今日は、「価値を伝える」ことの意味について考えてみます。
「価値を伝える」ことは、伝える人のみならず、伝えた人そのものも癒し、輝かせるようです。
1.価値を伝えることと褒めることの違い
価値を伝えることは、人間関係の万能薬
「価値を伝える」ことは、人間関係においての万能薬です。
いろんなところで、それは言われることですよね。
これをお読みのあなたも、どこかで聞いたことがあるかと思います。
人は、自分の価値を認めてくれる人に、心を開きます。
逆に、自分のことを見てくれないような人には、どうしたって心を閉ざしたくなるものです。
自分が何か頑張って仕事をしたのに、それを見向きもしない上司の言うことは、あまり聞きたくもないですよね。
毎日、家事をしているのに、それを当たり前だと思っているパートナーには、「なんだかな…」と思ってしまうのが人情です。
価値を伝えることと、褒めることの違い
しかし、ここで注意したいのは、「価値を伝える」と「ほめる」とは少し異なる、ということでしょうか。
「ほめる」には、「褒める」と「誉める」の2種類の漢字がありますが、どちらも似たようなニュアンスです。
ちょっとググってみたところ、「人のしたこと・行いをすぐれていると評価して、そのことを言う。たたえる」と出てきました。
まさにそれで、「ほめる」とは、何かに対しての報酬的な意味合いがあります。
「これをできたの?すごいね」
「それ、してくれたの?ありがとう」
そうした「褒める」ということは、私たちは日常的にしています。
もちろん、それも大切なことではありますが、そこには「(何がしかの)行い、行動」⇔「ほめる」という間に、交換のような関係が成り立つわけです。
お手伝いをしたから、お小遣いをもらうような。
交換関係であれば、それが終わってしまえば、「貸し借り無し」のようになってしまいます。
しかし、それと「価値を伝える」ことは異なります。
「価値を伝える」こととは、何かの行動ややったことに対して、することではありません。
それは、その人そのものの持っている素晴らしさであったり、光の部分をあますことなく伝えることです。
だから、それは交換や等価関係ではなく、純粋に「与える」行為であるといえます。
2.価値を伝えることはいつでもできるし、無限の手段がある
「価値を伝える」こと。
それは「褒める」こととは異なり、どんなときでもできるわけです。
「褒める」場合は、何がしかの対象となる行動や行いが必要になりますが、「価値を伝える」ことは、そうではありません。
いつ伝えてもいいわけです。
だって、その人の素晴らしさや光というのは、いつでも失われることがないものだといえるのでしょうから。
そして、「価値を伝える」と聞くと、「あなたは素晴らしい」と言葉で伝えるだけのイメージになりがちですが、決してそうではありません。
「価値を伝える」方法は、何百万通り、あるいは無限の方法があるはずです。
それをストレートに言葉で伝えることも、そうでしょう。
あるいは、その人に感謝を向けて、微笑みかけることも、一つの方法なのでしょう。
愛情を表現する方法が一つではないことと同じように、「価値を伝える方法」もまた、一つではありません。
その伝え方を考えることもまた、プロセスの一部です。
そして「どうやったら相手が受けとりやすいように、伝えられるか?」を考えることは、とてもクリエイティブであり、創造性が求められるものです。
それらを考えるとき、自分自身にもまた、とても大きな恩恵が降り注ぐのも、「価値を伝える」ことの素晴らしさの一つです。
だって、どうやって愛を伝えようか?と一生懸命になって考えている人って、とっても魅力的に見えませんか?
それと、同じわけといえます。
3.自分を否定していては、伝えられない
「価値を伝える」ことは、とても素晴らしいことであると、お伝えしてきました。
しかし、実際にやろうとすると、なかなか難しいことでもありますよね。
その難しさの一つが、他人の価値は、自分自身が受けとった価値しか、見ることができない、という点でしょうか。
「やさしさ」という価値を相手のなかに見るためには、「やさしさ」が何であるかをしていないとできません。
それは、自分のなかにある「やさしさ」を受けとってこそ、理解できるものです。
「愛情深さ」という価値を認めるためには、自分自身が愛情深いことを知らなければ、なかなか相手のなかにその価値を見ることは難しいものです。
自分が受けとったものしか、与えられない。
そうした意味では、自分自身を否定していては、「価値を伝える」ことは難しいようです。
相手の素晴らしさを伝えるために、あなた自身の素晴らしさや価値を、受けとうること。
それが、相手に価値を伝える、そして愛するということにつながるようです。
もちろん、自分の価値を受けとる、というのはなかなか抵抗がでてきたり、難しいこともあるものです。
けれども、大切な人のためにも、自分の価値を受けとるということは、とても重要なプロセスといえるのでしょう。
私がカウンセリングで最も大切にしていることの一つが、この「価値を伝える」ことでもあります。
これからも、それを忘れずに続けていたいと思っております。
今日は、「価値を伝える」ことの素晴らしさについて、お伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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