「シャドウ」と向き合う恩恵について、それを受け入れるプロセスとあわせて、お伝えします。
1.心の学びをどう使っていくか?
昨日の記事では、心の学びが黄金の輝きを放つとき、というテーマでお伝えしました。
「シャドウ」のお話からの流れでしたね。
その「シャドウ」もそうなのですが、心理学で学んだことやその知識を、実際にどう使っていけばいいのか、という視点です。
私たちはその心理学の知識を得ると、それを「外の世界に向けて」使おうとしてしまうことがあります。
彼の心の内を知りたい。
気に入らないあの人の行動を変えたい。
いつも衝突してしまう上司をなんとかしたい。
…などなど、自分の外のものごとを変えようとするのは、ある意味で自然ですし、当たり前なのかもしれません。
けれども、そういった試みは、あまりうまくいかないのは、ご承知の通りだと思います。
他人は変えられない、といいますが、まさにその通りですよね。
しかし、自分の外側ではなく、自分の心と向き合うために使うとき、心の学びはまさに黄金の輝きを放ちます。
自分の外側に向けるのではなく、自分の内面と向き合うために使うこと。
それが、心の世界の学びを使うときの、とても大切な視点です。
2.「シャドウ」と向き合う恩恵
では、その心の学びを自分の内面に向けたとき、どんな恩恵があるのでしょうか。
「シャドウ」を例にして、少し詳しく見てみたいと思います。
まずはじまりは、自分のまわりにめちゃくちゃイヤな奴があらわれます。
なんだかその人の言動や振る舞いが、癇に障るというか、気に入らない。
この人みたいには、絶対になりたくないと感じる、そんな相手。
そうした人が現れたとして、ここでこの人にフォーカスするのではなく、自分の心の内面に視点を向けるわけです。
あの人がめちゃくちゃ嫌いだってことは、私にとっての「シャドウ」なんだな、と。
ここで、心理学の知識が役に立つわけですよね。
そして、その相手の何が気に入らないのか、どういう部分が嫌いなのか、どういった要素が許せないのか、その人と気に入らない部分をいったん切り離してみるわけです。
そして、その要素を持った子どもをイメージしてみて、その子と会話したりして、可愛がってみるんです。
先日の記事でも、そんな方法をご紹介しました。
そうしていくと、そのうちにその子が自分の一部になったように感じられるようになります。
これが、「シャドウ」を受け入れるということであり、また自分のなかに禁じていたり、抑圧していた部分を許していくということでもあります。
そうすると、その「シャドウ」の相手への嫌悪感が緩んでいきますし、何より自分自身が生きやすくなります。
まあ、それはそうですよね。
大嫌いな存在と一緒に生きるよりも、それを受け入れ、許していった方が、生きやすいものですから。
もちろん、そのプロセスのなかには、自分がその要素を禁じたきっかけや経験、そのときの相手といったものと向き合い、許していくことも必要になるかもしれません。
3.その恩恵は、大切な人にも
「シャドウ」の例でもそうですが、まずは自分、なんです。
これを他人や外の世界をまずどうにかしようとすると、おかしくなるんですね。
まずは、自分。
そして、その自分と向き合った恩恵は、必ず自分自身に返ってくるものです。
「シャドウ」を受け入れることで、自分自身が格段に生きやすくなりますし、また自分の新しい可能性が示されたりもします。
そして、その恩恵は、めぐりめぐって、自分の大切な人にも還元されるものです。
自分が生きやすくなって、楽しくなって、笑顔でいられる時間が増えたら、それは自分の周りの人に対して与えられる、とても大きなギフトなのでしょうから。
最初から、周りの人にどうこうしようとしなくて、いいんです。
まずは、自分。
自分と向き合うこと。
そのために使うとき、心理学は私たちを導いてくれるものです。
今日は、「シャドウ」と向き合う恩恵、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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