「シャドウ」が教えてくれるのは、自分が抑圧し隠してしまった可能性です。
「シャドウ」は、わざわざ嫌われ役を演じてくれている人たちともいえます。
1.仮面をつけることは、悪いことじゃない
昨日の記事では、仮面をつけることは、悪いことじゃない、というテーマでお伝えしました。
仮面をつけて生きることは、必ずしも悪いことじゃない。 - 大嵜直人のブログ
私たちは、本来の自分、かりそめの自分という分け方をするのが好きなようです。
本来の自分は自由気ままな気質なのに、ルールを守ってカチッとする仮面をつけて生きている、といったように。
時に、その仮面をつけていることが、息苦しさや生きづらさにつながってしまったりします。
そうしたとき、
「本来の自分を取り戻しましょう」
といったフレーズは、とても魅力的に聞こえるものです。
もちろん、それはそれで大切なことではあるのですが、注意したいのは「仮面をつけて生きてきた自分」を否定しないことです。
本来の自分は、よい自分。仮面をつけた自分は、悪い自分。
そういった区分けを、しないことです。
むしろ、仮面をつけてきたことで得られたものもあるでしょうし、仮面をつけるという選択をせざるを得なかった自分自身を愛することが、何よりも大切なことです。
昨日の記事では、そんなテーマをお伝えしました。
2.「シャドウ」との統合
必要なのは、どちらかの自分を選んで、どちらかの自分を捨てる、といった二者択一ではなく、どちらの自分も受け入れていくことです。
ときに、本来の自分で生きる。
ときには、仮面をつけて生きる。
自分の選択で、それをしているようになると、ずいぶんと肩の荷も軽くなるものです。
このときのカギになるのが、先日までのテーマであった「シャドウ」ですね。
本来の自分を抑圧して生きていると、その要素を持った人が、自分の前に現れるものです。
当然、その人に対しては強い嫌悪感をおぼえます。
ムカつくし、見ていてイライラするし、絶対にコイツみたいになりたくない、と思うわけです。
それは、仕事の上司の場合もあれば、家族の誰かの場合もあるでしょうし、友だちの場合や、時には関係性が長くなってきたパートナーが、その役割を演じてくれることもあります。
「役割を演じてくれる」というのがポイントで、結局のところ、彼ら・彼女らは、私たちが内なる自分を愛するために、サインを送ってくれている存在なんですよね。
ほら、劇やドラマのなかでもあるじゃないですか、めっちゃ嫌われ役、敵役、カタキ役。
プロレスで言えば、ヒール、悪役でしょうか。
彼ら・彼女らは、ボランティアで、わざわざ嫌われ役をやってくれているのかもしれません。
「そんなことしなくてもいいのに…」と思われるかもしれませんが笑
さて、この「シャドウ」を、受け入れていくことができると、本来の自分と仮面をつけた自分を統合していくことができます。
その双方を統合した、新しい自分と出逢えるのですね。
3.自分の人生のなかで、演じてくれているだけ
「シャドウ」は、言ってみれば「嫌われ役」を演じてくれている役者。
そう考えると、「大嫌い」一辺倒の見方も、少し変わるのではないでしょうか。
自分が主人公の、長い長い舞台。
その舞台の中には、ヒロイン/ヒーローであるあなたの他に、愛おしい恋人役を演じる役者もいれば、大切なアドバイスをくれる先輩もいれば、葛藤を抱える家族を演じる役者もいます。
そして、嫌われ役である「シャドウ」も出てきます。
劇でも、ドラマでも、そうですよね。
敵役が憎そうで、悪そうであればあるほど、盛り上がるわけです。
その役は、「いい人」ではダメで、めっちゃ憎まれ、悪辣であるほどに、その役者は超一流なわけです。
そして、素晴らしい劇というのは、その悪役がなぜそうした行動を取るのか、そうした心情を描いていて、主人公がそれを理解し、許していくことが多いものです。
「シャドウ」の人は、そうした役を、わざわざ演じてくれているだけなんですよね。
その「シャドウ」の、劇のなかでの役割、それは、
「あなたって、ほんとうはこんな感じじゃないの?」
「こんな風にも、生きられるよ」
といったサインを送ってくれることです。
それを、ボランティアでやってくれているんですから、感謝の一つもしてあげないといけないのかもしれません。
「シャドウ」を統合するといっても、別に悪に染まる必要はありません笑
ただ、「こんな自分も、自分のなかにはいるよな」「こんな風に生きても、いいのかもな」と思うから、統合ははじまるのです。
今日は、「シャドウ」は、わざわざ嫌われ役を演じてくれている人たちである、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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