大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

霞始靆(かすみはじめてたなびく)、輪郭のぼやける春の訪れ。

さて、2月ももう終わりのようです。

今年の2月のカレンダーは、月曜から日曜までがちょうど4回ずつと、美しい配置の月でした。

ふとカレンダーを見ても、ピシッと美しい配置ですよね。

そんな2月、如月も終わり、今日から3月、弥生に入りました。ほんと、早いですよね…

 

時候は「雨水」の中ごろ。

雨水は降る雪が雨に変わり、山の雪も溶けだすころとされます。

実際に、今週は雨の日が多かったようです。

今年は本当に雨が少なくて、こんなに雨が降ったのは久しぶりだったように思います。

七十二候では「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」。

春に出る霧を霞(かすみ)と呼び、夜の霞は朧(おぼろ)と呼ばれます。

その霧やもやが現れ、遠くの山々の景色がぼんやりとしてくるころとされます。

冬の乾燥したキリッとした寒さから、春の輪郭がぼやけたような暖かさへ。

目に映る景色が、確かに変わりゆくころですよね。

 

この水というのが、冬から春への移り変わりの象徴のように感じます。

乾燥して、雪や氷ばかりが目に付く冬から、雨や霞が見え始める春。

水気が、春を連れてくるのかもしれません。

どこか、春はいろんな輪郭がぼやけているように見えます。

悲しみも、寂しさも、また喜びであっても。

それらの境界線が溶け合って、にじみ絵を描くような。

春は、そんな心持ちになることが多いものです。

卒業や新生活など「出会いと別れの季節」とはよく言われますが、それだけでもないように思います。

雨が、霞が、水が、その情感を連れてくるのでしょうか。

 

春の味覚は、山菜のように苦みが特徴的な食材が多いものです。

その苦みは、冬の間に溜め込んだ毒気を流してくれるもの、とも言われます。

景色の輪郭がぼやける。

苦みを感じる。

悲しみも、喜びもある。

混然となった情感の中にいる。

そんな春の訪れは、もうすぐそこまで来ているようです。

 

日中は気温が上がる日も増えてきましたが、温度差で体調を崩しませんよう。

どうぞ、ご自愛くださいませ。