に立つ人でいられるようにしていた、というのも一つの理由かもしれません。

そうした理由は、その人がいままで生きてきた中で、大切にしたかったもの、守りたかったものと、深く結びついているのでしょう。

それは、その人の才能とよばれるところと、密接に結びついているものでもあります。

そういった意味でも、その「得られているもの」を考えることは、とても意義深いものなのでしょう。

 

つながりの中で生きる私たちにとって、「役に立てない」と感じるのは、非常につらいことです。

自分の立ち位置や、存在意義すらも、危うくしてしまうくらい、しんどいことでもあります。

ただ、そうした「役に立たない」と感じたこと、そしてその場にいつづけたことに、価値を見てあげてください、とはお伝えしたいのです。

自分自身が役に立っていないと感じても、そこにいつづけた。

そうすることで、守りたい何かが、あったから。

「役に立たない」という辛さやしんどさから逃げずに、そこに、いつづけた。

そこに、価値を見てあげてほしいな、と思うのです。

今日は、「役立たず」という自己否定に寄せて、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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