大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「才能」の葛藤と、平和の天使のたとえ。

「才能」と聞くと、とてもポジティブなものに聞こえますが、それを持っているがゆえの葛藤も少なくないものです。

そんなことを教えてくれる、「平和の天使」というたとえ話とあわせてご紹介します。

1.自己否定が教えてくれるもの

先日の記事では、自己否定が教えてくれるもの、というテーマでお伝えしました。

自己否定は、自分が設定しているハードルの高さを教えてくれるものでもある。 - 大嵜直人のブログ

このブログでも、自己否定はよくないものとしてお伝えしています。

自分の一番近くにいて、365日、24時間いっしょにいる自分自身から、否定されたりダメ出しをされることほど、辛くしんどいこともありません。

だから、いつも自分を受け入れ、許し、愛しましょうとお伝えしています。

けれども、時には自己否定をしてしまったり、自分にダメ出しをしてしまうことも、あるものです。

それは、人間だからしょうがないですよね。

ただ、その自己否定が教えてくれるものもある、というのが昨日のテーマでした。

自分を否定するとき、それは私たちは何かできなかったり、自分の望む現実と変わらなかったときが多いものです。

それが、「何に対して」なのか、というのが重要な視点です。

表現を変えると、それは自分に課している「ハードル」を教えてくれるものではないか、というのが昨日のテーマでした。

そして、自分が当たり前にできると思っていること、それがなくてはならないものと考えているものほど、その「ハードル」は高くなるものです。

その「ハードル」の高さは、私たちが持っている「才能」の高さでもあります。

2.見ている目線の高さが、ハードルの高さになる

「才能」というと、言い過ぎじゃない?と思われるかもしれません。

けれども、決してそうではないんですよね。

自分に課す「ハードル」の高さは、言ってみれば自分が見ている目線の高さなんですよね。

「もっと心から触れ合うことができるはずだ」

「もっと落ち着いた居場所がつくれるはず」

そういった目線を持つことができること自体が、「才能」のあらわれです。

これ、言ってみれば「気づき」の次元であり、教えられるものでもないものだと思います。

たとえるなら、絵を描く技術を教えることはできても、「何を描くか」「何を表現するのか」は、なかなか教えられないように。

それを持っている人が、優れたアーティストであり、表現者になるのでしょう。

誰もが通り過ぎてしまうようなところに、

「ここに、こんな美しいものがあるんです」

と指差して教えることができるように。

その気づきというか、視点を持っていること自体が、「才能」のあらわれなんです。

でも、そこには苦しみというか、痛みをともうなうことがあります。

誰もそれに気づいてくれない苦しみ。

あるいは、自分の力が足りず、その美しさを伝えられないつらさ。

「才能」の光には、その影の面もあるのです。

いえ、その影の面を克服するからこそ、「才能」が光り輝くのでしょうか。

3.平和の天使はどこに生まれるか

この「才能」の葛藤について、たとえ話があります。

平和の天使はどこに生まれるか、というお話です。

平和をもたらす「才能」を与えられた天使がいたとして。

その天使が、この人の世に赤ちゃんとして生まれてくることになったとします。

さて、その天使は、どんな国や地域、あるいは家庭を選んで生まれてくるでしょうか。

もとから平和なところでしょうか。

それとも。

もし、平和にする「才能」をあますことなく使うことを考えるのであれば、ケンカの絶えない、殺伐としたところを選んで生まれてくるのではないでしょうか。

それが、最も「才能」を活かすことのできるところだからです。

ただ、生まれてきた天使は、その環境に絶望するかもしれません。

「こんなに争いばかりの世の中なんて、あっていいはずがない…」

あるいは、

「なぜ、こんなにもケンカばかりするんだろう…」

といった感じで。

その絶望の深さは、周りの人からしたら、推し量れないくらい深いものかもしれません。

けれども、それはその人が「平和の天使」という「才能」を持っているからなんですよね。

もし、その「才能」を持っていなければ、そこに苦しみも感じないかもしれません。

「いや、人がふたりいたら、ケンカが起こるのは当たり前じゃない?」、とばかりに考えたりもするかもしれません。

そうならないのは、「才能」を持っているからなんですよね。

 

何に苦しむのか。

何で自分を責めてしまうのか。

それは、端的にその人の「才能」の一端を見せてくれているのでしょう。

今日は、「才能」の葛藤と、平和の天使のたとえ、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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