大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

価値を伝える、ということの意味。

今日は、「価値を伝える」ことの意味について考えてみます。

「価値を伝える」ことは、伝える人のみならず、伝えた人そのものも癒し、輝かせるようです。

1.価値を伝えることと褒めることの違い

価値を伝えることは、人間関係の万能薬

「価値を伝える」ことは、人間関係においての万能薬です。

いろんなところで、それは言われることですよね。

これをお読みのあなたも、どこかで聞いたことがあるかと思います。

人は、自分の価値を認めてくれる人に、心を開きます。

逆に、自分のことを見てくれないような人には、どうしたって心を閉ざしたくなるものです。

自分が何か頑張って仕事をしたのに、それを見向きもしない上司の言うことは、あまり聞きたくもないですよね。

毎日、家事をしているのに、それを当たり前だと思っているパートナーには、「なんだかな…」と思ってしまうのが人情です。

価値を伝えることと、褒めることの違い

しかし、ここで注意したいのは、「価値を伝える」と「ほめる」とは少し異なる、ということでしょうか。

「ほめる」には、「褒める」と「誉める」の2種類の漢字がありますが、どちらも似たようなニュアンスです。

ちょっとググってみたところ、「人のしたこと・行いをすぐれていると評価して、そのことを言う。たたえる」と出てきました。

まさにそれで、「ほめる」とは、何かに対しての報酬的な意味合いがあります。

「これをできたの?すごいね」

「それ、してくれたの?ありがとう」

そうした「褒める」ということは、私たちは日常的にしています。

もちろん、それも大切なことではありますが、そこには「(何がしかの)行い、行動」⇔「ほめる」という間に、交換のような関係が成り立つわけです。

お手伝いをしたから、お小遣いをもらうような。

交換関係であれば、それが終わってしまえば、「貸し借り無し」のようになってしまいます。

しかし、それと「価値を伝える」ことは異なります。

「価値を伝える」こととは、何かの行動ややったことに対して、することではありません。

それは、その人そのものの持っている素晴らしさであったり、光の部分をあますことなく伝えることです。

だから、それは交換や等価関係ではなく、純粋に「与える」行為であるといえます。

2.価値を伝えることはいつでもできるし、無限の手段がある

「価値を伝える」こと。

それは「褒める」こととは異なり、どんなときでもできるわけです。

「褒める」場合は、何がしかの対象となる行動や行いが必要になりますが、「価値を伝える」ことは、そうではありません。

いつ伝えてもいいわけです。

だって、その人の素晴らしさや光というのは、いつでも失われることがないものだといえるのでしょうから。

そして、「価値を伝える」と聞くと、「あなたは素晴らしい」と言葉で伝えるだけのイメージになりがちですが、決してそうではありません。

「価値を伝える」方法は、何百万通り、あるいは無限の方法があるはずです。

それをストレートに言葉で伝えることも、そうでしょう。

あるいは、その人に感謝を向けて、微笑みかけることも、一つの方法なのでしょう。

愛情を表現する方法が一つではないことと同じように、「価値を伝える方法」もまた、一つではありません。

その伝え方を考えることもまた、プロセスの一部です。

そして「どうやったら相手が受けとりやすいように、伝えられるか?」を考えることは、とてもクリエイティブであり、創造性が求められるものです。

それらを考えるとき、自分自身にもまた、とても大きな恩恵が降り注ぐのも、「価値を伝える」ことの素晴らしさの一つです。

だって、どうやって愛を伝えようか?と一生懸命になって考えている人って、とっても魅力的に見えませんか?

それと、同じわけといえます。

3.自分を否定していては、伝えられない

「価値を伝える」ことは、とても素晴らしいことであると、お伝えしてきました。

しかし、実際にやろうとすると、なかなか難しいことでもありますよね。

その難しさの一つが、他人の価値は、自分自身が受けとった価値しか、見ることができない、という点でしょうか。

「やさしさ」という価値を相手のなかに見るためには、「やさしさ」が何であるかをしていないとできません。

それは、自分のなかにある「やさしさ」を受けとってこそ、理解できるものです。

「愛情深さ」という価値を認めるためには、自分自身が愛情深いことを知らなければ、なかなか相手のなかにその価値を見ることは難しいものです。

自分が受けとったものしか、与えられない。

そうした意味では、自分自身を否定していては、「価値を伝える」ことは難しいようです。

相手の素晴らしさを伝えるために、あなた自身の素晴らしさや価値を、受けとうること。

それが、相手に価値を伝える、そして愛するということにつながるようです。

もちろん、自分の価値を受けとる、というのはなかなか抵抗がでてきたり、難しいこともあるものです。

けれども、大切な人のためにも、自分の価値を受けとるということは、とても重要なプロセスといえるのでしょう。

私がカウンセリングで最も大切にしていることの一つが、この「価値を伝える」ことでもあります。

これからも、それを忘れずに続けていたいと思っております。

今日は、「価値を伝える」ことの素晴らしさについて、お伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

〇大嵜直人のカウンセリングの詳細・お申込みはこちらからどうぞ。

※ただいま5月度の個人カウンセリングを募集中となります。

〇カウンセリングのご感想のまとめはこちら。